『ロバと王女』を見ました。

2005-11-07 01:45:36 | 映画
1970年に製作のデジタルリマスター版。
ポスターや公式サイト他の画像は綺麗だし、お伽噺の映画化だからとっても期待して見に行ったんですよぉ。

この観賞後感覚、何かと似てるな~と思い出したのが‘鈴木清順監督のオペレッタ狸御殿’です。
俳優さんたちは綺麗で素敵だし、画面も綺麗だし、衣装や音楽も割と好きなのに
なんだか変!!

ペロー童話のロバと王女は読んでないけど、グリム童話の千匹皮と似たモチーフなんですよねぇ。

お妃さまをなくした国王が‘私より綺麗な人と再婚してください’という遺言から国中を探したら、該当するのは自分と妃の間の娘だけで、娘に求婚するってとんでもねー話っす。
王女は言うことを聞く条件として作るのは不可能と思われるドレスを順番に(今回のは空の美しさ・月の光・太陽の輝きの3枚)に最後のお願いとして国の宝でもある金を生むロバの皮(グリムでは千種類の動物の皮)を要求。ところが望みが叶ってしまい父王のもとから逃げ出して美しさを隠すためにロバの皮をかぶって下女として働くこととなります。
王女のホントの姿を垣間見た王子が彼女を探し出し(今回はケーキを焼かせた上にそこから出てきた指輪が合う娘を…というシンデレラのような展開)結婚する…ってもともとオイオイって突っ込みどころ満載なんですが。

それにも増して私には演出意図がよくわからん~!
あ、否。多分。
全編通して綺麗で可愛いカトリーヌ・ドヌーブが撮りたいだけってのはわかった。
わかったけどさ、上手く出来てるかどうかはどうかは甚だ疑問。

劇場出てからのエレベーターの中で、OLぽい2人組がいたんだけど
『ドレスが綺麗なだけだったね』『ドレス無駄になってたよね』『勿体無いね』
って言ってて、そこまで酷いとは思わなかったけど(ファンがいたら、刺されても文句は言えないような台詞でございました)
ドヌーブ、お姫様演るには薄幸そうだし、父王と並んでも釣り合う年齢に見えちゃうし(お妃さまと2役やってたしね)役柄間違ってるとしか思えない~。

ドレスは似合ってたよ、決して無駄にはなってなかったよ。
WEBで見かける写真は綺麗でゴージャスで今でもウットリだしね。
でもでもあの映画の中じゃないほうが絶対いい(断言)

青の国・赤の国のお城の内装が不思議(赤の国の玉座白い猫っぽい動物型だった~)なのも、馬や従者が赤や青に塗られてるのもまあ、良いや、ファンタジーだしね。
でも
王女を助けるリラの精が一人だけネグリジェのような衣装なのとか(他はみんな中世の装束に近い)
姫がかぶるロバの皮の内側が変に生々しい色なのとか(そりゃ、殺してすぐ剥いだんだろうから生っちいのかもですが、その割りに服は汚れないじゃん。無意味にグロい)
王女と王子が草原で転げまわるシーン(ラブシーンなのかなぁ?)とか
ラスト、国王が○○(一応伏せ)でやってくるシーン(確かにその前に電池なんて台詞があったけど、あれは洒落てる台詞なの?どーよ?)とか、
どーすれば良いの、これ?って感じ。
感心もしないし笑うほど面白くないし淡々と見るには違和感ありすぎだし。

それに。
ドレスを作ってもらうたびに、王女が父親に心揺れるのはどーなんだ?
少なくともグリム童話版は揺れないですがペロー版はそうなってるの?
それを止めるリラの精の台詞も説得力ないんですよねぇ。
あれは感覚の差なのかなぁ。

などと文句タラタラですが

私は乗り切れなかったけど、この映画を好きな人も多いみたい。

私の中でも王女がケーキを焼くシーン(これがすっごい大雑把で笑える)は可愛いし
ともかくとってもゴージャスなので綺麗なもの好きだったら一度は見ても良いと思う。
カトリーヌ・ドヌーブのファンは必見でしょうねぇ。

コメント
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