最近、音楽番組で過去の年代のランキングなどがよく取り上げられています。かつてを懐かしむような志向でいくつかの番組がつくられています。特に1980年代から90年代前半が多く、視聴者のニーズにこたえるべく、そのような構成になっているのだと思います。
この背景は、80年代の音楽を集めたCDが売れたり、その年代の購買欲をすすめることでCDの売り上げを伸ばそうという戦略だと思います。そういった背景からTVの音楽番組も、今現在の売れている音楽よりも昔売れていた音楽を取り上げたほうが視聴率が上がるという意識を生み出しているのだと思います。つまり、それを聴く年代をターゲットに。
この流れに関して少し残念な気持ちがわきます。文化・芸術というものはアンチの意識のもと、新しい人間、すなわち若者がつくってきました。しかしながら、現在はと考えると、必ずしもそうしたことが言えなくなっているのではないかと思うのです。この背景にダウンロード至上主義が大きく影響しているのではないかと思います。
ダウンロードはとても便利ですが、そのアーティストの曲を聴くといいよりは、むしろアーティストは二の次で、曲のみを聴くという意識を生み出しているのではないかと思います。アルバムやシングルというのは、この際もう関係なく、好きな曲を誰かれ関係なく、ダウンロードする。自分のipodやwalkmanにはそれがランダムに入っている。曲の流れ(曲順)はどうでもよい。そしてジャケットなんか関係ない。このような意識が文化の形成にまで大きく影響しているのではないかと思うのです。
だから、最後のCD(レコード)世代で新人類と呼ばれたわれわれの年代が好む音楽が業界全体で今でも取り上げられているのではないかと思います。懐メロをきくというような表現ではなく、いまだそれにより購買意欲をかきたてる戦略が文化の停滞を意味しているのではないかと危惧しています。
これは文化だけでなく科学にも少なからずとも影響しています。pubmedなどで好きなだけ検索し、キーワードをひっかけて、そして好きなだけ論文をダウンロードする。ここも顔の見えない論文(曲)だけを引用するように。その人が過去にどのような研究をして、どのような経緯をたどってきたかなんか、関係ない。
音楽にルーツがあるように研究もルーツがある。紋切型にある部分だけをチョイスしカスタマイズしていくと、借り物でしか生きられないような気がします。自分のルーツを作るためには、先人のルーツを知る。そしてその論文のみをチョイスするのではなく、その人のファンになる。論文に注目するのではなく、その人に注目する。ある1曲に注目するのではなく、そのミュージシャンの志向性やメッセージに注目する。人は人を模倣しながら成長していきます。模倣するためには表面だけ(ある作品だけ、ある論文だけ)を知るのでは不十分です。その生き方を模倣していかないと。
今の10代・20代には文化を作ってもらいたいのと同時に科学を推し進めていってもらいたいと思います。時代を変えてきたのは若者です。物質的な豊かさが、文化・科学のブレーキにつながっていないのか、現代の音楽事情から不安になっている次第です。
やっても無駄だの蔓延は国力全体を落とす原因になってしまいます。
この背景は、80年代の音楽を集めたCDが売れたり、その年代の購買欲をすすめることでCDの売り上げを伸ばそうという戦略だと思います。そういった背景からTVの音楽番組も、今現在の売れている音楽よりも昔売れていた音楽を取り上げたほうが視聴率が上がるという意識を生み出しているのだと思います。つまり、それを聴く年代をターゲットに。
この流れに関して少し残念な気持ちがわきます。文化・芸術というものはアンチの意識のもと、新しい人間、すなわち若者がつくってきました。しかしながら、現在はと考えると、必ずしもそうしたことが言えなくなっているのではないかと思うのです。この背景にダウンロード至上主義が大きく影響しているのではないかと思います。
ダウンロードはとても便利ですが、そのアーティストの曲を聴くといいよりは、むしろアーティストは二の次で、曲のみを聴くという意識を生み出しているのではないかと思います。アルバムやシングルというのは、この際もう関係なく、好きな曲を誰かれ関係なく、ダウンロードする。自分のipodやwalkmanにはそれがランダムに入っている。曲の流れ(曲順)はどうでもよい。そしてジャケットなんか関係ない。このような意識が文化の形成にまで大きく影響しているのではないかと思うのです。
だから、最後のCD(レコード)世代で新人類と呼ばれたわれわれの年代が好む音楽が業界全体で今でも取り上げられているのではないかと思います。懐メロをきくというような表現ではなく、いまだそれにより購買意欲をかきたてる戦略が文化の停滞を意味しているのではないかと危惧しています。
これは文化だけでなく科学にも少なからずとも影響しています。pubmedなどで好きなだけ検索し、キーワードをひっかけて、そして好きなだけ論文をダウンロードする。ここも顔の見えない論文(曲)だけを引用するように。その人が過去にどのような研究をして、どのような経緯をたどってきたかなんか、関係ない。
音楽にルーツがあるように研究もルーツがある。紋切型にある部分だけをチョイスしカスタマイズしていくと、借り物でしか生きられないような気がします。自分のルーツを作るためには、先人のルーツを知る。そしてその論文のみをチョイスするのではなく、その人のファンになる。論文に注目するのではなく、その人に注目する。ある1曲に注目するのではなく、そのミュージシャンの志向性やメッセージに注目する。人は人を模倣しながら成長していきます。模倣するためには表面だけ(ある作品だけ、ある論文だけ)を知るのでは不十分です。その生き方を模倣していかないと。
今の10代・20代には文化を作ってもらいたいのと同時に科学を推し進めていってもらいたいと思います。時代を変えてきたのは若者です。物質的な豊かさが、文化・科学のブレーキにつながっていないのか、現代の音楽事情から不安になっている次第です。
やっても無駄だの蔓延は国力全体を落とす原因になってしまいます。