気の向くままに

山、花、人生を讃える

原発関連の報道について思ったこと

2019年07月22日 | 社会

2011年3月に東京電力の福島第一原発が津波で破壊され、放射性物質が周辺地域に拡散され、多くの人が終の棲家を追われることになった。そしてこの大事故の後、原発がテロに見舞われ、同様の大事故が発生した場合のことを考え、政府、有識者の間で議論されてきた。

 

また、国際的にも、テロによる大型航空機が衝突した場合のことを考え、原子炉を遠隔操作で冷却できるようなテロ対策の必要性が国際的にも強調されてきた。

 

そして、日本では「特定重大事故対処施設」というテロ対策施設の設置が電力会社に義務付けられた。これの設置期限は2015年の工事認可後5年以内と義務づけられている。つまり2020年。

 

このテロ対策施設は、原子炉建屋から100メートル以上離れた場所に新設し、制御室や発電機、原子炉に冷却水を送るポンプなどを備えることが義務付けられているそうで、1基で1000億円程度の建設費が必要で、電力会社にはかなりの負担であるらしい。が、原子力規制委員会は今年の4月、テロ対策施設の建設が設置期限に間に合わない場合は、原発の運転停止を求める方針を決めていた。

 

今、日本で稼働している原発は9基だそうだが、これら9基の原発すべてが、テロ対策施設の期限内設置がここにきて難しいことが明らかになってきた。そして各電力会社はそろって規制委員会に期限の延長を求めてきたとのこと。それに対して規制委員会は「工事が大掛かりになることは設計段階からわかっており、延長の理由にならない」と突っぱねたらしい。

 

こんな報道をある月刊誌で知ったのだが、日本国民は、津波によって原発が破壊された時の怖さを、目の当たりに見てきたのに、これら電力会社の姿勢は、少し甘すぎやしないかと思った。まだ、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とでも思っているようである。万が一、事故が起きた時の原発の怖さがわかっていないというか、それとも、万が一にもそんな事故は起きないし、テロもないと思っているのだろうか。

 

原発の怖さは、いったん事故が起きれば人力ではコントロールできなくなる、そういう危険なものだということをよくよく知らなければならないと思う。人類の科学は、まだまだ原子力を扱えるほど発達していないし、人間自身も、それを扱えるほど進化はしていないのである。

 

溜まっていく一方の放射性廃棄物(使用済み核燃料) の処分さえ、どうしていいのかわからないし、わからないことを知りながら、あとに生まれてくる人たちのことなど俺は知らないとばかりに、平気で原発を使い続けているのが今の人類である。とはいっても、私も原発から生まれるエネルギーのお世話になっているのであるから、そう悪くは言いたくないのだが。ただ、こんな大きな事故を再度経験するようなことがあったら、原因が何であるにしても、それは「大いなる恥」とあざ笑われても仕方がないと思う。

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2 コメント

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大いなる恥 (Ray)
2019-07-22 14:56:35
こんにちは☆スズキさま☆
梅雨の期間の長い日々ですけれど
お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?

…大いなる恥・・

こういった内容のお話に差し上げるにしては、ちょっと、。。
失礼かもしれない、など、ためらいを感じましたけれど
「的をえた、素晴らしい言葉」 だと感じました。


ずっとずっと、きっと古代と言われるほどの以前から、、
日本は「恥」については、他国より、
ずっと文化にまで根付くようにして
よくよく考えの深い民族?国民?のように感じていました。

でも・・
スズキさまのお話を読ませていただいて、
本当に こういった状況のまま、再発すれば 「大いなる恥」 だと感じました。

  *  *  *

つい先週。
私の利用する最寄駅の電鉄会社が、全線運転見合わせになりました。(・・朝5時過ぎから)

電車の運行状況は、私の場合、スマホで着信がなされるようにしておりますので
朝5時15分の起床直後に、この情報を知ったものの
通常通りの時間に家を出て、一応、駅に向かいました。

向かいながら、スマホを確認して
電車不通の理由は、電鉄会社の電力を賄う施設の火災が原因だとわかりました。


到着してみると
駅の事務所の中は、まっくら。
駅の施設全体がまっくら。
その 「まっくら」 の中に、どんどん、人が集まっていて、
さらに人がどんどん到着していました。

バスやタクシーは長蛇の列。

私は、ダンナに連絡をして、家の車で(運転はダンナ) 職場へ向かいましたが
この時間帯にしては珍しく 渋滞が始まっておりました(午前6時半過ぎ)。

結局、通常40分~1時間弱で到着する職場まで、2時間以上の時間を要しました

あとのニュースなどで、やはり、私と同様に、家の車で職場へ向かった方々も
多くあったようです。

そんなことが、つい先日にあったばかりでしたので
電気・電力のことを、改めて考えておりましたところ・・

今日、スズキさまのお話に出会いました。


電力のことを考えるとき・・
職場でも、家庭でも、たくさんにある 「家電」を含め
私たちの生活「すべて」 を見直す必要があるのかなぁとおもうと・・

こうなると、もう、どこをどうしてどうやって改善したら良いのかわからなくて
スズキさまのおっしゃるように、まさに、私たち一人一人にむけれられるような
大いなる恥・・に、通じることなのだ。。と・・

こうして、家のパソコンを利用しつつ
部屋の灯りをつけつつ
こちらを記しながら、おもうのでした・・

なんだか・・情けないです・・

そして、あおく 美しい地球に 申し訳ないと思いました・・ Ray
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お久しぶりです (スズキ)
2019-07-22 21:13:18
Rayさま、久しぶりですね。
コメントありがとうございます。

おかげさまで元気でいますよ。
毎日が曇りか雨なのでしのぎやすく、草取りも楽で助かっています。
ただ、グリーンカーテンとして植えていた千成瓢箪が、
雨が多いせいか、根腐れを起こしたらしく枯れてしまいました。

さて、通勤電車が不通になるとお勤めの人は大変ですね。
つい最近、その様なことがあったとは知りませんでした。
でも、旦那様が車で送ってくれたとのこと、よかったですね。

昨日は参院選の投票日でしたが、残念ながら原発から
再生エネルギーへの転換の話は、話題にもならず、
忘れ去られたかのようで、残念に思いました。

こういう話題はつい悲観的になるので、わたしもあまり話題にしたくありませんが、
本当にもっと次世代のことも考え、地球を放射能や二酸化炭素などで、
大気をできるだけ汚染しないよう、
慎ましい生活を心がけるようにしていかなければと思います。

話は変わりますが、7月7日に団体で伊勢神宮に行きましたが、
この時期にしてはよく賑わっていて、
以前にはほとんど見ることのなかった外人さんの姿も結構見られて驚きました。
正式参拝もさせて頂き、お神楽も拝見できてとても良かったです。

最後になりましたが、Rayさまもお元気そうで何よりです。
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