下記の論文が理学療法の巻頭カラーに掲載されています。
谷口博,信迫悟志,清水重和,松尾篤,森岡周:ニューロリハビリテーションと脳の機能的イメージング:4.手操作運動
信迫悟志,竹林秀晃,冷水 誠,前岡 浩,森岡 周:ニューロリハビリテーションと脳の機能的イメージング 5―筋出力制御
谷口博,信迫悟志,清水重和,松尾篤,森岡周:ニューロリハビリテーションと脳の機能的イメージング:4.手操作運動
信迫悟志,竹林秀晃,冷水 誠,前岡 浩,森岡 周:ニューロリハビリテーションと脳の機能的イメージング 5―筋出力制御
以下の論文が掲載されました。
中野 英樹 芝田 都季子 川見 清豪 藤田 浩之 吉田 慎一 河村 章史 森岡 周:
随意運動および運動観察が運動関連脳電位に及ぼす影響. 理学療法科学 25 (2010) , No. 3 pp329-332
信迫 悟志 清水 重和 三鬼 健太 玉置 裕久 森岡 周:後方観察における視線方向認知の脳内機構―機能的近赤外分光法を用いた検討―.理学療法科学 25 (2010) , No. 3 pp419-425
やっと少し落ち着きそうです。
デンマーク、ライブと続き、
もちろん、その間、仕事、講演は数多くありましたが、
自分の中では「ニューロリハビリテーションセミナー」を無事に開催できることがずっと頭の片隅にありました。
金曜日は、千里で「神経理学療法部会」の講演。
300名ほど来ていただき、最後に片麻痺の手の考察をしました。
これは挑戦的仮説であり、是非ともその証明に入りたいと思います。
それ以外は従来から話していることですが、
今回は「クリニカルリーズニング」から話しました。
初心者には難しかったかもしれませんが、
「難しいけどおもしろい」が私の定番になってきたので、
それを意識しました。
そろそろ臨床を意識した展開に入りたいと思います。
もちろん、神経現象の解読にも向かいます。
講演を21時に終え、その後、
部会長の吉尾先生、甲南女子大学の神沢先生、松谷先生、森ノ宮医療大学の松田先生と三田屋で22時まで食事。
あわただしい中でも、いろんな意見交換をしました。
千里から上本町まで車で送っていただき、終電に無事に間に合うことができました。
都会は終電文化です。
関西に7年ですが、まだこれになじめません。
翌日、畿央大学においてニューロリハビリテーションセミナー基礎編を開催することになりました。
全国から200名のセラピストらを迎えることができました。
180ページにわたる資料を渡す際に
受講料に見合ったものを落ち帰っていただけているだろうかと、不安でしたが、
大丈夫なようでした。
200名はおおよそ3日間で締切という高速締め切りでしたが、
臨床家のみならず教員にもきていただき、
ニューロリハビリテーションが教育の現場でも浸透していけばと思いました。
今回は「基礎編」であり、
脳の進化、発生、発達、シナプス、ミエリンの構造・発達からはじまり、
脳幹の構造、それぞれの働き、機能的連結、そして脊髄に至る投射路、
上行路、下行路の名称変更、皮質脊髄路切断後の神経可塑性、
辺縁系、特に扁桃体、海馬、帯状回の構造と機能、
情動の神経メカニズムなどが初日は説明されました。
終了後、質疑応答はやめて、講師陣、院生がテーブルを回りながら討議、質問に答えるのが意外と功を奏し、みなさんから積極的な質問をいただきました。
脳の関係性は双方向性です!
18時半に初日を終えることができ、
19時より懇親会。
うちの教員陣のチームのよさが垣間見ることができました。
個はチームのよさによって最大限に発揮できる。
長期増強です。
一つのニューロンでは何もできないが、
シナプス、そしてミエリン化が進み、
互いに関係づければ、全体的なものだけでなく、
個の力も引き出すことができる。
職場の関係性がいかに重要であるか、
脳の科学からも説明できます。
お互いに足の引っ張り合いや、
あるいは表面だけの関係であれば、
いかに個が死んでしまうかわかるでしょう、
ダークニューロン化しないように、
そして、新たなニューロンのさまたげとなるようなアポトーシスがないように、
社会構造も整える必要があります。
最近いろんなところに公園に行きますが、
建設的な意見にあっていません。
若いセラピストが多いのですが、懐疑的かついわゆる愚痴が多いです。
さて、翌日は、基底核、小脳の構造、そして皮質領域との連結
あるいは脳幹との連結が語られ、
主に運動制御、学習の神経メカニズムに方向が向きました。
その後、院生2名から後頭葉、側頭葉における視覚認知系の順序、
そしてそれぞれの機能が詳細に語られました。
概して、2つの視覚系でさっとさっと語られてしまいますが、
院生2名がよく理解しながら報告してくれました。
続いて、頭頂葉におけるS1,S2の構造、階層性処理機構、
5野、7野、39野、40野の機能についてアクティブタッチも含めて解説がなされました。
人間の体と脳の一体化がここにあります。
ここは自分自身でも勉強を深めてもらいたいと思います。
課題を作る上でとても重要な領域です。
そのあと、私が前頭葉について、
運動野、高次運動野、前頭前野に分けて、
その機能を説明しました。
さて何事も経験です・
Outputしないとfeedbackは得られないのです。
それが外部ではなく、内部がとても重要なのです。
私自身がどう感じるか、それが決定的に学習に関与します。
何も感じられなければ学習はないです。
これは患者さんの脳にも言えることなのですが、
セラピスト自身にも言えます。
毎日、同じことの繰り返しであれば、誤差は生まれません。
いかにチャレンジが重要であるか、
しかし、それは身の丈にあったものでしか、ドーパミンは出ないのです。
いずれにしても、初仕事を終えたことにスタッフ一同喜びを感じています。
我々、話す側が楽しくなければ、楽しみながら話していないと、
聞く側は楽しくありません。
それが脳と脳の関係性、共感システムになるのです。
これが何よりも大切なものなのです。
どのような高尚なことを話しても、オーディエンスの心をつかまないと何もなりません。
それに関してはいつも反省したりすることころです。
いずれにしても、脳をもっと知りたい!という意欲はかきたてられたかなと思います。
私はスタッフの講義を聞いて、知らないことがありましたので、
もっと勉強しなければと思いました。
デンマーク、ライブと続き、
もちろん、その間、仕事、講演は数多くありましたが、
自分の中では「ニューロリハビリテーションセミナー」を無事に開催できることがずっと頭の片隅にありました。
金曜日は、千里で「神経理学療法部会」の講演。
300名ほど来ていただき、最後に片麻痺の手の考察をしました。
これは挑戦的仮説であり、是非ともその証明に入りたいと思います。
それ以外は従来から話していることですが、
今回は「クリニカルリーズニング」から話しました。
初心者には難しかったかもしれませんが、
「難しいけどおもしろい」が私の定番になってきたので、
それを意識しました。
そろそろ臨床を意識した展開に入りたいと思います。
もちろん、神経現象の解読にも向かいます。
講演を21時に終え、その後、
部会長の吉尾先生、甲南女子大学の神沢先生、松谷先生、森ノ宮医療大学の松田先生と三田屋で22時まで食事。
あわただしい中でも、いろんな意見交換をしました。
千里から上本町まで車で送っていただき、終電に無事に間に合うことができました。
都会は終電文化です。
関西に7年ですが、まだこれになじめません。
翌日、畿央大学においてニューロリハビリテーションセミナー基礎編を開催することになりました。
全国から200名のセラピストらを迎えることができました。
180ページにわたる資料を渡す際に
受講料に見合ったものを落ち帰っていただけているだろうかと、不安でしたが、
大丈夫なようでした。
200名はおおよそ3日間で締切という高速締め切りでしたが、
臨床家のみならず教員にもきていただき、
ニューロリハビリテーションが教育の現場でも浸透していけばと思いました。
今回は「基礎編」であり、
脳の進化、発生、発達、シナプス、ミエリンの構造・発達からはじまり、
脳幹の構造、それぞれの働き、機能的連結、そして脊髄に至る投射路、
上行路、下行路の名称変更、皮質脊髄路切断後の神経可塑性、
辺縁系、特に扁桃体、海馬、帯状回の構造と機能、
情動の神経メカニズムなどが初日は説明されました。
終了後、質疑応答はやめて、講師陣、院生がテーブルを回りながら討議、質問に答えるのが意外と功を奏し、みなさんから積極的な質問をいただきました。
脳の関係性は双方向性です!
18時半に初日を終えることができ、
19時より懇親会。
うちの教員陣のチームのよさが垣間見ることができました。
個はチームのよさによって最大限に発揮できる。
長期増強です。
一つのニューロンでは何もできないが、
シナプス、そしてミエリン化が進み、
互いに関係づければ、全体的なものだけでなく、
個の力も引き出すことができる。
職場の関係性がいかに重要であるか、
脳の科学からも説明できます。
お互いに足の引っ張り合いや、
あるいは表面だけの関係であれば、
いかに個が死んでしまうかわかるでしょう、
ダークニューロン化しないように、
そして、新たなニューロンのさまたげとなるようなアポトーシスがないように、
社会構造も整える必要があります。
最近いろんなところに公園に行きますが、
建設的な意見にあっていません。
若いセラピストが多いのですが、懐疑的かついわゆる愚痴が多いです。
さて、翌日は、基底核、小脳の構造、そして皮質領域との連結
あるいは脳幹との連結が語られ、
主に運動制御、学習の神経メカニズムに方向が向きました。
その後、院生2名から後頭葉、側頭葉における視覚認知系の順序、
そしてそれぞれの機能が詳細に語られました。
概して、2つの視覚系でさっとさっと語られてしまいますが、
院生2名がよく理解しながら報告してくれました。
続いて、頭頂葉におけるS1,S2の構造、階層性処理機構、
5野、7野、39野、40野の機能についてアクティブタッチも含めて解説がなされました。
人間の体と脳の一体化がここにあります。
ここは自分自身でも勉強を深めてもらいたいと思います。
課題を作る上でとても重要な領域です。
そのあと、私が前頭葉について、
運動野、高次運動野、前頭前野に分けて、
その機能を説明しました。
さて何事も経験です・
Outputしないとfeedbackは得られないのです。
それが外部ではなく、内部がとても重要なのです。
私自身がどう感じるか、それが決定的に学習に関与します。
何も感じられなければ学習はないです。
これは患者さんの脳にも言えることなのですが、
セラピスト自身にも言えます。
毎日、同じことの繰り返しであれば、誤差は生まれません。
いかにチャレンジが重要であるか、
しかし、それは身の丈にあったものでしか、ドーパミンは出ないのです。
いずれにしても、初仕事を終えたことにスタッフ一同喜びを感じています。
我々、話す側が楽しくなければ、楽しみながら話していないと、
聞く側は楽しくありません。
それが脳と脳の関係性、共感システムになるのです。
これが何よりも大切なものなのです。
どのような高尚なことを話しても、オーディエンスの心をつかまないと何もなりません。
それに関してはいつも反省したりすることころです。
いずれにしても、脳をもっと知りたい!という意欲はかきたてられたかなと思います。
私はスタッフの講義を聞いて、知らないことがありましたので、
もっと勉強しなければと思いました。
今日は神経系理学療法学の講義の最終日でした。3年生の後期の授業がなく、神経科学に基づいた臨床介入について講義ができずに残念なのですが、私の臨床推論のほんの一端を示しました。ついてこれない経験も重要と思い、そうしています。圧倒的な違いを感じることも大切なのです。私は科学者の研究を読み、圧倒的な論理の違いや、深さに圧倒されながら、生きていますし、今もそれで自らを省み続けています。
さて、今日はいかにして大脳―小脳連関に基づき誤差学習を生み出すか、実践を交えて話しました。これもほんの一端です。難しいけど面白いという意見が多いのがうれしい反面、これを簡単に教える方法を模索しつつ、毎年違う自分の講義を自らが楽しんでいます。講義はライブであり、来年同じことをしろと言われても難しいのです。骨格はあるのですが、ひょっとするとその骨格がすでにバイアスかもしれません。しかしながら、それが概念というものです。
先ほど、失行の質問をもらいました。その質問はある資料には観念失行は口頭指示や模倣の障害はない、ある資料にはあると書いていますが、どっちなのですか?という質問でした。学生なら記憶したいので、どっちかはっきりしろと言われそうですが、見方・観察の仕方ではどちらにも属するというのが正解でしょう。
観念運動失行は口頭指示、模倣の障害、観念失行は道具捜査や系列運動の障害といわれていますが、この深部を少し述べてみたいと思います。これはある意味正解ですがある意味間違いです。観念運動失行は「運動motor」という名称がついているように、身体のメタファーの障害です。それはたとえば身体の上、下とか、内、外といったように、身体の位置の変化に伴う身体運動のメタファーの障害です。口頭指示でも、バイバイをしてください。とおいでおいでをしてくださいとか与えるが、これは身体のメタファー、すなわち、手の上下(上げる・下げる)といった概念構築の問題であり、視覚入力に基づく模倣であっても感覚モダリティの違いだけです。一方、観念失行はよく系列動作の障害であるといわれ、前者の模倣障害は別と捉えられていますが、文献によっては模倣障害や口頭指示による行為に傷害をきたすといわれています。たとえば、机上にある本を開くという、ことの口頭指示や視覚的表象に基づく模倣障害はどうでしょうか。服を着るというのは?これは身体の上とか下、上げる、下げるといったメタファーのみではありません。自らが道具の操作の順序を組み立てられず行為障害が出現するだけが観念失行ではありません。本を開くという行為には、文脈が存在しており、状況によっては、「本を持ち上げて、右手で把持し、左手でめくる(開く)」という言語が存在しています。場合によっては手は逆になり、場合によっては、本を机に置いたまま、開きます。つまり、前で検査者が行い、それをまねしたり、あるいは、口頭指示するのも、自らの運動計画に基づき行為を行うのも、この文脈あるメタファー(言語)に基づいた行為であり、それは模倣させようが口頭指示させようが、言語、すなわち観念の失行なのです。一方、観念運動失行の口頭指示や模倣障害は、文脈を持たない身体のメタファーの障害なのです。難しい表現をしていますが、要は服をつかみ、袖を手に通し、ボタンをとめるという行為を見せ、模倣させるといったものは、模倣であるから観念運動失行ではなく、それ自体、もう文脈が存在しているため、「観念idea」なのです。ただし、観念失行のなかに観念運動失行がよく内在して、観念失行にも単純な模倣障害が出現しているというのは、それはベースが観念運動(身体)だからです。最終的には39野、40野に問題があれば、身体のメタファーにも言語・文脈のメタファーにも障害が出ます。しかしながら、頭頂葉上部―腹側運動前野の問題に限局されれば、単純な模倣・口頭命令、すなわち文脈性がない、あるいはきわめて少ない行為の障害に絞られてきます。
いずれにしても、様々な見解が存在していますが、その意味を理解し、自分なりの解釈を企て、推論をたてないと、人間の高次機能には対応できません。高次機能障害には、自分自身の思考を高次にしないと無理なのです。高次なものに単純な思考で臨んでも、それは無力を感じるだけです。こうした情報の不確実さを、自らの視点でどのように解釈し、目の前の患者さんの現象に対して推論を築くかが臨床の勝負になります。それには圧倒的な知識と、その知識に裏付けられた経験が必要です。知識のない経験こそが、「経験則(思い込み)」になります。誰かの情報に対して受け売りにならず、ある意見とある意見を自らの脳で対決させながら、自己の解釈をたてる、それが臨床推論になっていくのです。
畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー基礎編
平成22年7月24日(土)、25日(日)
会場 畿央大学
〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2
7/24
12:00~ 受付
12:50~13:00 開会式
13:00~14:30 (1)脳の発生とその構造 森岡 周
14:40~16:10 (2)脳幹の構造と機能 冷水 誠
16:20~17:50 (3)皮質下および辺縁系の構造と機能 松尾 篤
18:00~18:30 テーブル討議
19:00~ 懇親会
7/25
9:00~10:30 (4)基底核および小脳の構造と機能 冷水 誠
10:40~12:10 (5)後頭葉・側頭葉の構造と機能 谷口 博・信迫 悟志
13:00~14:30 (6)頭頂葉の構造と機能 前岡 浩
14:40~16:10 (7)前頭葉の構造と機能 森岡 周
16:10~16:30 質疑応答
16:30~16:40 閉会式
平成22年7月24日(土)、25日(日)
会場 畿央大学
〒635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中4-2-2
7/24
12:00~ 受付
12:50~13:00 開会式
13:00~14:30 (1)脳の発生とその構造 森岡 周
14:40~16:10 (2)脳幹の構造と機能 冷水 誠
16:20~17:50 (3)皮質下および辺縁系の構造と機能 松尾 篤
18:00~18:30 テーブル討議
19:00~ 懇親会
7/25
9:00~10:30 (4)基底核および小脳の構造と機能 冷水 誠
10:40~12:10 (5)後頭葉・側頭葉の構造と機能 谷口 博・信迫 悟志
13:00~14:30 (6)頭頂葉の構造と機能 前岡 浩
14:40~16:10 (7)前頭葉の構造と機能 森岡 周
16:10~16:30 質疑応答
16:30~16:40 閉会式