第193回記事(2014年5月19日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
私事で恐縮ですが、ものづくり・工場改善の記事を書く場合は、既に読んでいる本を約1W前くらいから数回読み直すのですが、先週図書館で借りた「小さな会社の生きる道。」(著者:中川淳(中川政七商店十三代)、出版社:阪急コミュニケーションズ)があまりに面白くて、というよりたいへん共感して、ついついこちらの本ばかり読んでしまいました。本の中には、兵庫県豊岡市にある鞄メーカのバッグワークス株式会社(代表者:高島茂宏)も出ています。今後機会があれば紹介できればと考えています。
さて、今回は見える化の4回目で、本の紹介は3冊目になります。
●まず本のデータの紹介です。
タイトル:仕事の見える化
著者:長尾一洋((株)NIコンサルティング代表取締役)
(一度講演をお聞きしたことがあります。)
出版社:中経出版
出版年:2009年
価格:1300円+税
ページ数:224p
外観:
(白い帯の部分に、1.会社の未来2.社員の頭のなか3.顧客の頭のなか 本当に大切な「3つのこと」が見えれば「先の読めない大不況時代」も乗り越えられる!と書かれています)
●特徴
この本の特徴を一言で言えば、
「工場現場以外での仕事の見える化」
もしくは「メールを使った見える化日報」でしょうか。
●以下で詳細を述べます。
1.「見える化」の中でのポジショニング(ジャンル)
一冊目の越前行夫先生の本が、工場の現場の「見える化」、
二冊目の遠藤功先生の本が、経営を含めた全体的な「見える化」、
それに対し、この長尾一洋先生の本は仕事、特に営業活動の「見える化」といえるでしょう。
2.「見える化」の方法
「見える化」の方法は、メールを使った「見える化日報」を作成する方法です。
その点から、私たちが行っている工場の現場の「見える化」とは全く異なるものであり、
工場現場の方からは想像もつかない方法だと思います。
また、この方法は、既に2000社(2009年4月現在)が採用しているそうです。
3.工場の現場の「見える化」との比較
工場の現場の「見える化」は、①事前にモニターする項目と判定基準を設定しておき、②モニター項目の実績値を常に見えるようにしておいて、③判断基準を越えた場合や下回った場合には、すぐに修正・改善の行動を起こすことと私は理解しています。
それに対し、「見える化日報」では、②日報の中の【事実】の項目に現状を記載し(見えようにし)、①【推察】の項目に自己の判断基準的なものを記載し、③【予定】の項目に今後の行動予定を記載するようになっています。
「見える化」といっても、工場の「見える化」とは全く違ったものであり、詳細は説明しきれるものではないので、詳細は実際に本で読んでいただくしかありません。
4.良いと思われる点
主なものは以下の4点と考えます。
・メールの日報であり、紙の日報より効率化されている。
・メールの日報で報告・連絡がされており、上司や同僚や関係部門がすぐ支援できる。
・顧客の考えていることを【推察】することで、成功確率の高い行動を起こせる。従来の日報はただ事実を述べるだけで、この推察が抜けている。
・顧客情報がメールの日報で手間を掛けずに蓄積される。
5.疑問に思う点
良い点も多数あるのですが、下記のような疑問に思う点もありました。
・30人ほどの会社では、すべての人にメールが配信されるが、全員から来ると負担では?
私は関係ない部門からのメールは中身を見ずにさっさと消しています。
・日報の作成は15分程度で済むとのことだが、その程度の時間で済むだろうか?
とにかく、既に2000社以上での採用実績があるということなので、関心のある方は試しに(株)NIコンサルティングに問い合わせてみられたらと考えます。
(私は(株)NIコンサルティングの社員では決してありませんので。)
井上三右衛門@晴耕雨読
追加(2014年5月26日)
目次が抜けていましたので、追加します。
チャプター1 会社の未来を「見える化」する
チャプター2 現場の仕事を「見える化」する
チャプター3 「見える化日報」で仕事が変わる
チャプター4 社員の頭のなかを「見える化」する
チャプター5 顧客の頭のなかを「見える化」する
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