森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

「イメージの科学~リハビリテーションへの応用に向けて~」出版のお知らせ

2012年05月29日 18時25分18秒 | インフォメーション



イメージの科学
リハビリテーションへの応用に向けて



目 次

序 章
イメージの神経現象 森岡 周 1

第1章
身体の神経学的過程としての身体イメージ 藤田浩之,他 9
 はじめに 藤田浩之 10
 身体イメージ,身体図式の定義 藤田浩之 11
 ボディ・マップとボディ・マッピング 藤田浩之 14
 身体図式と空間知覚 藤田浩之 19
 ボディ・マッピングとミラーニューロン 河村章史 22
 身体表象の発達過程 河村章史 27

第2章
身体表象の神経基盤 信迫悟志 33
 身体表象とは 34
 利用する身体表象 34
 拡張する身体表象 45
 意識化される身体表象 47
 共有する身体表象 68
 自己顔の表象 81
 オンラインの身体表象,視空間性表象,意味性表象 82
 意図の表象 87
 身体表象を生み出す脳内ネットワーク 88

第3章
行動の神経学的過程としての運動イメージ 冷水 誠 101
 運動イメージの定義 102
 運動イメージのタイプと運動観察 104
 運動スキル学習手段としての運動イメージへの影響要因 111

第4章
運動イメージの神経基盤 前岡 浩 123
 運動イメージに関する脳イメージング研究 124
 キャノニカルニューロンシステム 138
 ミラーニューロンシステム 146
 運動イメージに関連する運動関連領野の役割 157

第5章
運動イメージのアウトカムと臨床適応 藤本昌央 181
 運動イメージの各種測定法 182
 運動イメージの臨床適応手段 197

第6章
イメージの障害とそれに対する治療介入 松尾 篤,他 207
 脳損傷患者に対する運動イメージ治療 松尾 篤 208
 脊髄損傷患者に対する運動イメージ治療 佐藤剛介 220
 運動器疾患患者に対する運動イメージ治療 脇田正徳 230
 難治性疼痛患者に対する運動イメージ治療 松尾 篤 237

終 章
イメージの応用に向けて 森岡 周 257

索 引 263



すべてのページが畿央大学ニューロリハグループメンバーによる執筆です.


合同会社gene研修会 講演

2012年05月28日 20時38分07秒 | インフォメーション


geneではいつも片麻痺の機能回復と運動学習について話していましたが,
このたび,下記のように高次脳機能障害について話すことになりました.


合同会社gene研修会


題 目 脳・神経科学からみた高次機能障害~東京会場~
要 旨
高次脳機能障害とは、脳の器質的病変に伴う失語、失認、失行に代表される局在の
明確な巣症状、注意障害や記憶障害などの欠落症状、感情障害や幻覚・妄想などの
精神症状・人格変化、判断・問題解決能力を含んだ遂行機能障害および行動異常等
を呈する状態の総称である。最近では、これに社会的認知・行動障害を含むことも
ある。

高次脳機能障害は大脳、大脳辺縁系、視床、視床下部、中脳など、中枢神経系のうち
比較的高位に位置する領域の損傷によって生じる認知行動障害のことであるが、
それらの神経ネットワークが複雑であることから、その病態を捉えることに難渋する。
さらに、複雑多様な症状が出現するため、高次脳機能障害のリハビリテーション
介入は一筋縄ではいかない。

本講演では、ここ最近までの高次脳機能に関する脳・神経科学知見をレビューしながら
半側空間無視、失行、遂行機能障害、社会的行動障害(コミュニケーションも含む)等
の高次脳機能障害の病態をどのように捉えるか概説し、臨床推論の構築のポイントに
ついて述べたい。


講  師 森岡 周 先生
畿央大学 健康科学部 理学療法学科 教授・理学療法士
日  時 平成24年8月26日(日) 10:00~16:00(受付9:30~)
場  所 東京総合美容専門学校 7階ホール
東京都豊島区南池袋2-8-7
会場へのアクセスはこちらをご覧下さい
対 象 者 PT・OT・ST・柔道整復師・その他
参加費用 12,000円(参加費:11,429円 消費税:571円)
※当日会場にてお支払い下さい。
※講習会1週間前からのキャンセルについては、講習会費を請求させて頂きます。
担 当 者 安藤
受付状況 受付中



>関節機能障害研究会 講演

2012年05月27日 22時52分46秒 | インフォメーション
関節機能障害研究会 講演
日時:平成 24 年 6 月 3 日 (日) PM 13 : 30 ~ 16 : 30
場所 : エル大阪 http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
参加費 : 5 千円 申し込みは jointfunction@me.com までお願いします。
テーマ : ニューロリハビリテーションについて
講師:畿央大学大学院健康科学研究科
   畿央大学健康科学部理学療法学科 教授 森岡周 先生

PubMedに掲載されました!

2012年05月19日 13時56分21秒 | インフォメーション

以下の谷口博先生筆頭の研究論文が掲載されました.

Rehabil Res Pract. 2012;2012:312781. Epub 2012 Apr 23.
Brain Activity Stimulated by Prism Adaptation Tasks Utilized for the Treatment of Unilateral Spatial Neglect: A Study with fNIRS.

Taniguchi H, Hiyamizu M, Tominaga T, Morioka S.
Department of Neurorehabilitation, Graduate School of Health Science, Kio University, 4-2-2 Umami-naka koryo-cho, Kitakatsuragi-gun, Nara 635-0832, Japan.


5~7月の講演スケジュール

2012年05月09日 20時57分32秒 | インフォメーション

明日からの7月までの講演スケジュールをお知らせします.


長崎記念病院リハビリテーション部出張講義
テーマ:痛みの情動的側面
講師:森岡 周(畿央大学)
日時:平成24年5月10日(木)17:30~19:00
場所:長崎記念病院
対象者:長崎記念病院スタッフ



TAP研究会講演
講師 森岡 周(畿央大学)
テーマ:神経科学に基づく脳卒中リハビリテーション
開催日時 2012年5月13日(日) 10:00~16:00
開催地 臨床福祉専門学校 (東京メトロ 東西線 東陽町駅 徒歩10分)
対象 医療・福祉関係従事者


おかやま訪問リハビリテーション研究会 講演
テーマ その人らしさを引き出す脳科学
講師 森岡 周
日時 平成24年5月20日 10:00~15:30
場所 倉敷中央病院


ミヤタジュク 公開講演会
テーマ:痛みに対するニューロリハビリテーション
日時:平成24年5月20日(日) 18:30~21:00
場所:ミヤタヤ(高知県高知市)
講師:森岡 周


関節機能障害研究会 講演
日時:平成 24 年 6 月 3 日 (日) PM 13 : 30 ~ 16 : 30
場所 : エル大阪 http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
参加費 : 5 千円 申し込みは jointfunction@me.com までお願いします。
テーマ : ニューロリハビリテーションについて
講師:畿央大学大学院健康科学研究科
   畿央大学健康科学部理学療法学科 教授 森岡周 先生



石川病院リハビリテーション科研修会
テーマ:神経科学に基づいた脳卒中リハビリテーション
日時:平成24年6月9日(土)17時45分~19:30分
講師:森岡 周(畿央大学)
場所:石川病院(兵庫県姫路市)
対象:病院スタッフ


ハーティ臨床研究会 講演
日時:平成24年6月10日(日) 9:00~13:00
場所:ハーベスト医療福祉専門学校
テーマ:神経科学を用いた脳卒中片麻痺の病態解釈とリハビリテーション
講師:森岡  周(畿央大学)


Peach研修会講演
テーマ リハビリテーションに脳科学をどのように応用するか? -運動制御・感覚情報処理から運動イメージまで- 
日程 2012年 6月16日(土) 18:00~21:00 (受付17:30)
        6月17日(日) 10:00~15:00 (受付9:30)
講師 森岡 周 氏
(畿央大学大学院健康科学研究科 畿央大学健康科学部理学療法学科 教授/理学療法士)
会場  医療福祉専門学校 緑生館


畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー基礎編
日時 平成24年6月23日・24日
場所 畿央大学


NDK研修会 講演
H24年7/1(日) 9:30~15:30
テーマ『神経科学に基づいた脳卒中リハビリテーション」
講師:畿央大学教授 森岡周先生
会場:横浜上大岡ウイリング横浜 12F・124号室
参加費10000円 銀行振込(今回懇親会はございません)


Active Step 研修会
平成24年7月7日~8日
テーマ:ニューロリハビリテーション臨床編
講師:畿央大学 森岡  周
場所:新別府病院(予定)


名古屋大学理学療法研究会 講演
日時:平成24年7月14日(土) 14:00~16:00
会場:名古屋大学医学部保健学科 東館大講義室
講師:森岡 周 先生(畿央大学大学院健康科学研究科)
テーマ:神経科学の所見を応用した臨床実践~中枢神経障害を中心に~


徳島認知神経リハビリテーション研究会 講演
テーマ:神経科学から考える脳卒中リハビリテーション~運動機能回復のための3つの手続き~
日時:2012年7月21日(土) 15:00~16:30(90分間 休憩込み)
場所:鴨島病院リハビリテーション室
講師:森岡 周 先生(畿央大学)


日本理学療法士協会 理学療法士講習会
日時:2012年7月22日(日)9:00~16:00
場所・会場 徳島文理大学
講演1 「身体知覚と運動学習(9:00~12:00、180分)」
講演2 「知覚・こころとリハビリテーション(13:00~16:00、180分)」
講師  森岡 周(畿央大学) 樋口貴広(首都大学東京)


たたき上げ!っていいでしょう

2012年05月07日 09時45分19秒 | 日記
先日、ベトナム国立大学のToi教授をむかえ、
うちの大学のスタッフと情報交換を行いました。
http://www.kio.ac.jp/information/2012/04/post-501.html


島津製作所からのご依頼であり、
いつも無理をいっている関係であるため、
私たちで協力できる範囲で対応させていただきました。

Toi教授はお人柄のよい方で、
ご自身の大学のことや研究室でやられている研究に関して紹介いただきました。
一方、私たちは、私の方で研究室の研究の方向性、
そして、グループの前岡氏から痛みの脳内機構に関する研究、
中野氏からは運動学習における脳内機構に関する研究について紹介がありました。

私の方はプレゼンの依頼が4日前であったために、
十分な英語での準備ができないことから、
幼稚な英語だったかもしれませんが、
無事にディスカッションまで行うことができました。

彼らは姿勢バランスに興味をもっているようで、
グループの冷水氏の研究に興味をもっていました。
冷水氏の研究は自己観察フィードバックによる姿勢バランスの向上です。

実際の情報交換会に関しては、企画部の伊藤氏にも少しお手伝いいただきました。
彼はTOEIC900点以上の英語脳をもっており、
サポートいただきました。
彼のfacebookには私の英語がまさにたたき上げであることを示してくれました。

実は私は英検やTOEICなんかにはまったく触れない生活であり、
英語の文法なんかそもそも興味がなく、
そのまま渡英して、語学学校に入った経験があります。
午前中は語学学校、午後はバースの王立病院の臨床で、
セラピストや患者さんと適当な英語でしゃべっていました。
適当な英語なので、今でも自分の英語はおそらく幼児なものだと思います。
しかし、幼児でも日本語によるコミュニケーションは成立しており、
いかに共同注意による現場学習が大事かがわかります。

書く、読むことは教育、学習が必要ですが、
話すことは形式的な教育、学習はとりたてて必要でなく、
母親との共同注意によってはぐくまれるものです。
だから、私の英語もそのようなものなのかなと思います。

しかしながら、英語圏でまくしたてたれると、幼稚園児なので、
対応が不十分なわけです。
自分の留学先が英語圏でなく、
フランス語圏であったため、途中でとまっているわけです。
イタリア語、フランス語、希望を使える会話は成立しますが、
それ以外は成立しません。

このあたりも、幼児の命名期における、疑問符による会話ににています。

いずれにしても、言語は共同注意から学習するものであって、
人との関係で生み出すものであり、
そこには行為や道具が欠かせないわけです。
三項関係をどのように構築するか、
それが語学学習には大切なのではないでしょうか。


さて、たたき上げという言葉から、
実は私には明確な師匠はいません。

研究にしろ、論文執筆にしろ、臨床にしろ、
論文投稿手続きにしろ、
何にしろ、誰かに教わった経験はありません。
すべて、盗み模倣しながら経験をつくってきました。
だから我流なんです。

学ぶというものは、自らの経験から得られる。
あくまでも受け身では成立しない。

その際、このような人生をあゆみたい、
こんな人生になりたい。
とかあることかが、能動性を後押しすると思います。
一方、切迫感も大切でしょう。
将来への不安は、ネガティブでとらえられる一方、
人間をたくましくする手続きでもあります。

今の日本は若者にとっては不安なようですが、
僕は日本が変わるチャンスだと思っています。

残念ながら、自分は自分が何者であるかが、
もうわかりました。
だから、不安感はありません。

けれども、若者はまだ自分が何者であるかがわかりません。
いや、何者でもないという方がよいでしょうか。
だから、不安になるわけです。
だから、仕事が向いていないとか、思うわけです。

何者でもないという感覚は、
不安感をもたらす一方で、挑戦というものをもたらします。

何者かを見つけるために、挑戦してみてください。
たたき上げっていいでしょう。