「達者でな」

大学３年になる姪っ子が会社にやってきた。

会社に暮らす猫ののっちゃんが目当てです。

のっちゃんはシーバの包み紙で１人遊び中だった。

「確かに顔が不細工だと思ったけどよく見ると可愛いじゃん！」

一緒にやって来た弟は受け身のままで姉の言う通りにしか行動しない。

それでも中３男子が猫を見に伯父さんの会社までやって来ただけでも良しとしよう。

身長１８０cmの私を追い越してしまった。

姪っ子を事務所内で座るよう命じた。

のっちゃんが速攻で姪っ子の膝の上に乗った。

喉を鳴らしながらふみふみまでするサービスぶりに

「やべ～めっちゃ可愛い。このまま連れて帰りたくなった」

そこへ遅れて来た妹が会話に加わり「どう？可愛いでしょ？」

「うん、このまま連れて帰っちゃおうか？」

「その前にペットの美容室でシャンプーしてもらおうよ」とあちこちに電話で問い合わせたが

どこも年内の予約はいっぱいでした。

「新しい環境に慣れるまではシャンプーなんて可哀想だよ」と私の意見。

名前はフレディーにするらしい。

猫トイレ等の準備が整ったら迎えに来ることにして妹親子は帰って行った。


三橋美智也　「達者でな」



午後からは集金や仕入れで出掛けていた。

出先に姪っ子から電話があり「準備完了したよ！」だってさ。

心の準備が出来ない時は動揺するものですにゃぁ(-_-;)

２階事務所の椅子の上で丸くなって寝ていたのっちゃんをペットキャリーに入れて

トラックで妹の家に向かう間はずーっと鳴いていた。

普段あまり鳴かないのっちゃんもさすがに不安になっていたのでしょうね。

妹の家に到着するなり家の中の探索を始めたのっちゃんの姿に明るい未来を感じた。

猫伝染性腹膜炎（FIV）についての説明と食欲がなくなったらすぐに連絡する様に伝えるも

「この家に迎え入れた以上はうちで責任もって育てるから心配ないよ」との事。

そうだよね、これまでのっちゃんを病院に連れて行くのはこの世で私１人だけだったが

これからは妹の家の家族になる。

そう考えるとちょっぴり切ない。

達者でな！のっちゃん。