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ものづくり・工場改善 見える化 (5) 「見える経営」 五十嵐遼

2016年07月17日 | ものづくり・工場改善 見える化

第202回記事(2014年7月21日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定

「見える化」の本の紹介も4冊目になりました。
今回は、製造現場以外の「見える化」で気になる本を紹介します。関心のある方は購入されて一読されたらと考えます。

紹介内容
 本のタイトルは「見える経営」となっていますが、中身は社団法人中部産業連盟(略称 中産連)で実施されているVM(isual anagement)=(目で見る経営+目で見る管理)について記載されています。
 VMの範囲は、従来の「見える化」が製造現場に限定されていたのに対して、「見える化」の考え方を間接部門の仕事や経営に関しても拡大適用して、経営上の成果を得るように工夫されたものです。記載されているのは、下記の①~⑤ですが、特に①と③がポイントになります。
 ①経営マネジメントシステム・・・・・②生産システム・・・・・・・・・④物的システム
                    ・                ・
                    ・                ・・・⑤管理システム
                    ・・・③管理・事務システム

 VMの具体的な実施方法は、従来の製造現場の「見える化」がアンドンなどで現場情報を見えるようにすることが中心であったが、VMは会社の目標を系統的に各部署に具体的に落とし込み、その目標と進捗をVMボートという掲示板に張り出し、サイクル期間を決めてその掲示板の前で管理者・経営者がレビュー・コーチングをすることで、目標の達成率を向上し経営に寄与する方法です。
 仕事の成果を出す、経営に寄与するという点では、第5章に「VMによる目標管理と収益管理」という章があり、ここを読んでいただくのが良いのではと思います。私が会社でも感じることなのですが、目標管理は最初に目標を設定するだけで途中の経過状態には上司は無関心(もしくは、関心はあるが目標管理なので担当者に任せて口出しをしない)状態であり、最後になって目標未達成のままのことがかなりの割合で発生しています。また、改善活動などではこの活動でどれだけ業績が良くなるかが不明の為、担当者のモチベーションは上がらないし、管理者・経営者の関心も低いままの状態が多数見受けられるように思います。これらに対して、VMボードの前でサイクル期間を決めて打ち合わせを行い、管理者・経営者のレビュー・コーチングを行うことで、PDCAサイクルを回して目標の達成率を向上し、経営への貢献が可能になります。
 「見える化」を使い、改善の目標を達成する、経営で成果を出すという点でお勧めの本です。

データ
 発行:2006年12月
 著者:五十嵐瞭(社団法人中部産業連盟(中産連)常務理事・主幹コンサルタント(当時))
 ページ数:194p
 価格:1900円+税(当時)
 出版社:日刊工業新聞社
 目次:
  第1章 VMの重要性と真髄
  第2章 VM活動の具体的手順と方法
  第3章 生産システムの構築をめざしたVM活動の進め方
  第4章 事務・管理システムの構築を目指したVM活動の進め方
  第5章 VMによる目標管理と収益管理の進め方
  

外観
 
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記 井上三右衛門

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