12月の読書メーター読んだ本の数:21読んだページ数:6772ナイス数:2320夜更けより静かな場所の感想とても良かった。古書店「深海」で開かれる読書会。参加者は店主・遠藤茂、姪の吉乃、非正規雇用の司書・安井京子、グラフィックデザイナーの中澤卓生、吉乃のゼミ仲間の真島直哉、深海のアルバイト・国分藍の6人。生き方に悩むこの6人が課題の本を選択し、読書会に臨む。読み終えたあとで余韻の残るステキな1冊、岩井さんの作品で最も好きです。タイトルが秀逸。そしてテーマになった本、読んでみたくて検索してしまった。「真昼の子」読みたい。読了日:12月01日 著者:岩井 圭也
要の台所の感想「天の台所」の続編。何となく学校で居場所のない要は、たった一人の友だち・光(天の妹)のクラスメイト。ある日要は隣に住むネパール人の少女・サリタと知り合う。要の手作りクッキーをキッカケに少しずつ距離が近づくが…。夏休み、がみババに料理を習うことになった要。言葉や習慣の違いを乗り越えて、要自身も成長してゆく。天もちょこっと登場、高校生に!読了日:12月01日 著者:落合 由佳
【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)の感想2023年このミス大賞受賞作。元小学校校長の祖父は71歳でレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしている。孫娘の楓は祖父のもとを訪れ、身の回りで起きた様々な謎を話してゆく。密室殺人・人間消失・殺人事件に巻き込まれた同僚などなど。祖父の知性と病ゆえの幻視、楓自身の危機。出だしは中々乗れずリタイアしようかと思ったが、読破して良かった。読了日:12月03日 著者:小西 マサテル
日比野豆腐店の感想東京葛飾区の堀切菖蒲園のほど近く、家族で営まれている豆腐店がある。「日比野豆腐店」は、祖母・初と母の咲子、高校生の令哉と猫の福の三人と一匹。個人経営の豆腐店の厳しさ、早くに父を亡くした家族の日常が小野寺さんの優しい文章で綴られて行く。お客さん達とのやり取りや、ご近所の親子の話し、令哉の学校生活、猫の福だけに視えているもの。心が温かくなる1冊、お薦めです!読了日:12月04日 著者:小野寺史宜
誘拐ジャパンの感想高額報酬につられてゴミ屋敷の清掃に出向いたはずが、なぜか誘拐犯に加担する羽目になった天草美晴。誘拐の首謀者は大物政治家、狙うのは総理の孫。あっさりと誘拐に成功し、犯人たちが総理に突きつけた要求は?国民を巻き込んでの政治・行政の大改革。脇の甘い息子や某組織の問題も絡め、先が気になり一気読み。楽しい読書が出来た!読了日:12月07日 著者:横関 大
義父母の介護 (新潮新書 1052)の感想何冊か村井さんの著作は読んでいて、義理のご両親との関係は知っていた。あのしっかり者のお義母さんが認知症になり、お義父さんは脳梗塞で後遺症が…。車で30分の距離に住まう著者がケアマネとの連絡にあたり、何かことがあれば駆けつける。義母の認知症はレビー小体型、義父は頑固で扱いにくい。文章が平易でユーモアも織り込まれているので、辛く大変な介護の現実がサクサクと読める。感想としては、ダンナさんがもっと早い時期から関わってほしいなと。読了日:12月08日 著者:村井 理子
雫の感想45歳の永瀬珠はジュエリーデザイナー。勤務先の「ジュエリータカミネ」の廃業を機に中学校の同窓生の4人が顔を揃える。社長の高峰能見・印刷会社に勤める森侑・金属地金加工職人の木下しずく。珠の視点で5年ずつ時をさかのぼる構成で物語が綴られる。不器用な彼らが歩んできた年月、数々の選択と人生の転機。新しい道を歩き出す彼らにはきっと素敵な未来が待っていると思う。読了日:12月10日 著者:寺地 はるな
鑑定の感想近未来の日本、脳に働きかけ感情をコントロールする機器「エモーション・コントローラー」が普及している…。やがて心を支配された人間があちこちでとんでもない事件を起こす。精神科医の葛西、サラリーマンの葉柄、マヒルの視点で進む物語。怖いけど先が気になり読むことをやめられない。読了日:12月11日 著者:山田 宗樹
リンダを殺した犯人はの感想女性刑事・志々目春香と後輩の男性刑事・藤堂遥。警視庁捜査1課のコンビが新宿・大久保のマンションの一室で殺害されたベトナム人女性「リンダ」の事件を追う。外国人技能実習制度の闇、不法滞在者を食い物にする人々。誰がリンダを殺したのか?ハルカとハルカのやり取り、個性豊かな二係の面々。読みやすく面白かった。今までの伊兼さんの作風と違って少し軽く感じたが、シリーズになりそうなのでこのコンビの活躍をこれからも楽しみ。読了日:12月13日 著者:伊兼 源太郎
イクサガミ 地 (講談社文庫 い 148-2)の感想シリーズ第2弾。前作から間が空いてしまって、読み始めはちょっと人物関係に戸惑いながらの読書。しかしストーリーの展開が早く、一気に没入。化け物のように強いものだけが生き残るわけではなく、双葉や進次郎の役割りが見事。この恐ろしいゲーム・蠱毒の首謀者や企ての意味も明かされ、大久保利通・前島密・川路利良らも登場。侍たちの最後の戦いはこの先がどうなるのか、次巻は間を明けずに読みたい。読了日:12月15日 著者:今村 翔吾
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫 ほ 7-1)の感想江戸のお年寄りの生き方も様々。そんな人々を描いた6つの作品。大奥で出世を目指す奥女中を描いた永井紗耶子さん「つはものの女」、金貸しの老女の殺害事件から始まる坂井希久子さんの「ほおずき長屋のお豪」が良かった。浅田次郎さんの「五郎治殿御始末」素晴らしい!読了日:12月16日 著者:細谷正充
えどめぐり <名所>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)の感想朝井まかて・篠綾子・田牧大和・宮本紀子・宮部みゆき、5人の江戸名所を舞台にした物語集。篠さんの「名水と葛」のみ書き下ろし。「名水と葛」、とても良かった!田牧さん、久しぶりに読んだが、やはり面白い。このシリーズ、何冊かは既読だけどまた読んでみたくなった。宮本さんの作品も良い。あとは安定の朝井さんと宮部さん。読了日:12月17日 著者:宮部 みゆき,朝井 まかて,田牧 大和,宮本 紀子,篠 綾子
青嵐の旅人 上巻 それぞれの動乱の感想幕末の伊予松山藩。おへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘・ヒスイと弟の救吉。これは面白い!天童荒太さんの時代小説は初めてかな?感想は下巻で。読了日:12月18日 著者:天童荒太
百年かぞえ歌の感想群馬の山中で遺体で発見された若者が所持していた一葉のハガキ。偉大な作家「貴地崇彦」が幼なじみ宛に投函したものとみられるそのハガキに記された「かぞえ歌」。作家の生家館の担当者・由佳利、貴地崇彦を敬愛する艶子、幼なじみの孫にあたる夏央が、「かぞえ歌」に秘められた謎を解いてゆく。百年の時を超えて明かされた真実は、辛く切ないものだった。謎解きよりも艶子さんがとても魅力的だった。読了日:12月20日 著者:大崎 梢
恋とか愛とかやさしさならの感想重い…。なんと感想を書いたら良いのか?関口新夏(にいか)はプロポーズを受け幸せな気持ちで目覚めた翌朝、彼氏・神尾啓久(ひらく)が女子高生のスカートの中を盗撮して警察に連行されたとの電話を受ける。許して何もなかったことにして結婚出来るのか、煩悶する新夏。啓久の両親や姉の反応。示談になり前科前歴はつかなくても啓久は罪を犯していないのか?一転して後半の章で明かされる被害者家族たちのこと。一穂さんが投げかける問いに私は答えを出せない。読了日:12月21日 著者:一穂 ミチ
飽くなき地景の感想不動産で財を成した旧華族の烏丸家。美術品を愛し古い東京の景観を愛した祖父、伝統ある景観を打ち壊し無数のビルを建て続ける父。祖父を敬愛し、無銘の刀剣にこだわり、父と庶子の兄に対する憎しみに苦しむ烏丸治道。終戦間近の時代から東京五輪・高度成長期を経て現代まで、日本の近代史を思わせるような力作。荻堂顕さん、初読み。第172回直木賞候補作。読了日:12月23日 著者:荻堂 顕
時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみの感想シリーズ第12弾。今作はまさかの展開に驚き!久実ちゃんと一ノ瀬さんが幸せにって思っていたら別々の道に。7年の月日で大きく環境が変わり、小蔵屋が店じまいを。その理由は何とも不快で今の世相を反映している。しかし、最終章で明かりが見えて次作が楽しみに。読了日:12月24日 著者:吉永 南央
いのちの波止場の感想まほろば診療所シリーズの第3弾。看護師の星野麻世は能登半島穴水の「能登さとうみ病院」へ、ターミナルケアについて学ぶため半年の期限付きで看護実習に赴く。モルヒネを頑なに拒否する女性、認知症と癌を患い余命少ない老父に強硬に胃瘻造設をしたがる息子。両親の見舞いを拒否する末期癌の男性。そして麻世が最後にケアしたのは…。涙とともに読了、とても良い本だった。読了日:12月25日 著者:南 杏子
青嵐の旅人 下巻 うつろう朝敵の感想下巻は寺田屋事件から。戦を厭い命を尊び真っすぐに自らの役目にまい進するヒスイと救吉。龍馬や新選組のみならず長州の大物たちも次々に登場。伊予松山藩に降りかかる最大の窮地は、彼らと志を共にする辰之進らの活躍で良き方向に。天童さん初の時代もので新聞連載の作品とのこと。読みやすくとても面白かった。読了日:12月27日 著者:天童荒太
イクサガミ 人 (講談社文庫 い 148-4)の感想蠱毒の参加者は闘いを続けどんどん絞られ、愁二郎たちを待ち構える強敵は半端なく強い。島田宿での激闘から横浜、軍を巻き込んでの乱戦。そして鉄道での戦いも!札の計算は難しすぎて意識の外に置きながら(笑)の一気読み。さあ、東京で彼らを待ち構えるのは何か?結末が気になるので、早く刊行して下さい!読了日:12月29日 著者:今村 翔吾
冬と瓦礫の感想神戸出身の砂原さんが自らの体験をもとに記した一書。神戸から離れ、東京で暮らす圭介は実家で暮らす母や古い戸建て住宅に住まう祖父母を案じ、新幹線と在来線を乗り継ぎ、重いザックを背負い現地へ向かう。30年の時を経ても当時の記憶がよみがえり胸が痛くなる。読了日:12月29日 著者:砂原 浩太朗
読書メーター
要の台所の感想「天の台所」の続編。何となく学校で居場所のない要は、たった一人の友だち・光(天の妹)のクラスメイト。ある日要は隣に住むネパール人の少女・サリタと知り合う。要の手作りクッキーをキッカケに少しずつ距離が近づくが…。夏休み、がみババに料理を習うことになった要。言葉や習慣の違いを乗り越えて、要自身も成長してゆく。天もちょこっと登場、高校生に!読了日:12月01日 著者:落合 由佳
【2023年・第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】名探偵のままでいて (『このミス』大賞シリーズ)の感想2023年このミス大賞受賞作。元小学校校長の祖父は71歳でレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしている。孫娘の楓は祖父のもとを訪れ、身の回りで起きた様々な謎を話してゆく。密室殺人・人間消失・殺人事件に巻き込まれた同僚などなど。祖父の知性と病ゆえの幻視、楓自身の危機。出だしは中々乗れずリタイアしようかと思ったが、読破して良かった。読了日:12月03日 著者:小西 マサテル
日比野豆腐店の感想東京葛飾区の堀切菖蒲園のほど近く、家族で営まれている豆腐店がある。「日比野豆腐店」は、祖母・初と母の咲子、高校生の令哉と猫の福の三人と一匹。個人経営の豆腐店の厳しさ、早くに父を亡くした家族の日常が小野寺さんの優しい文章で綴られて行く。お客さん達とのやり取りや、ご近所の親子の話し、令哉の学校生活、猫の福だけに視えているもの。心が温かくなる1冊、お薦めです!読了日:12月04日 著者:小野寺史宜
誘拐ジャパンの感想高額報酬につられてゴミ屋敷の清掃に出向いたはずが、なぜか誘拐犯に加担する羽目になった天草美晴。誘拐の首謀者は大物政治家、狙うのは総理の孫。あっさりと誘拐に成功し、犯人たちが総理に突きつけた要求は?国民を巻き込んでの政治・行政の大改革。脇の甘い息子や某組織の問題も絡め、先が気になり一気読み。楽しい読書が出来た!読了日:12月07日 著者:横関 大
義父母の介護 (新潮新書 1052)の感想何冊か村井さんの著作は読んでいて、義理のご両親との関係は知っていた。あのしっかり者のお義母さんが認知症になり、お義父さんは脳梗塞で後遺症が…。車で30分の距離に住まう著者がケアマネとの連絡にあたり、何かことがあれば駆けつける。義母の認知症はレビー小体型、義父は頑固で扱いにくい。文章が平易でユーモアも織り込まれているので、辛く大変な介護の現実がサクサクと読める。感想としては、ダンナさんがもっと早い時期から関わってほしいなと。読了日:12月08日 著者:村井 理子
雫の感想45歳の永瀬珠はジュエリーデザイナー。勤務先の「ジュエリータカミネ」の廃業を機に中学校の同窓生の4人が顔を揃える。社長の高峰能見・印刷会社に勤める森侑・金属地金加工職人の木下しずく。珠の視点で5年ずつ時をさかのぼる構成で物語が綴られる。不器用な彼らが歩んできた年月、数々の選択と人生の転機。新しい道を歩き出す彼らにはきっと素敵な未来が待っていると思う。読了日:12月10日 著者:寺地 はるな
鑑定の感想近未来の日本、脳に働きかけ感情をコントロールする機器「エモーション・コントローラー」が普及している…。やがて心を支配された人間があちこちでとんでもない事件を起こす。精神科医の葛西、サラリーマンの葉柄、マヒルの視点で進む物語。怖いけど先が気になり読むことをやめられない。読了日:12月11日 著者:山田 宗樹
リンダを殺した犯人はの感想女性刑事・志々目春香と後輩の男性刑事・藤堂遥。警視庁捜査1課のコンビが新宿・大久保のマンションの一室で殺害されたベトナム人女性「リンダ」の事件を追う。外国人技能実習制度の闇、不法滞在者を食い物にする人々。誰がリンダを殺したのか?ハルカとハルカのやり取り、個性豊かな二係の面々。読みやすく面白かった。今までの伊兼さんの作風と違って少し軽く感じたが、シリーズになりそうなのでこのコンビの活躍をこれからも楽しみ。読了日:12月13日 著者:伊兼 源太郎
イクサガミ 地 (講談社文庫 い 148-2)の感想シリーズ第2弾。前作から間が空いてしまって、読み始めはちょっと人物関係に戸惑いながらの読書。しかしストーリーの展開が早く、一気に没入。化け物のように強いものだけが生き残るわけではなく、双葉や進次郎の役割りが見事。この恐ろしいゲーム・蠱毒の首謀者や企ての意味も明かされ、大久保利通・前島密・川路利良らも登場。侍たちの最後の戦いはこの先がどうなるのか、次巻は間を明けずに読みたい。読了日:12月15日 著者:今村 翔吾
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫 ほ 7-1)の感想江戸のお年寄りの生き方も様々。そんな人々を描いた6つの作品。大奥で出世を目指す奥女中を描いた永井紗耶子さん「つはものの女」、金貸しの老女の殺害事件から始まる坂井希久子さんの「ほおずき長屋のお豪」が良かった。浅田次郎さんの「五郎治殿御始末」素晴らしい!読了日:12月16日 著者:細谷正充
えどめぐり <名所>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)の感想朝井まかて・篠綾子・田牧大和・宮本紀子・宮部みゆき、5人の江戸名所を舞台にした物語集。篠さんの「名水と葛」のみ書き下ろし。「名水と葛」、とても良かった!田牧さん、久しぶりに読んだが、やはり面白い。このシリーズ、何冊かは既読だけどまた読んでみたくなった。宮本さんの作品も良い。あとは安定の朝井さんと宮部さん。読了日:12月17日 著者:宮部 みゆき,朝井 まかて,田牧 大和,宮本 紀子,篠 綾子
青嵐の旅人 上巻 それぞれの動乱の感想幕末の伊予松山藩。おへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘・ヒスイと弟の救吉。これは面白い!天童荒太さんの時代小説は初めてかな?感想は下巻で。読了日:12月18日 著者:天童荒太
百年かぞえ歌の感想群馬の山中で遺体で発見された若者が所持していた一葉のハガキ。偉大な作家「貴地崇彦」が幼なじみ宛に投函したものとみられるそのハガキに記された「かぞえ歌」。作家の生家館の担当者・由佳利、貴地崇彦を敬愛する艶子、幼なじみの孫にあたる夏央が、「かぞえ歌」に秘められた謎を解いてゆく。百年の時を超えて明かされた真実は、辛く切ないものだった。謎解きよりも艶子さんがとても魅力的だった。読了日:12月20日 著者:大崎 梢
恋とか愛とかやさしさならの感想重い…。なんと感想を書いたら良いのか?関口新夏(にいか)はプロポーズを受け幸せな気持ちで目覚めた翌朝、彼氏・神尾啓久(ひらく)が女子高生のスカートの中を盗撮して警察に連行されたとの電話を受ける。許して何もなかったことにして結婚出来るのか、煩悶する新夏。啓久の両親や姉の反応。示談になり前科前歴はつかなくても啓久は罪を犯していないのか?一転して後半の章で明かされる被害者家族たちのこと。一穂さんが投げかける問いに私は答えを出せない。読了日:12月21日 著者:一穂 ミチ
飽くなき地景の感想不動産で財を成した旧華族の烏丸家。美術品を愛し古い東京の景観を愛した祖父、伝統ある景観を打ち壊し無数のビルを建て続ける父。祖父を敬愛し、無銘の刀剣にこだわり、父と庶子の兄に対する憎しみに苦しむ烏丸治道。終戦間近の時代から東京五輪・高度成長期を経て現代まで、日本の近代史を思わせるような力作。荻堂顕さん、初読み。第172回直木賞候補作。読了日:12月23日 著者:荻堂 顕
時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみの感想シリーズ第12弾。今作はまさかの展開に驚き!久実ちゃんと一ノ瀬さんが幸せにって思っていたら別々の道に。7年の月日で大きく環境が変わり、小蔵屋が店じまいを。その理由は何とも不快で今の世相を反映している。しかし、最終章で明かりが見えて次作が楽しみに。読了日:12月24日 著者:吉永 南央
いのちの波止場の感想まほろば診療所シリーズの第3弾。看護師の星野麻世は能登半島穴水の「能登さとうみ病院」へ、ターミナルケアについて学ぶため半年の期限付きで看護実習に赴く。モルヒネを頑なに拒否する女性、認知症と癌を患い余命少ない老父に強硬に胃瘻造設をしたがる息子。両親の見舞いを拒否する末期癌の男性。そして麻世が最後にケアしたのは…。涙とともに読了、とても良い本だった。読了日:12月25日 著者:南 杏子
青嵐の旅人 下巻 うつろう朝敵の感想下巻は寺田屋事件から。戦を厭い命を尊び真っすぐに自らの役目にまい進するヒスイと救吉。龍馬や新選組のみならず長州の大物たちも次々に登場。伊予松山藩に降りかかる最大の窮地は、彼らと志を共にする辰之進らの活躍で良き方向に。天童さん初の時代もので新聞連載の作品とのこと。読みやすくとても面白かった。読了日:12月27日 著者:天童荒太
イクサガミ 人 (講談社文庫 い 148-4)の感想蠱毒の参加者は闘いを続けどんどん絞られ、愁二郎たちを待ち構える強敵は半端なく強い。島田宿での激闘から横浜、軍を巻き込んでの乱戦。そして鉄道での戦いも!札の計算は難しすぎて意識の外に置きながら(笑)の一気読み。さあ、東京で彼らを待ち構えるのは何か?結末が気になるので、早く刊行して下さい!読了日:12月29日 著者:今村 翔吾
冬と瓦礫の感想神戸出身の砂原さんが自らの体験をもとに記した一書。神戸から離れ、東京で暮らす圭介は実家で暮らす母や古い戸建て住宅に住まう祖父母を案じ、新幹線と在来線を乗り継ぎ、重いザックを背負い現地へ向かう。30年の時を経ても当時の記憶がよみがえり胸が痛くなる。読了日:12月29日 著者:砂原 浩太朗
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