サッカーのワールドカップが始まりました。
ユーロッパでの開催なので、眠れない日を過ごされる方が多いいのではないでしょうか。
ゴールの瞬間の中には、芸術的な美しさがあるものがありますね。
今回は、芸術的な美しさのある伝統工芸品等のご紹介になります。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第369回記事(2018年6月18日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 会社編⑨ エンド―鞄 嘉吉郎の部屋
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兵庫県豊岡市の伝統工芸品の3つの内、麦わら細工と出石焼は既にご紹介しました。
今回は、残った杞柳製品(きりゅうせいひん)についてご紹介したいと思います。
杞柳は聞き馴れない言葉ですが、柳と思っていただいたら結構です。
この杞柳製品の歴史は約1200年あり、国の伝統的工芸品に指定されています。
この長い歴史があったからこそ、今、豊岡は日本一のかばんの街と言えるのです。
1.家の蔵の中を探してみました。そしたら、使い古した柳行李鞄(やなぎごおりかばん)が見つかりました。
柳行李鞄は、柳を材料に使った鞄です。構造は、現在の鞄の形状ではなく、行李(こおり)に取っ手とバンドをつけたものでした。
2.上の柳行李鞄を探しに、豊岡市のエンドー鞄さんの嘉玄というショップの2階にある
「嘉吉郎の部屋」を訪れました。
エンドー鞄さんは創業が文政7年(1824年)。
約200年の歴史があり、鞄屋さんでは一番歴史がある老舗さんになるそうです。
嘉吉郎という名前を継がれた、先々々代、先々代、先代が集められた杞柳製品が
「嘉吉郎の部屋」に展示されています。
看板の中に、創業文政7年とあります。
3.ショップ嘉玄の玄関には、お目当ての柳行李鞄がしっかりと書いてあります。
4.嘉玄の明るい店内、その少し奥の小さく見える階段が
5.嘉吉郎の部屋への階段です。
6.階段を登りきると、そこは全く異次元の世界です。
色々な杞柳製品が所狭しと並んでいます。
しかも、そのどれもが傷みがほとんどないものです。
7.さて、柳行李鞄はどこ??
8.右側の奥にありました。全く同じですね。3本のバンドで束ねられています。
9.外にも、柳バスケットや飯行李が並べられています。
柳バスケットは、現在の皇太子が子供のころ愛用されたようです。
飯行李はこれにご飯を入れていました。
この落ち着いた部屋中に座って杞柳製品をながめていると、
杞柳製品の良さ、職人さんの手仕事の良さが伝わってきて、
なぜかたいへん落ち着いた気持ちになります。
皆さんも一度訪問されたらいかがですか。おすすめです。
井上直久
PS
杞柳製品の購入はネットでも可能なようですが、
①但馬地域地場産業振興センタ内の売店や、
②玄武洞近くの売店
でも可能なようです。
(確認はしていませんが、嘉玄さんでは販売されていないと思います。)
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さて、ここからは、杞柳製品の作り方の紹介です。
「ものづくり」をタイトルに掲げているので、ぜひ書いておきたいことです。
1.夏に長く長く伸びた柳(こりやなぎ)を、
2.秋に刈り取り、春に皮をむいて、乾かして、下のようにします。
白柳(しろ)というようです。
3.そして、以下の写真のような道具を用いて
4.以下の順番で、柳を編んでいきます。
行李が出来上がりました。
5.その時には、こんなしんどい姿勢で作業をされていることもあります。
ご参考になったでしょうか。
(資料は、但馬地域地場産業振興センタにある杞柳歴史資料室のものを一部使用しました。)
最後に、ブログへの掲載に関し、わざわざお電話をいただき、心よくご了解いただいたエンドー鞄の遠藤社長様に感謝します。
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