ゆみねこ日記

日常日記です。

1月の読書記録

2020-02-01 08:29:45 | ブックレビュー
1月の読書メーター
読んだ本の数:33
読んだページ数:10245
ナイス数:4892

勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~感想
年明けの1冊です。安曇野の小規模病院で研修医1年目の桂正太郎が直面する高齢者医療の現実。命の終わりは誰にでもやってくる。生と死を見つめることの大切さを医師の立場から描いた良書です。お薦め。
読了日:01月03日 著者:夏川 草介
黒鳥の湖黒鳥の湖感想
18年前に起こった肌身フェチ快楽殺人事件と一人娘・美華の失踪事件。彰太の家族に纏わる秘密、真っ黒な裏の顔を持つ人々。怪しげな人物は予想通りでどんでん返しに驚くという展開ではなかったですが、先が気になって一気に読了しました。
読了日:01月06日 著者:宇佐美まこと
嘘と正典嘘と正典感想
第162回直木賞候補作。小川哲さん、初読み。短編SF6編、読みやすくとても面白かったです。タイトル作品が断トツで良かった、「ひとすじの光」「ムジカ・ムンダーナ」も好きですね。
読了日:01月07日 著者:小川 哲
通夜女 (文芸書)通夜女 (文芸書)感想
就活に失敗して引きこもりになった小夜子はたまたま列席した赤の他人のお通夜で癒される。そこで知り合った老女は通夜女。他人の死で癒される小夜子は不謹慎なのか?様々な人との出会いを通じて小夜子が再生して行く物語。母の気持ちに寄り添って読了しました。
読了日:01月07日 著者:大山淳子
緋色のマドンナ: 陶芸家・神山清子物語緋色のマドンナ: 陶芸家・神山清子物語感想
朝ドラ・スカーレットのモデルとなった女性陶芸家・神山清子さんの物語。女性の地位が低く古い価値観の窯場で奮闘する清子さんの生き方に感動です。ご長男の白血病と骨髄バンク創設のことも驚き。朝ドラはこのあとどう展開するか分からないけれども、こちらの本も読んで良かったです。那須田淳さん、初読み。
読了日:01月08日 著者:那須田 淳
左遷捜査3-三つの殺人 (双葉文庫)左遷捜査3-三つの殺人 (双葉文庫)感想
左遷捜査シリーズ完結編。6年前に息子を亡くした棟方と15年前に父親を亡くした目崎の身命を賭した戦い。真犯人に迫る展開はハラハラドキドキ。ラストは少し悲しかったけど、目崎はきっと良い警察官になって行くだろうな。またどこかで活躍している姿を読んでみたい。
読了日:01月09日 著者:翔田 寛
大名倒産 上大名倒産 上感想
越後丹生山藩三万石を、隠居した父から引き継いだ若き藩主・小四郎。江戸末期、泰平の世に積りに積もった多額の借金、御家幕引きを計る先代と真っ直ぐな若殿。実に面白いです!御家の一大事に立ち向かう小四郎を応援しながらの読了。感想は下巻で。
読了日:01月10日 著者:浅田 次郎
大名倒産 下大名倒産 下感想
一途にお家再興に励む若き当主・小四郎と、お家倒産を目論む先代様。神々の助けありお宝発見もあり、読みやすい時代ファンタジーと割りきって読むと面白さも増します。あまり深読みせず、楽しむにはもってこいの1冊です。越後丹生山藩、鮭が特産物で米どころ、県北の村上藩を脳裏に読了。
読了日:01月11日 著者:浅田 次郎
まずはこれ食べてまずはこれ食べて感想
大学時代の仲間で立ち上げたベンチャー企業「ぐらんま」。多忙さに流され荒れた会社を何とかするために家政婦を雇うことに。やって来た家政婦・筧みのりが作る食事を通じて変わって行く社員たち。これは美味しそうで面白い1冊でした。筧さんのご飯、食べてみたい。
読了日:01月12日 著者:原田 ひ香
地面師たち地面師たち感想
新庄耕さん、初読み。不幸な事件で母と妻子を失った辻本拓海は、大物地面師・ハリソン山中の下で不動産詐欺を行っていた。不動産売買を餌に莫大な金を騙しとる「地面師」、リアリティーある物語に引き込まれました。コツコツと彼らに迫る刑事の辰さんが良かったです。土地があるかぎり地面師はなくならないのか?
読了日:01月13日 著者:新庄 耕
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団感想
新庄耕さんの小説を読了したので関連本としてこちらのルポも。様々な事例とそこに絡んでくる輩が多くて分かりにくい。警察にもっと頑張ってもらって犯人たちを捕らえて欲しいと思った次第。
読了日:01月13日 著者:森 功
あたしたち、海へあたしたち、海へ感想
仲良しの3人組、有夢・瑤子・海は私立の女子中学校に進学するが、ある日突然海が引っ越して…。クラスで起こった出来事が少女たちの心を苛んでゆく。大好きなミュージシャンの楽曲の歌詞と彼女らのたどり着く場所とは?虐めの過酷さに読むのが辛く、ボスの女子生徒も現実を見ないふりをする担任にも大人のいじめにも腹立たしさ。救いのあるラストで良かった。
読了日:01月14日 著者:井上 荒野
走馬灯症候群走馬灯症候群感想
デビュー作はあまり合わなかった記憶があったのですが、これは面白かった。1990年、日本最大の通信会社NJTT が舞台の物語。人にとりついて操り死に誘う「夢喰い」と闘い、恩師の無念を晴らそうとする研究者。当時の通信事情も垣間見ることが出来て興味深かった。
読了日:01月14日 著者:嶺里 俊介
ファースト クラッシュファースト クラッシュ感想
母を亡くした新堂力少年は、母の愛人であった高見澤の家で暮らすことに。一人の少年の出現で高見澤家の三姉妹はそれぞれに心を奪われる。初恋=ファーストクラッシュ、女心の綾を素敵に描かれていて読んで良かった1冊です。
読了日:01月15日 著者:山田 詠美
偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理感想
駅前の交番にいる一見人の良さそうなお巡りさん・狩野雷太が軸に。表題作が特に良かった!どの作品もヒリヒリする緊迫感と騙される面白さに脱帽です。お薦めします。
読了日:01月16日 著者:降田 天
ムゲンのi(上)ムゲンのi(上)感想
幼い頃の悲惨な出来事のため、トラウマを抱えた医師の識名愛衣は眠りについたまま目覚めない難病「イレス」の患者3人を担当するが。愛衣の持つ特別な力と夢幻の世界。ミステリーとファンタジーが融合したような作風。先が気になって一気読み。感想は下巻で。
読了日:01月17日 著者:知念 実希人
ムゲンのi(下)ムゲンのi(下)感想
上下一気に読了しました。4人目のイレス患者で驚愕!少年Xの正体は予想通りでしたが、読み終えてタイトルの絶妙さに気付き、感動です。愛衣の幸せを願いつつ読了。
読了日:01月17日 著者:知念 実希人
婚活食堂 2 (PHP文芸文庫)婚活食堂 2 (PHP文芸文庫)感想
もらい火でお店が全焼の悲劇から新しいお店に移った「めぐみ食堂」。常連客の悩み相談から男女の縁が結ばれて。何と言っても登場する料理の美味しそうなこと!巻末のレシピ集が嬉しい1冊。めぐみ食堂もはじめ食堂も、近所にあったら良いなぁ。
読了日:01月18日 著者:山口 恵以子
リメンバー (幻冬舎文庫)リメンバー (幻冬舎文庫)感想
リカは不死身ですよね…。誰の心の中にもリカがいる。恐ろしくて、でも先が気になってページをめくる手が止まらない。
読了日:01月19日 著者:五十嵐 貴久
卒業タイムリミット卒業タイムリミット感想
生徒に人気の若い女性教諭が誘拐監禁された。卒業目前の4人の3年生に犯人からの挑戦状が届く。タイムリミットは72時間、先生を救うことは出来るのか?謎解きよりも4人の抱えて居たものが明かされることが面白く一気に読了しました。
読了日:01月20日 著者:辻堂 ゆめ
慟哭の家 (講談社文庫)慟哭の家 (講談社文庫)感想
重いダウン症の息子を持つ父親・押川透は、妻の依頼で病弱な妻と障害のある息子を殺害した。死刑にしてほしいと望む押川、弁護を担当する長嶋、障害を持つ子の親たちの現状を調べる記者の新藤。命とは、生きることの意味とは?重く辛い読書になりました。目を逸らしてはいけない問題を突き付けられた思いです。
読了日:01月21日 著者:江上 剛
活版印刷三日月堂 空色の冊子 (ポプラ文庫)活版印刷三日月堂 空色の冊子 (ポプラ文庫)感想
弓子さんが活版印刷三日月堂を継ぐ以前の物語。エピソード0的な位置付けの1冊。幼い日の弓子さんと様々な別れを経験した今、とても読み応えある物語でした。
読了日:01月22日 著者:ほしお さなえ
愛と追憶の泥濘愛と追憶の泥濘感想
27歳、婚活真っ最中の学校図書室司書・柿谷莉歩。見つけた結婚相手はイケメン営業マンだが彼には重大な欠陥が。うーん、莉歩が身勝手すぎて共感出来ないうちに思いがけないラストが。一番真っ当だったのは図書室登校をしている二本柳くんだったと思う。
読了日:01月22日 著者:坂井 希久子
さらさら流るさらさら流る感想
仲良しの家族で素直に育った井出菫は、大学に入学して知り合った光晴と恋人同士になる。光晴と別れて6年後に発覚した裸の写真の流出。菫の苦しみとどこか他人事の光晴、菫の逆境を乗り越えるしなやかさに感動しました。菫の家族と親友・百合が居てくれて良かった。教訓、酒癖の悪い男には注意せよ。
読了日:01月23日 著者:柚木 麻子
のっけから失礼しますのっけから失礼します感想
あ~面白かった♪どろどろの恋愛小説や、リベンジポルノなどを立て続けに読んだ後なので、楽しいエッセイで気分転換させてもらえました。たまにはエッセイも良いですね。
読了日:01月24日 著者:三浦 しをん
騒がしい楽園騒がしい楽園感想
幼稚園を取り巻く様々な問題に対峙する舞子先生。ことなかれ主義の園長・モンスターペアレント・待機児童問題・近隣との騒音問題。幼い命が犠牲になる事件は読みたくなかったので読後の爽快感は無し。テンポ良く読めるけれど、今作は今ひとつでした。
読了日:01月25日 著者:中山 七里
黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続感想
三島屋の黒白の間で語られる「百物語」、聞き手がおちかから小旦那・富次郎に代わって新しいステージに。おちかの背負っていた物が重かった分、富次郎の軽さが少々気がかり。本編は長編のタイトル作と短編が三つ。黒武御神火御殿とは、絶妙なタイトル。次作も楽しみです。
読了日:01月27日 著者:宮部 みゆき
清く貧しく美しく清く貧しく美しく感想
うわー、感想を書きにくい。非正規契約社員とパートの男女、同棲して1年半。将来のこと、正社員への望み。夢ややりたいこと。二人にとってはこのタイトル通りの決断なのでしょうね。あの会社はうーん、むにゃむにゃ…。いや、面白かったのですがね。
読了日:01月27日 著者:石田 衣良
介護のうしろから「がん」が来た!介護のうしろから「がん」が来た!感想
篠田さんのエッセーは初めて。認知症のお母様の介護をしながらの執筆活動中に発覚したご自身の乳ガン。全摘手術・再建手術、その後の生活のこと、お母様の入所する施設探し。同年代の私にとって身につまされる気持ちで読了しました。小説は重くてハードな印象の篠田さん、とてもユーモアある文章でイメージ変わりました。
読了日:01月28日 著者:篠田 節子
ただいまが、聞こえない (単行本)ただいまが、聞こえない (単行本)感想
家族としてどうなの?っていう第一話から、どんどん引き込まれて一気読みでした。47歳で美にこだわる万千子に最初は共感もなかったのに。ちゃんと思いを伝えることは家族として大切なこと、前向きなラストで本当に良かったです。お祖母ちゃんと佐藤くんが良い!
読了日:01月29日 著者:坂井 希久子
ソウル・オブ・フットソウル・オブ・フット感想
サッカークラブを解雇された甲子仁志男が、地元静岡でフットサルチームの選手兼監督を引き受けた。崩壊寸前のチームを立て直しFリーグ昇格を目指す、熱い男の物語でした。サッカーとフットサル、どちらも魅力的なスポーツですね。
読了日:01月30日 著者:松樹 剛史
地棲魚地棲魚感想
怖い!でも読むことを止められず。両親の突然の死によって疎遠になっていた母方の叔父の存在と、その住所を知った片桐真治。赤石と名乗るその人物に感じた強烈な違和感。真治の持つ特殊な力と次々に襲いかかる危機。地棲魚とは絶妙なタイトル。
読了日:01月31日 著者:嶺里 俊介
梅と水仙梅と水仙感想
津田梅子と父・津田仙を描いた物語。わずか6歳でアメリカに渡った梅子が17歳で帰国、父との葛藤や周囲との軋轢に悩み、女子教育の先駆けとなった生涯。読みやすい文章で一気に読了しました。明治の日本は意識の高い女性にとって生き難かったでしょうね。お薦め本です。
読了日:01月31日 著者:植松 三十里

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