ⅭⅩⅢ「花みつ日記」1939を見る聴く、
朝の、校庭の掃除風景、歌いながら、行進するごとくに、パレード、ダンス、綺麗に掃除が終わり、部屋に向かう女学生たち、そんなクラスに一人の転校生が、玄関先で、皆に紹介、可愛い少女、一日が終わり下校の時間、音楽室で、ピアノを演奏し歌う先生、聞きほれる、少女たち、ともに唱和、窓から下を覗き見る先生、皆は慌てて走り去る、路地の少女たち、大通りをバスが行く、次々に乗り込み、右に左に、友達が去っていき、残された主人公と、転校生、帰りのバスが一緒なのだ、こうして二人は仲良しに、朝も、上履きの履き替えの玄関でも、教室でも、他の娘たちは嫉妬とも、これまでの様子と違う主人公に、今は、誰とも語らずに、転校生の少女とばかり、互いの家庭を尋ねて、しかし、主人公は芸子屋の娘、流石にこれには転校生も驚いて、屋敷に上がっても、次々に、芸子が主人公に挨拶、困惑するばかりの転校生、綺麗な娘さんばかり、そんな娘さんたちが、転校生を可愛らしい人ねと、転校生は、何所か、主人公が、いつか、学校から離れ、芸子の世界に行ってしまうのではと、己の世界から離れて、何所か不安気、一方、転校生は母がキリスト教で、日曜日に教会に、主人公は転校生のものは私のもの、わたしのものは転校生のもの、すかさず両親に、キリスト教の協会に行っていいかと問いかけて、笑みの両親、寛容なのだ、なんたって、芸子の世界だ、教会の帰り道、橋で、天国ってあるのかなと主人公、判らないと少女、有るといいなと主人公、死んでも、少女といられると、それならば、私も嬉しいと少女、その帰り道、先生の家を知っていると主人公、一緒に屋敷の前に、先生もまた、大店のお嬢さん、そして、時期に先生の誕生日たと主人公、一緒にプレゼントしましょうと、笑みの二人、かくて、二人の算段、生地のデザイン、二人のイニシャルを入れて、相談して、出来上がったプレゼント、決して、一人では、勝手に出さないと約束、一緒によと約束、いよいよ先生の誕生日、先に来てしまった主人公、彼女は、大きな舶来の人形をも手にして、今だ現れない少女、待つつもりが、我慢できずに、先生に差し出してしまう、駄目よと先生、受け取れないと、高価な品物、そこに少女が、驚き、主人公は、二人の約束を破って、先に高価な人形をプレゼントしている、裏切、二人の大切な品を、差し出しもせずに、帰ってしまう少女、追いかける主人公、先生の困惑、翌日から、口もきかない少女、悲しみの主人公、なんで話してくれないのかと主人公、だって約束を破って、人形など、時間に来ないから、私は時間通りだと少女、主人公が早合点、一時も早く、先生にプレゼントしたかった、人形、二人のイニシャルを入れて、二人で話してから、渡す予定だったのだが、すれ違って、怒りの収まらない少女、ならばよいと、主人公、こうして、蟠りは広がって、しかも、以来、主人公は学校に来ないのだ、玄関でも、上履き置き場でも、教室でも、主人公を見ることが無い、あの楽しい、広場の道、学校の行き返り、通りを行き来するバス、セーラー服、それが、秋の装いに、少女は、初めて聞かされる、主人公が芸子に成ったと、学校をやめて、相変わらず、元気な主人公、両親の笑み、仲間たちの語らい、少女は、悲しみ、どうしてよいか判らない、母は、父が仕事がひとまず区切りがついたと、今度の休みに、山寺に、散策をと、父と母と少女の散策、そこに、なんと、偶然に、主人公も芸子たちとやってきていた、顔を合わす二人、何も語れずに、走る走る、主人公の遁走、追いかける芸子たち、見送るばかりの少女、その後、主人公は病に、浅草の話から、老舗の菓子の話が、出て、主人公が好きと知って、少女は,兄に送ってもらった、その菓子を食べさせて、笑みの二人だった、兄は一人東京に残ったのだ、何所か、主人公も、少女の兄に惹かれて、憧れて、その兄が出征に、主人公はあの寺での再会以来、病に伏せて、それでも、少女の兄の出征を聞いて、黙っていられずに、一人街中で千人針、通りで、先生が見かけて、語りかける、ロケの素晴らしさ、映画は、大阪の観光映画だ、町の空気、匂い、豊かさ、大阪城、教会、学校、野原、路地、通り、屋敷の丁稚、芸子、人々、雑踏、素晴らしい、いよいよ出征、兄は最後の日、酒を父と酌み交わし、少女に、菓子の娘の話をする、何も言葉に出来ない妹、悲しみ、出征、少女は、先生に相談する、許してくれるかしらと、大丈夫と、先生は少女を連れて、主人公の屋敷に、氷枕の主人公、人形、あの先生に渡すはずだった人形がベッドの横に、ちゃんと、二人のイニシャルがリボンで折られて、悲しみの少女、理解する、涙の少女、先生の語らい、これまでの二人の全てを思い出し、天国は在ったわと主人公、先生もまた、人形を受け取ると、少女の兄もまた、千人針を手にして出征したと、憧れの兄、兄にとってもまた、夢見る少女の主人公、こんな豊かな、愚かしい夢世界の日本の現実、戦争の始まり、現実、この豊かさの、裏には、圧倒的な貧しさもあるのだが、お嬢さんたちの世界には、決して、貧しさばかりでは無かった、だが、この優しい思いやりでは戦争を止められず、戦争に乗ってしまった、少女たち、素晴らしいです、しかし、何所か、天国と言い、戦争と言い、少女の病と言い、死が取り巻いて、女学生が、芸子に、これもまた、少女の死ではないか、歌、音楽、この朗らかな世界を活かすのに、戦争しか見いだせなかった私たち、だからこそ、戦争の外を今日、天国を在らしめるには、それには、今の階級社会、貧しさを、知らなくては、天国があればいいなから、始めようではないか、
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