北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

イギリスの友達

2017-07-12 08:20:12 | イギリス

30年ほど前に2年半イギリスの北東の街に住んでいたことがある。

街に1軒の日本人。3歳の子供連れ。しかも、英語が話せない。

2万人程度の小さな街では、プチ有名人。みんなとても親切にしてくれた。

全くわからないのに、コーヒーモーニングやコーヒーアフタヌーン(ま、主婦たちの茶話会ね)に誘ってくれる。

針のむしろのような時間だけど、若かったし、無料の英会話教室と思えば安い。

せっせと出て、みんなが笑うと少し遅れて追蹤笑。わかってないけど、雰囲気だけはつくらなきゃ。


なんてことをやっていると、今度は、ディナーに誘ってくれる。

6時頃出かけて行って、帰るのは11時頃。

10時前に「じゃあ」というのが失礼みたいで、夫婦揃ってヘトヘトになって帰宅。


誘われると誘い返す。

これも無料の英会話教室だと思って、ほぼ毎週誰かに誘われ誰かを誘っていた。


なんてことをやっていると、ちょっとは話せるようにもなる。

だいたい親しい友達は私が口を開く前に、

「あ、コーヒーね」「あ、薬局ね」

などと、テレパシーでもあるかのように理解してくれる。


みんなが、珍しいところ珍しいイベントにせっせと誘ってくれて、もしかするとローカルの人より詳しいかもしれないほどに居心地よくなった頃帰国。


帰国してしばらくすると息子が白血病を発病した。

住んでいた地域にまだあまり友達もいない頃。

病院から帰ってきてイギリスの友達に電話をした。

留守番電話。

「息子が白血病にかかった」

と泣き声でひとこと言って切った。


その3日後、病院から家に帰ると玄関前に花かごが。

添えられていたメッセージは

「Guisboroughの友達から」

息子を失うかもと心細い中で、私は嬉しくて泣いた。


後で聞くと、留守番電話を聞いた友達が、周りの知人に声をかけて私の知り合いだと思われる人たちの家をまわって寄付を募って送ってくれた花かごだった。

何十人もの友達の思いの詰まった花かごだった。

私はまた泣いた。


そんな経験があったら、誰でもイギリスを好きになるでしょ。

で、長い休暇をイギリスでとることにしたのだ。


今いる湖水地方は、私の住んでいた街から車で3時間。

私がいると連絡すると、キャスとロッド夫妻が訪ねてきてくれた。


ゆっくり会うのは30年ぶり。

互いの家族の写真をみながら(ipadは便利)積もる話は尽きない。

お互いに歳はとっちゃったけど、話し始めると全く変わっていないことに気づく。

外見に惑わされない魂の部分で友達になっていると離れていた年月などすぐに取り戻せるのだろう。


翌日は、「まだ行ってないところへ連れて行ってあげる」ということでバスルートのないホニストン鉱山を回るバターミア湖コースをドライブ。


実はバターミアはキャスが子供の頃毎年夏を過ごした場所なのだそうだ。

大学で教えていたキャスの父はまとまった夏休みがとれて

「今年はどうする」と聞くと子供達は口を揃えて

「バターミア」

で、毎年バターミアの同じコテッジに3週間滞在した。

最初の頃は電気もなくてね。毎日、近くの牧場までミルクをもらいに行くの。

寒くなると暖炉で薪を焚いて。

湖で泳いだり、山に登ったり本当に楽しかった。

最初は、あの低い山に登るのが決まりなの。

 

そのコテッジは、60年経った今でもまだ、あった。

「外装とか綺麗にしてるけど、そのまんまだわ」

感慨深げなキャス。


その後、湖畔で大きな流木に座って

「7歳の時の気分にひたっているの」

「あれが、サワーミルクの滝。全く変わらない」

ああ、そんな子供時代を持っているなんて、なんて素敵なの。


その上、二人の新婚旅行もバターミア湖だったということで、泊まったホテルももちろん健在。

「あの部屋だったよね」

「記念日に来たのはあっちのバルコニーの部屋だったね」

と、彼らの人生をたどる半日を過ごした。


私のコテッジまで送るという彼らに、これ以上の長いドライブはさせられない。

これから3時間以上かけてまた帰るのだ。

アクセスのいいケズゥイックで強引に降ろしてもらいさようなら。


「本当にindependentなんだから」と褒め言葉とは言えない口調で言われた後

「次に会うのはまた30年後かしらね」とハグして別れたのだった。


ふたりとも30年後まで、長生きしてください。

私は、きっと生きているから。

 

 


湖水地方名物 Kendal Mint CakeとKeswick PencilとHonister slate

2017-07-11 16:13:00 | イギリス

30年ぶりに会えたイギリスの親友キャスが湖水地方の名物を教えてくれました。

名物は、たくさんあると思うけど、日本のガイドブックでは載っていない可能性の高い物をご紹介。

湖水地方って、ピーターラビットとワーズワースだけじゃないんだよ。


まずはKendal Mint Cake

かのシャクルトンが南極へ、ヒラリー卿がエベレストへ持って行ったという冒険家必携のお菓子。

一見チョコレートのような包みですが、中はこんな感じ

ミントと砂糖の塊。
舌に乗せるととろけます。 
 キャス曰く、「小さい頃山登りには必ず持って行って、山頂で食べたの」
という疲れ挽回力抜群の代物。

調べたらアマゾンで取り扱っているみたいだけど、今は品切れ中。

白糖と黒糖の二種類が伝統食。チョコレートコーティングの甘さ二乗のものもあります。

画像のRamny社が1869年から発売しているWiperさんの直系。

湖水地方ではどこでも普通に売っていますが、知らないと気づかない。

シャクルトンとヒラリー卿と同じお菓子を味わってみたくなりませんか?

ちなみに、甘い物苦手な私ですが、結構後を引く食感と味で、危険です。

何しろ砂糖とミントオイルですから。


 次はKeswickのDerwent Pencil
絵を描く人なら知っているかも。

Keswickは、鉛筆の街なのです。

これが鉛筆工場に併設された博物館。

 

入場料金を払うと鉛筆を一本くれます。

「これがチケットよ」

ということで、鉛筆を持って中へ。

HBの説明が書いてあって、興味深かったので共有。

商品のディスプレイ。見たことありませんか?

中では、ハガキに自分で絵を描くコーナーがあって、

描いた物を水ペンでこすると水彩画のようになってしまう水彩鉛筆が並んでいました。

私も一枚描きましたが、横で描いている店のデモンストレーションの人の絵をみてこっそりしまいました。


記念にとセール品を一つ購入。

36本の水彩鉛筆が3000円って安いのかしら?

レジ横の長安売りコーナーにはマンガ練習ノートが山積み。

Mangaがすでに国際語であることがわかります。


最後は、ホニスターのスレート。

湖水地方の北に行くとバターミア湖に向かう道にある惚れスター峠。


そこには、湖水地方独特の黒い石を掘り出すスレート鉱山があります。

このスレートは家や橋の材料になるばかりではなく

表札や家具などにも利用されています。

自由自在にカットする工場

私のコテッジにも石でできたコースターが。

パブでは料理がこのスレートで出てきたことも。

火山灰の混合の仕方で、柄が違うのをロッドが教えてくれました。

層になっているので、槌で割っていくと綺麗なスレートがはがれます。

それを切ったり磨いたり・・・

今では、ちょっとした観光地になっていました。

その後、バターミアまでドライブをすると両脇は、ずっとこんな山。

山全体があのスレートで出来ていることがよくわかります。

それでみんな、こんな黒い石造りの家になっちゃうのね。

アンブルサイドのナショナルトラスト(歴史的建造物)に指定されている橋の家。

川の上で涼しいのでりんごの貯蔵庫として建てられたとか、

地代がかからないので川の上に建てられたとか、諸説ありますが、狭いです。
 



お祭りの屋台

2017-07-10 18:07:08 | イギリス

コベントリーに寄ったらなにやらお祭りのようで出店がいっぱい。

小さな子ども用のメリーゴーラウンド。

おじさん、もっと楽しそうにしてよ。


中料理の出店。ヌードルの種類が選べます。


 

ピクルスの計り売り、味付けニンニクもありました。

バーバキュー、横で炭火で焼いています。


シードルの量り売り。立派なお酒です。

チュロス屋さん。笑顔最高なんだけど、ごめんなさい。甘いもの苦手で。

タバスコ専門店。売れるんだろうか???


あひるつり。釣れると周りの景品がもらえます。

焼きたてチキン。夫がひかれて買ってましたが、食べるとこがないとの感想。

ステージでは、料理のデモをやってました。

掛け合いでおもしろそうなんだけど、よく意味がわからない。

でも、その場の空気だけでウキウキするのは

古今東西まつりの持つパワーなんでしょうね。

 

 


パブリックフットパス

2017-07-08 22:07:15 | イギリス

イギリスの好きなところはたくさんありますが、

パブリックフットパスは最も好きなものの一つ。

散歩道。

公共のものもありますが、私有地を開放して散歩道を提供しているところが多く

イギリス人の散歩好きと太っ腹を感じる場所です。

こんな表示が出ているところは、入っていくと素敵な散歩道。



すれ違う人がみんなにこやかに挨拶してくれるのも魅力。

羊の放牧場だって、入れちゃいますが、逃げないようにこんなところを跨いだり

 

こんな扉を抜けていったり


こんなせせらぎの脇を歩いていったり


中には、「道以外、外れないでね」とか「私有地」とか
「犬はダメ」「糞は持ち帰り」とか書いてありますが、

ルールを守れば、みんなが快適に使える素敵な財産。

困っちゃうのは、パブリックフットパスと書いてあると、つい時間がなくてもふら〜っと歩きたくなっちゃうこと。

また、バスに遅れた。 


湖水地方の羊たち

2017-07-07 20:12:42 | イギリス

湖水地方も羊だらけ

雨の中でも悠々と草を食んでいます。

この地方の羊はハードウィックシープ(Herdwick sheep)という種類で

子羊は真っ黒なのに成長するとグレーの毛色。

実はこれ親子です。


 雨の多い湖水地方特有のこの羊の毛は、乾きやすいのだそうで

さすが生きる知恵ですね。


お母さん羊に、子羊が付いて歩いているところは、それだけで愛らしい。

コテッジの前にもたくさん放牧されているのですが、
親も子もセットになって歩いています。



うっかり、他の親についていったりしないのかしら??



コニストン湖側からみると、牛も一緒に放牧しているところがあって

水は湖で飲んでいるというゆったりとした牧場もあります。

サファリ状態。


牧場の中も車が通ったり人が散歩できたりするので、

羊が逃げない工夫がこれ。

間隔が広すぎて羊は通れないのです。


この時期、冬毛を刈るシーズン。モコモコの羊と丸裸の羊が一緒にいることがあります。


それを見た友達が

「羊とヤギと一緒にいるのかと思った」


ま、ビフォーアフターの同居ってとこでしょうか。


上の親子の羊が今日はこんな感じ。
刈り取られた後で、なんだか涼しげです。



ちなみにこの毛は固すぎてカーペット用なのだそうです。
乾きやすいカーペットって、ちょっと魅力。


ビールの国 イギリス

2017-07-05 21:42:13 | イギリス

ご存知の通りイギリスといえば、ビールの国。

湖水地方のアンブルサイドのバス停前には、ビール専門店が。

 

オーガニックのビールや、フルーツ味のビールなど、
見ているだけで綺麗。

 

 

イギリスに来たばかりの時に、友達のケイトに連れて行かれたのが

バッキンガムシャーのマーロウビール製造所

www.rebellionbeer.co.uk/

リベリオン(反逆)という名前のこの会社は、1993年に

グラマースクールの二人の学生によって作られた。

壊れかけたビール製造所を買い取って、会員制にして
いまや2000人を超えるメンバーに支えられる人気の場所だ。

ビールも数々の賞を獲るような美味しいものだが、
会員は、1割引で買えるばかりではなく、
そこで試飲し放題。庭がパブのようになっている。

これは、この時限定のエリザベス女王の誕生日記念ビール。
よく見るとレバーのところに女王の顔が見える。

何種類かある飲み放題のビールをグラスに注ぐと庭へ




花で飾られたこんな場所で、こんな感じ。


 

イギリスでは、1パイント(約570cc)までは、飲んで運転してもいい。

でも、どう見てもみんなもっと飲んでるなあ。

つまみはこれ、

カラリと揚げた塩味の・・・豚の耳。

友達のケイトは、「食べ出すとやめられないのよね」

病みつきの味らしい。

ちなみに私は、柿の種の方がずっと美味しいわ。

ケイトの夫コリンの会員番号は100番台。
「初期のメンバーなんだね」と聞くと

『ま〜ね。それに、これより小さい番号の人はほとんど死んでるしね」 

 どうやら退職後の楽しみの場所らしい・・・

イギリスビール、最高です。 


夏のイギリスで暮らしています

2017-07-04 12:14:03 | イギリス

お久しぶりです。皆様お元気ですか。

さて、思い立って夏のイギリスで暮らしています。

ということで、しばらくはイギリスからのレポートです。


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まずは、イギリスらしく

アフタヌーンティの画像から。