森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:脱なかよしクラブ

2011年06月29日 09時07分47秒 | 日記
イタリアより帰国し,
時差との格闘をしています.
通常,1週間ほどでは帰国後,時差に悩まされることはないのですが,
今回はかなりヘビーです.
おそらく,この猛暑が影響してるのか,
加齢現象かわかりません.
今日は実習訪問ですが,
この暑さは体を蝕みます.

若いころはなんもなかったのですが,
様々な実習施設で話すだけでも,
体を酷使する場合があります.

研究面も同じですが,
若い時にどれだけ無理して,背のびしてやってきたかが,
今に影響します.
よく背のびせずにフランクにといいますが,
そのような仲良しクラブでは自分の成長にはなりません.
身の丈は自分で決めるものでなないのです.

私は様々なバンドでベースを弾いてきましたが,
やはり,自分よりもはるかにうまい技術のメンツと
セッションすることで自分の技術が磨かれてきました.
スポーツも同じだと思うのです.
友を選ぶ時は,1段上で.
上の学会,あるいは他流試合をすることで,
自分は磨かれ,新たな自分に出会い,
ワンランク上で物事を考えることができると思います.

背のびはしなさい.

これが私の考えです.
それが10代,20代には絶対的に必要だと思うのです.
闘争心なき,10代,20代では次世代を任すことができません.

昨今,若手を中心に様々な勉強会,研修会,研究会が発足し,
研修会が開催されていますが,
勉強することはほほえましいのですが,
仲良しクラブの発足にも見えます.

自分たちだけで,物事を考え形成するのではなく,
上のレベルの人と付き合い,成長させていく,
そんなことが必要だと思うのです.
それにはグローバルに留学をすることも大いに勧めます.
自分が保護されない環境に自分を置くことで,
強い精神をつくることができます.
留学とは,自分を理解させることから始まりますから,
そのプロセスはヘビーですが,とてもよき経験になるのです.
留学先は自分で選ぶのがよいし,
上司や先輩のつてであれば,
結果,保護された環境になってしまいます.
自分で選択し,自分で荒波に入る.
そうしないと,結局は「借り物」でしかありません.

仲良しクラブでなく,意見をたたかわせ合うよき仲間に成長するためには,
様々な勉強会を解体し,
自分を成長させる場に飛び込み,
人生を変えることが今の若者には必要なのかもしれません.
それが次世代に向けたブレークスルーになると思うのです.

なんと,昨日はアクセスが3500を超えていました.
きちんとしたことを書いていきたいものです.



for Children's Rehabili

2011年06月28日 11時24分34秒 | インフォメーション
今日は京都の浅野先生のブログを紹介します.
これからもよき情報を私たちに与えてくれると思います.
彼は生粋の臨床家です.
臨床家もこのように真摯に学問をしているのです.
時には理論的に,時には基礎的に,時には臨床的に,そして,時には中立的立場で.
愚痴をこぼすだけのブログの閲覧よりもずっと実りがあると思います.



日記:欧州臨床神経生理学会紀行(3)

2011年06月25日 13時46分30秒 | 日記
昨日は同僚の発表があり、
終日学会場で発表を聞きました。
セラピストとその周辺・関連では、
日本からは広島大学の船瀬先生のグループと
新潟医療福祉大学の大西先生のグループが参加していて、
近況などを報告しあいました。

Cohenのプレゼンでは研究グループのSharmaの研究成果が出てきて、
Old M1とNewM1の機能を細分化するための
実験パラダイムを強く紹介していました。
私も研究仲間にfMRIでのデータ記録を依頼して、
その後、介入研究に入りたいと思います。

Rothwellも指摘していたように
リハビリテーションの効果は依然として疑問が残るようで、
これは一律にデータをとるという研究手法に問題があるのかもしれない。
個々人でそしてICFの観点からみると、
少なからずともリハビリテーションの効果は経験則の視点からもあると思います。
しかしながら、いわゆる科学的手法の手続きに、
その変化はのらないわけです。
だからこそ、様々な研究手続き・バリエーションで、
そして様々な分野でリハビリを議論し、
いわゆる学際的(科学、社会、文化、芸術)視点での議論を
大きく展開する必要があると思います。
それだけ、どの分野でも活躍する人がいります。
しかしながら、そのようなグローバリゼーションの考え方は、
いわゆる狭義の医学からは漏れます。
医療の中に、あるいは医学的リハビリテーションに存在意義があると考える面々は、
可及的速やかに、リハビリの効果を徹底的に、
そして世界的に示していかないといけないでしょう。
20代の大学院生にはその決意を持ってもらいたいと思います。
今の臨床家のやっていることを守るためにも臨床研究は必要なのです。
残念ながら、日本は学校の乱立で、
いわゆる頭脳の結集とはいきません。
どうでもいい、自分の仕事を自分で非難している人間がいるわけですし、
臨床家は研究なんか必要ないと、
いまだに研究と臨床をかい離させて考えている人が多い、
さらには、科学を取り入れつつ、結果として宗教団体のように存在している
様々なメソドロジーの考え方。
これらが日本の文化に根付いているために、
つまり、プラセボのように根付いているために、
なかなか、ブレークスルーにはいかないようにも思えます。

私が生きている間には何も変わらないと、
懐疑的にならずに、少しずつでも変化を楽しめるように、
論文を書いていこうと思います。

その論文は臨床家を守るためにあるものですし、
Impact factorを増産するものではありません。
私たちの学問は臨床の中にあるものですから、
基礎研究であってもそれを常に意識しないといけません。
そして、新たな開発的なものも視野に入れていなかいといけません。

率直にいって、脳損傷のリハはまだまだです。
そして脳はわからないことが多々あります。
だからこそ、ほかの領域に比べて魅力的なのです。
無知の知。
まさに脳損傷のリハにはそれが含まれます。

脳卒中リハをしているのに、
脳のことをしらずして、テクニックに走ったり、
末梢に対する物理的刺激ばかり考えても、
結局は時代を変えていくには至らないと思うのです。
よく、若い臨床家、そして臨床研究をして、
学位論文を書こうとしている人にそう思います。
光があたっているところばかりに、目がいき、
光が見えない、つまり介入によってどのような変化がおこっているのか、
メカニズムについてはまったくの無知。
だからこそ、結局はどのようなRCTの研究であれ、
それが使われず、闇に葬られるのです。
自分のやっている治療のメカニズムをきちんと考察できれば、
ポジティブな結果が出なかったときに、
すぐさま方向を転換できるのだと思います。
これは研究も臨床もまさに等価であることを表しています。



さて、思いつくままに書いていると話がそれてしまいます。
紀行にはならずです。
また、次回に。


今日のアリタリアで帰国の途につきます。


日記:欧州臨床神経生理学会紀行(2)

2011年06月24日 13時29分17秒 | 日記
火曜日よりローマに来ており、
学会、観光に楽しんでいます。
イタリアはもう10回近く来ていますが、
ローマは二度目で仕事の関係でなかなかローマから南には来ることがありませんでした。

学会のほうは水曜日に発表が終わり、
イタリア人のChairmanのほか、
オランダ、UK、そして日本から複数名の方から質問をいただきました。
質問よりも研究内容の説明止まりでした。
阪大の名誉教授の方からボスは誰?と聞かれ、
自分であるというのがまだ恥ずかしく、
年齢、風貌などがまだ研究室を主宰するには早いような気がして、
さらに精進しないといけないと感じるとともに、
やはりポスター発表は国際学会も若い人が多いのを感じ、
Oral、invitedなどに方向を変えるべきかも悩んでいます。
しかし、それへの準備を考えれば、
現在の仕事量との天秤であり、
早く、やるべき出版を終え、
原著関係に戻るのも一つの戦略とも思いました。





さて、学会はローマ郊外の医学部併設の大学で行われています。
広大なキャンパスには緑も多く、
大学の自由なイメージがわき出ます。
大学には自由が必要です。
自由度のない、管理主義な大学は、
創造性がいつか枯れて、
結果、埋没し、その末路は崩壊のような気がします。
自由こそ学問には必要なのです。

追って、観光の話もします。

日記:欧州臨床神経生理学会紀行(1)

2011年06月22日 12時35分59秒 | 日記
月曜日に関空を出発し、
無事にローマに入っています。
右手の骨折は不便さを極め、
いかに手を使用した生活が重要か、
自分で経験しています。

今回は少し贅沢、
いや心身ともにこの数年に続く毎週講演のため、
疲労が蓄積していることからビジネスクラスを選択しました。
まあ、「よくがんばった」を込めて。

3回目のビジネスです。
1回目はグアムまでのマイルのアップグレード、
これは短かったのでビジネスのよさを体感できず。
2回目はパリ経由ベルギーまでの席の調整のために、エコノミーからビジネスへの突然変更。
ビジネスのよさを体感できましたが、
ベルギーについた際、強盗に出会い、
ビジネスの出来事が記憶から消し去られました。

自らビジネスを選択したのは今回が初めてです。


antipasto


primo piatto 両方を選択


secondo piatto 鱒を選択(片方はホロホロ鳥)


dolce このほかにフルーツの盛り合わせ


食後酒にはグラッパがすすめられましたが、骨折炎症には無理です。
ワイン数杯ももちろんだめですが・・・

ワインリストが出てきて、ワインを選択し、
テーブルで食事が運ばれ、選択し、装ってもらう。
コスメセットはブルガリ、、、などなど。
贅沢をさせてもらいましたが、
あまり、そういのには喜びがわかず、
やはり、人との距離が保たれ、
フラットに近い座席で休めることに喜びがわきました。
自分が疲れているのを実感。


朝食

しかし、キャビンアテンダントが骨折して不便な感じでいると、
すかさず、枕をわたし、ひじあてに早変わり、などは
ホスピタリティをビジネスは意識していると感じました。
人はものの贅沢でなく、人にやさしくされると、
報酬を感じるのです。
ビジネスはものだけでなく、ひとの報酬を感じる場と思いました。


合同会社geneセミナー 講演

2011年06月20日 07時23分25秒 | インフォメーション
リハビリテーションのための脳・神経科学入門~福岡会場~
講  師 森岡 周 先生
畿央大学 健康科学部 理学療法学科 教授・理学療法士

日  時 平成23年9月4日(日) 10:00~16:00(受付9:30~)

場  所 都久志会館 地下1階 ホール
     福岡県福岡市中央区天神4丁目8-10