文字数の関係で2つにわけました。
こちらは7月前半のレビュー、一部重複ご容赦ください。
村上海賊の娘 下巻の感想
下巻はただ一人決意を秘めて敵陣に挑んだ景の姿が格好いい!眞鍋海賊との戦いぶりも凄まじく、スピード感のあるストーリー展開は読みごたえがありました。登場人物では、七五三兵衛が魅力的、そして弟景親がどんどん男らしくなって行くのが良かった。鬼手、恐るべし。本屋大賞受賞、おめでとうございます!
読了日:7月17日 著者:和田竜
村上海賊の娘 上巻の感想
お話は序盤、登場人物が多いのでやや苦戦しました。泉州海賊たちが景の美しさやふるまいを好ましく思うところが楽しい。合戦のシーンは迫力あります。感想は下巻で。
読了日:7月16日 著者:和田竜
ゴースト≠ノイズ(リダクション) (ミステリ・フロンティア)の感想
クラスで居場所のなくなった男子生徒と一風変わった女子生徒。トリックが幾重にも仕掛けられていたりで、面白かったことは確かです。ただ、文章が読み難くて読み進めるのにやや時間がかかりました。クラスの人間関係やイジメだけかと思ったら、家庭の問題も絡んで来る。ラストはまずまず。
読了日:7月15日 著者:十市社
マイ・ホームタウンの感想
つい先日、この本の舞台になっている「登米高等尋常小学校」、現在は教育資料館を見学に行って来たばかりです。読友さんのご紹介でこの本を手にし、読むことが出来ました。1967年から70年小学校3年から6年までの細やかなエピソード。野山を駆け巡った私の小学校時代を思い出し、何とも懐かしい気持ちで読了しました。
読了日:7月14日 著者:熊谷達也
誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたちの感想
不幸な虐待死をニュースで見聞きしているけれど、そこには至らないまでも虐待により心と体に大きなダメージを負った子供たちを5例紹介した本。里親制度のことなど、今まで知らなかったことを詳しく知ることが出来ました。身体や髪を洗うこと、言葉を話すこと、他人との関わり方、普通の子供たちならば親から教えられていることを知らずに育った子供もいる。この本で紹介された里親さんたちは、みな懸命に里子たちを育てて下さっている。頭の下がる思いです。
読了日:7月14日 著者:黒川祥子
仮面同窓会の感想
久しぶりの雫井さんの作品、楽しみにしていたのですが…。これは、ちょっと好みの作品ではなかったですね。洋輔の性格が煮え切らないのと、友人たちのキャラクターも今一つ分からないのと。押入れの中に、あんな人物?荒唐無稽過ぎて、残念でした。次の作品に期待しましょうか。
読了日:7月13日 著者:雫井脩介
銀河に口笛の感想
昭和ノスタルジーにたっぷり浸れますね。東京三河島あたりの昭和46年から47年くらいの風景。仲良し4人組みの男の子たちと、風変わりな転入生リンダとの交流。途中でミハルも加わって「ウルトラマリン隊」。銀色の道、大好きな歌です。
読了日:7月13日 著者:朱川湊人
エンジェルフライト 国際霊柩送還士の感想
異国で命を落とした日本人を迎え、日本で最期を迎えた外国人を送りだす「国際霊柩送還士」。こういう職業があることも知らなかったし、一般の葬儀社が請け負っているものと思っていました。創業者のお二人やエアハースの社員の皆さんの真摯に仕事に向かわれる姿に感銘しました。宗教や地域性によって弔う形も様々、日本人の遺体に対する思いをここまでくみ取って下さる方々に敬礼。
読了日:7月12日 著者:佐々涼子
貧しい国で女の子として生きるということ―開発途上国からの5つの物語の感想
日本人に生まれたことに感謝。貧しい国では女の子の地位が低いと言うことは認識していたけれど、これほどの残酷な現実がまだあるという事実にショックを受けます。今いる自分の場所で、ささやかながら何かお手伝いをしなければと決意させられました。女の子に教育を、そして男の子にも女の子を大事にする教育を。
読了日:7月12日 著者:
カフェかもめ亭 (ポプラ文庫ピュアフル)の感想
風早の町の自動ピアノの音楽が流れるカフェかもめ亭。曾祖父の代から70年も続いている素敵なお店には、様々なお客さんがやってきます。美味しいお茶を飲みながら、音楽に耳を傾けて静かなひと時を過ごしてみたくなりますね。「ねこしまさんのお話」がとても好きです。文庫書き下ろしの「クリスマスの国」には、コンビニたそがれ堂も出て来て嬉しいかぎり。
読了日:7月12日 著者:村山早紀
流転の薔薇の感想
場末の色街で芸者の子として生まれた千鶴が、突然実父である地方の素封家萩生家に引き取られ、同年の腹違いの妹鈴子と出会う。やがて没落した萩生家と、大女優になる千鶴との関わり。戦中、戦後と日本の映画史を読むといった側面からも楽しめる一人の女優の愛憎の物語。何となく実在した女優さんや映画監督、時代劇の大御所などを連想しながら読了しました。
読了日:7月11日 著者:加藤元
二重螺旋の誘拐 (『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ)の感想
幼い妹を失った研究者と、若い夫婦が巻き込まれた誘拐事件。マナちゃんって、そうか、そっちだったのか~。11年、やっぱり彼女は頑固な性格だったのね。
読了日:7月10日 著者:喜多喜久
ライバルの感想
高校生ゴルファーの成長物語。真面目で努力家の宇希恵とお気楽で細かいことを考えない葉奈。トラブルを抱えて悩む宇希恵と、なんとかそれを克服する方法を考える葉奈。スポ根ものとは言い切れないかもしれませんが、それなりに楽しく読める1冊ですね。これからの二人が真のライバルとして活躍していく続きの物語もちょっと期待したいですが、どうでしょうか?川上先生。
読了日:7月10日 著者:川上健一
二度目のノーサイドの感想
5年前に解散した武蔵野電産ラグビー部は、最後の試合で抽選負けをした。マネージャーの死をきっかけに当時のメンバーでフジビールとの再試合を目指すことになる。5年の歳月がメンバーたちの環境も変え、乗り越えなければならない壁も大きい。ラグビーというスポーツは良くわからない私でも、熱い情熱を感じることが出来ました。
読了日:7月10日 著者:堂場瞬一
あのひとは蜘蛛を潰せないの感想
ロードサイドのドラッグストアの店長梨枝。母と二人で暮らす彼女は、母の望むような生き方を強いられてきた。母を疎ましく思うとともに、母に対する憐憫の思いもある。母と娘というのは、簡単に割り切れない感情があることは理解できるし、読んでいて切なくもなる。梨枝の成長ものとしても面白かったし、母の気持ちを思うとまた違った視点で共感も出来たり。今のところ彩瀬さんの本は外れがありません。若いのに、これだけの表現力、楽しみな作家になりそうですね。
読了日:7月9日 著者:彩瀬まる
遠野物語remixの感想
若いころ柳田先生の遠野物語を読んで以来。こちらは現代文になっているのでとても読みやすかった。奥深い山里には、やはり現代科学や文明では語りつくせないような不思議が息づいている気がしますね。遠野へ行ってみたくなります。
読了日:7月8日 著者:京極夏彦,柳田國男
思い出のマーニー (新潮文庫)の感想
イギリスの湿地地帯の海辺の町にやってきたアンナは、内気で人と関わることが苦手。養い親のおばさまにも心を開けない彼女が、リトル・オヴァトーンの町で出会った金髪の少女マーニー。彼女は実在するのか?不思議な出来ごとのあとに明らかになったこと。素敵な物語でした。ジブリのアニメになったらどんな色合いで見せてもらえるのでしょう?楽しみ。
読了日:7月8日 著者:ジョーン・G.ロビンソン
ワイルドピッチの感想
お初の作家さん。甲子園を目指す野球名門校のエースのお話。肘に故障を抱えた高橋武蔵は、後輩ピッチャー鈴川大樹へのイジメ問題も抱えながら、夏の県大会を制し甲子園に臨む。遠く離れた八丈島で身元不明のトランク詰めの女性の遺体が発見され大樹の母との関わりが発覚して。これは、二人のエースの成長ものとしても、ミステリーとしても楽しめて、思わぬ拾いものといった感じです。他の作品もちょっと読んでみたくなりました。
読了日:7月7日 著者:蓮見恭子
ぼくの守る星の感想
中学2年生の夏見翔は識字障害を持っている。翔の視点からの物語と周りの人々からの物語からになっている。翔の母親とクラスメートまほりの母親が痛々しく読むのが苦しかったが、親よりも子供の方が大人でしっかりしている部分もあるのだなと認識させられた。「ぼくの守る星」素敵なタイトルで、これからの翔の成長が楽しみになる。
読了日:7月7日 著者:神田茜
とんずら屋弥生請負帖の感想
近江の小国来栖家の当主と本陣の娘の間に生まれた弥生が、江戸の船宿松波屋で男姿で船頭になる。松波屋は裏稼業としてわけありの人間の「とんずら」を請け負う。物語はとんずらがメインではなく、来栖家のお家騒動が主軸になっているので、裏稼業でスッキリを期待すると肩透かし。面白くないわけではないけれど、ちょっと期待外れかもしれません。
読了日:7月6日 著者:田牧大和
学校のセンセイの感想
名古屋の私立高校教諭の桐原は、教師2年目。友人付き合いも、職場の様々なこともすべて面倒くさがりながら生きているが、表面上は周りと上手くやれているように行動するのが得意な若者。彼がだんだんと面倒くさがりから前向きなセンセイに変わって行く姿が良かった。坪井くんのキャラクターがとてもいい。出来ればヤンキーの両親の登場シーンが欲しかったかも?
読了日:7月5日 著者:飛鳥井千砂
十二単衣を着た悪魔の感想
弘徽殿女御をメインにした源氏物語異聞。就職試験59社に失敗しフリーターになることを余儀なくされた伊藤雷、優秀な弟にコンプレックスを持つ彼が源氏物語の世界にタイムスリップしてしまう。高麗から来た類い稀なる陰陽師「伊藤雷鳴」と名乗った彼の平安京での生活は、あらすじを描いた本だけが頼りという。内舘さん特有のユーモアにあふれた物語。はからずも現実世界に戻った雷の決断がステキでした。やっぱりキチンと源氏物語を読まないとって思いました。
読了日:7月5日 著者:内館牧子
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂2の感想
シリーズ2作目。不思議な駄菓子屋銭天堂、「ドクターラムネキット」と「おもてなしティー」が好きです。jyajyaさんの挿絵が物語の雰囲気にぴったりでとても素敵、エピローグの新作駄菓子の企画からすると、第三弾もすぐに出そうですね。楽しみに待ちましょ。
読了日:7月4日 著者:廣嶋玲子
リアスの子の感想
仙河海という宮城県北の港町を舞台にした物語。若手中学校教員の和也と、彼のクラスに都会から転入してきた少女希の交流を描く。熊谷さんご自身の体験がベースになっていると推察できますね。若い男性教員が女子生徒の扱いに苦労しながらも周りの同僚たちに助けてもらいながら頑張っている姿はほほえましいかも?希のレースのシーンは胸に迫りました。
読了日:7月3日 著者:熊谷達也
64(ロクヨン)の感想
厚さにめげずに一気読みしました。警察内部の権力争いや様々な陰謀を描かせたらやっぱり横山さんに敵う人はいないですね。三上の父親としての苦悩、刑事魂を抱いたまま広報官として悩む姿。警察官も完璧な人間ではないけれど、14年間苦しみ続けた被害者の父が悲しかった。
読了日:7月2日 著者:横山秀夫
国銅〈下〉 (新潮文庫)の感想
巨大な東大寺の大仏を、天平時代の人々がどのようにして造営していったのか。この物語はその労苦と一仕丁「国人」の成長の物語でもあると思いました。長門を送りだされた15人が5年の歳月を経てたった1人しか戻って来れなかったほどの、過酷な労務。まだ、奈良は未知の場所。ぜひとも大仏の威容をこの目で見たいと思いました。
読了日:7月1日 著者:帚木蓬生
国銅〈上〉 (新潮文庫)の感想
奈良の大仏造営に携わった男たちの物語。この時代のことは、ほとんど知らなかったので興味深く読ませてもらいました。長門周防の奈良登りでの銅の鉱石の掘り出し、鋳造、そして長い道のりの都への旅。国人が今後どのように都で活躍して行くのかが楽しみ、下巻に行きます。
読了日:7月1日 著者:帚木蓬生
読書メーター
こちらは7月前半のレビュー、一部重複ご容赦ください。
![村上海賊の娘 下巻](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51bf8miYZEL._SX100_.jpg)
下巻はただ一人決意を秘めて敵陣に挑んだ景の姿が格好いい!眞鍋海賊との戦いぶりも凄まじく、スピード感のあるストーリー展開は読みごたえがありました。登場人物では、七五三兵衛が魅力的、そして弟景親がどんどん男らしくなって行くのが良かった。鬼手、恐るべし。本屋大賞受賞、おめでとうございます!
読了日:7月17日 著者:和田竜
![村上海賊の娘 上巻](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51pqEfev-wL._SX100_.jpg)
お話は序盤、登場人物が多いのでやや苦戦しました。泉州海賊たちが景の美しさやふるまいを好ましく思うところが楽しい。合戦のシーンは迫力あります。感想は下巻で。
読了日:7月16日 著者:和田竜
![ゴースト≠ノイズ(リダクション) (ミステリ・フロンティア)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Ve6ZYVIaL._SX100_.jpg)
クラスで居場所のなくなった男子生徒と一風変わった女子生徒。トリックが幾重にも仕掛けられていたりで、面白かったことは確かです。ただ、文章が読み難くて読み進めるのにやや時間がかかりました。クラスの人間関係やイジメだけかと思ったら、家庭の問題も絡んで来る。ラストはまずまず。
読了日:7月15日 著者:十市社
![マイ・ホームタウン](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NVZXRCZHL._SX100_.jpg)
つい先日、この本の舞台になっている「登米高等尋常小学校」、現在は教育資料館を見学に行って来たばかりです。読友さんのご紹介でこの本を手にし、読むことが出来ました。1967年から70年小学校3年から6年までの細やかなエピソード。野山を駆け巡った私の小学校時代を思い出し、何とも懐かしい気持ちで読了しました。
読了日:7月14日 著者:熊谷達也
![誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nV9BQgEEL._SX100_.jpg)
不幸な虐待死をニュースで見聞きしているけれど、そこには至らないまでも虐待により心と体に大きなダメージを負った子供たちを5例紹介した本。里親制度のことなど、今まで知らなかったことを詳しく知ることが出来ました。身体や髪を洗うこと、言葉を話すこと、他人との関わり方、普通の子供たちならば親から教えられていることを知らずに育った子供もいる。この本で紹介された里親さんたちは、みな懸命に里子たちを育てて下さっている。頭の下がる思いです。
読了日:7月14日 著者:黒川祥子
![仮面同窓会](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41ejJWPdZxL._SX100_.jpg)
久しぶりの雫井さんの作品、楽しみにしていたのですが…。これは、ちょっと好みの作品ではなかったですね。洋輔の性格が煮え切らないのと、友人たちのキャラクターも今一つ分からないのと。押入れの中に、あんな人物?荒唐無稽過ぎて、残念でした。次の作品に期待しましょうか。
読了日:7月13日 著者:雫井脩介
![銀河に口笛](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41HgfcWhwlL._SX100_.jpg)
昭和ノスタルジーにたっぷり浸れますね。東京三河島あたりの昭和46年から47年くらいの風景。仲良し4人組みの男の子たちと、風変わりな転入生リンダとの交流。途中でミハルも加わって「ウルトラマリン隊」。銀色の道、大好きな歌です。
読了日:7月13日 著者:朱川湊人
![エンジェルフライト 国際霊柩送還士](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51C3wnZ%2BIcL._SX100_.jpg)
異国で命を落とした日本人を迎え、日本で最期を迎えた外国人を送りだす「国際霊柩送還士」。こういう職業があることも知らなかったし、一般の葬儀社が請け負っているものと思っていました。創業者のお二人やエアハースの社員の皆さんの真摯に仕事に向かわれる姿に感銘しました。宗教や地域性によって弔う形も様々、日本人の遺体に対する思いをここまでくみ取って下さる方々に敬礼。
読了日:7月12日 著者:佐々涼子
![貧しい国で女の子として生きるということ―開発途上国からの5つの物語](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51W4ScanoZL._SX100_.jpg)
日本人に生まれたことに感謝。貧しい国では女の子の地位が低いと言うことは認識していたけれど、これほどの残酷な現実がまだあるという事実にショックを受けます。今いる自分の場所で、ささやかながら何かお手伝いをしなければと決意させられました。女の子に教育を、そして男の子にも女の子を大事にする教育を。
読了日:7月12日 著者:
![カフェかもめ亭 (ポプラ文庫ピュアフル)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/519fxf2gxwL._SX100_.jpg)
風早の町の自動ピアノの音楽が流れるカフェかもめ亭。曾祖父の代から70年も続いている素敵なお店には、様々なお客さんがやってきます。美味しいお茶を飲みながら、音楽に耳を傾けて静かなひと時を過ごしてみたくなりますね。「ねこしまさんのお話」がとても好きです。文庫書き下ろしの「クリスマスの国」には、コンビニたそがれ堂も出て来て嬉しいかぎり。
読了日:7月12日 著者:村山早紀
![流転の薔薇](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61oQYco9q1L._SX100_.jpg)
場末の色街で芸者の子として生まれた千鶴が、突然実父である地方の素封家萩生家に引き取られ、同年の腹違いの妹鈴子と出会う。やがて没落した萩生家と、大女優になる千鶴との関わり。戦中、戦後と日本の映画史を読むといった側面からも楽しめる一人の女優の愛憎の物語。何となく実在した女優さんや映画監督、時代劇の大御所などを連想しながら読了しました。
読了日:7月11日 著者:加藤元
![二重螺旋の誘拐 (『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61vdxBrLTgL._SX100_.jpg)
幼い妹を失った研究者と、若い夫婦が巻き込まれた誘拐事件。マナちゃんって、そうか、そっちだったのか~。11年、やっぱり彼女は頑固な性格だったのね。
読了日:7月10日 著者:喜多喜久
![ライバル](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NQsZgo8ML._SX100_.jpg)
高校生ゴルファーの成長物語。真面目で努力家の宇希恵とお気楽で細かいことを考えない葉奈。トラブルを抱えて悩む宇希恵と、なんとかそれを克服する方法を考える葉奈。スポ根ものとは言い切れないかもしれませんが、それなりに楽しく読める1冊ですね。これからの二人が真のライバルとして活躍していく続きの物語もちょっと期待したいですが、どうでしょうか?川上先生。
読了日:7月10日 著者:川上健一
![二度目のノーサイド](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41692TFVSVL._SX100_.jpg)
5年前に解散した武蔵野電産ラグビー部は、最後の試合で抽選負けをした。マネージャーの死をきっかけに当時のメンバーでフジビールとの再試合を目指すことになる。5年の歳月がメンバーたちの環境も変え、乗り越えなければならない壁も大きい。ラグビーというスポーツは良くわからない私でも、熱い情熱を感じることが出来ました。
読了日:7月10日 著者:堂場瞬一
![あのひとは蜘蛛を潰せない](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51i8tP754fL._SX100_.jpg)
ロードサイドのドラッグストアの店長梨枝。母と二人で暮らす彼女は、母の望むような生き方を強いられてきた。母を疎ましく思うとともに、母に対する憐憫の思いもある。母と娘というのは、簡単に割り切れない感情があることは理解できるし、読んでいて切なくもなる。梨枝の成長ものとしても面白かったし、母の気持ちを思うとまた違った視点で共感も出来たり。今のところ彩瀬さんの本は外れがありません。若いのに、これだけの表現力、楽しみな作家になりそうですね。
読了日:7月9日 著者:彩瀬まる
![遠野物語remix](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51uSnQ1qmqL._SX100_.jpg)
若いころ柳田先生の遠野物語を読んで以来。こちらは現代文になっているのでとても読みやすかった。奥深い山里には、やはり現代科学や文明では語りつくせないような不思議が息づいている気がしますね。遠野へ行ってみたくなります。
読了日:7月8日 著者:京極夏彦,柳田國男
![思い出のマーニー (新潮文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41orb3kfViL._SX100_.jpg)
イギリスの湿地地帯の海辺の町にやってきたアンナは、内気で人と関わることが苦手。養い親のおばさまにも心を開けない彼女が、リトル・オヴァトーンの町で出会った金髪の少女マーニー。彼女は実在するのか?不思議な出来ごとのあとに明らかになったこと。素敵な物語でした。ジブリのアニメになったらどんな色合いで見せてもらえるのでしょう?楽しみ。
読了日:7月8日 著者:ジョーン・G.ロビンソン
![ワイルドピッチ](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51St30I8QRL._SX100_.jpg)
お初の作家さん。甲子園を目指す野球名門校のエースのお話。肘に故障を抱えた高橋武蔵は、後輩ピッチャー鈴川大樹へのイジメ問題も抱えながら、夏の県大会を制し甲子園に臨む。遠く離れた八丈島で身元不明のトランク詰めの女性の遺体が発見され大樹の母との関わりが発覚して。これは、二人のエースの成長ものとしても、ミステリーとしても楽しめて、思わぬ拾いものといった感じです。他の作品もちょっと読んでみたくなりました。
読了日:7月7日 著者:蓮見恭子
![ぼくの守る星](http://ecx.images-amazon.com/images/I/5197U0xD9yL._SX100_.jpg)
中学2年生の夏見翔は識字障害を持っている。翔の視点からの物語と周りの人々からの物語からになっている。翔の母親とクラスメートまほりの母親が痛々しく読むのが苦しかったが、親よりも子供の方が大人でしっかりしている部分もあるのだなと認識させられた。「ぼくの守る星」素敵なタイトルで、これからの翔の成長が楽しみになる。
読了日:7月7日 著者:神田茜
![とんずら屋弥生請負帖](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51%2BTK1S3ESL._SX100_.jpg)
近江の小国来栖家の当主と本陣の娘の間に生まれた弥生が、江戸の船宿松波屋で男姿で船頭になる。松波屋は裏稼業としてわけありの人間の「とんずら」を請け負う。物語はとんずらがメインではなく、来栖家のお家騒動が主軸になっているので、裏稼業でスッキリを期待すると肩透かし。面白くないわけではないけれど、ちょっと期待外れかもしれません。
読了日:7月6日 著者:田牧大和
![学校のセンセイ](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QRRIgkk9L._SX100_.jpg)
名古屋の私立高校教諭の桐原は、教師2年目。友人付き合いも、職場の様々なこともすべて面倒くさがりながら生きているが、表面上は周りと上手くやれているように行動するのが得意な若者。彼がだんだんと面倒くさがりから前向きなセンセイに変わって行く姿が良かった。坪井くんのキャラクターがとてもいい。出来ればヤンキーの両親の登場シーンが欲しかったかも?
読了日:7月5日 著者:飛鳥井千砂
![十二単衣を着た悪魔](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51s5%2By3T9nL._SX100_.jpg)
弘徽殿女御をメインにした源氏物語異聞。就職試験59社に失敗しフリーターになることを余儀なくされた伊藤雷、優秀な弟にコンプレックスを持つ彼が源氏物語の世界にタイムスリップしてしまう。高麗から来た類い稀なる陰陽師「伊藤雷鳴」と名乗った彼の平安京での生活は、あらすじを描いた本だけが頼りという。内舘さん特有のユーモアにあふれた物語。はからずも現実世界に戻った雷の決断がステキでした。やっぱりキチンと源氏物語を読まないとって思いました。
読了日:7月5日 著者:内館牧子
![ふしぎ駄菓子屋 銭天堂2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nviOCDxVL._SX100_.jpg)
シリーズ2作目。不思議な駄菓子屋銭天堂、「ドクターラムネキット」と「おもてなしティー」が好きです。jyajyaさんの挿絵が物語の雰囲気にぴったりでとても素敵、エピローグの新作駄菓子の企画からすると、第三弾もすぐに出そうですね。楽しみに待ちましょ。
読了日:7月4日 著者:廣嶋玲子
![リアスの子](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NLsuipIHL._SX100_.jpg)
仙河海という宮城県北の港町を舞台にした物語。若手中学校教員の和也と、彼のクラスに都会から転入してきた少女希の交流を描く。熊谷さんご自身の体験がベースになっていると推察できますね。若い男性教員が女子生徒の扱いに苦労しながらも周りの同僚たちに助けてもらいながら頑張っている姿はほほえましいかも?希のレースのシーンは胸に迫りました。
読了日:7月3日 著者:熊谷達也
![64(ロクヨン)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51z2uzPx7SL._SX100_.jpg)
厚さにめげずに一気読みしました。警察内部の権力争いや様々な陰謀を描かせたらやっぱり横山さんに敵う人はいないですね。三上の父親としての苦悩、刑事魂を抱いたまま広報官として悩む姿。警察官も完璧な人間ではないけれど、14年間苦しみ続けた被害者の父が悲しかった。
読了日:7月2日 著者:横山秀夫
![国銅〈下〉 (新潮文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/513GY5MN93L._SX100_.jpg)
巨大な東大寺の大仏を、天平時代の人々がどのようにして造営していったのか。この物語はその労苦と一仕丁「国人」の成長の物語でもあると思いました。長門を送りだされた15人が5年の歳月を経てたった1人しか戻って来れなかったほどの、過酷な労務。まだ、奈良は未知の場所。ぜひとも大仏の威容をこの目で見たいと思いました。
読了日:7月1日 著者:帚木蓬生
![国銅〈上〉 (新潮文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51MHDSN6GNL._SX100_.jpg)
奈良の大仏造営に携わった男たちの物語。この時代のことは、ほとんど知らなかったので興味深く読ませてもらいました。長門周防の奈良登りでの銅の鉱石の掘り出し、鋳造、そして長い道のりの都への旅。国人が今後どのように都で活躍して行くのかが楽しみ、下巻に行きます。
読了日:7月1日 著者:帚木蓬生
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