


熟語の読み・一字訓読(実践問題その2)です。「熟語の読み・一字訓読」には、今までの問題集や参考書等への不満があります。訓読みに対応した音熟語が一覧・整理されたものがなく、個別に理解して覚えていくしかないのが現状だと思います。その解消の一助となればと思い、(現在、自己流での整理をし始めているのですが)、試行錯誤で公開しています。ご意見・情報などあればお待ちしています。
なお、回答は反転クリックすれば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。
当面、1級対象漢字から整理していきます・・・。
問題1 「乖」 ①乖舛(カイセン)ー乖(そむ)く ②乖忤(カイゴ)ー乖(もと)る ③乖隔(カイカク)ー乖(へだ)たる ④乖覚(カイカク)ー乖(こざか)しい
問題2 「弐」 ①弐心(ニシン・ジシン)ー弐(うたが)う ②儲弐(チョジ)ー弐(つ )ぐ ③大弐(ダイニ)ー弐(なら)ぶ
問題3 「亟」 ①亟行(キョクコウ) ー 亟(すみ)やか ②亟遊(キユウ)ー亟(しばしば)
問題4 「亢」 ①亢傲(コウゴウ) ー亢(たか)ぶる ②亢扞(コウカン)ー亢(あ )たる ③亢鼻(コウビ)ー亢(たか )い ④亢竜(有悔)(コウリョウ・コウリュウ) ー 亢(きわ)める 、亢(あ )がる
問題5 「仍」 ①仍世(ジョウセイ)ー仍(かさ)なる ②仍貫(ジョウカン)ー仍(よ )る
<解説(周辺知識)>
問題1 乖:カイ、そむ(く)、もと(る)、へだ(たる)、こざか(しい) *「そむく」「もとる」の音熟語はたくさんあります・・・乖舛(カイセン):そむきもとる。乖繆(カイビュウ):あやまりたがう。 乖歪(カイワイ):そむきゆがむ。乖悖(カイハイ):そむきもとる。=乖戻(カイレイ) 乖僻(カイヘキ):ねじけもとる 乖異(カイイ):たがう。乖背(カイハイ):もとりそむく、背馳する。乖叛(カイハン):そむく。乖差(カイサ):もとりたがう。乖忤(カイゴ):もとりさからう。乖散(カイサン):そむきて逃げ去る、離散する。乖濫(カイラン):そむきたがう。 ・・・「へだたる」の熟語は「牽攣乖隔(けんれんかいかく)」
の「乖隔」としました。 「こざか(しい)」の熟語がなかなか見つかりませんでしたが、大漢和に一つ、 「乖覚(かいかく)」:おませ なことの意というのがありましので、それを当てました。
問題2 弐:中学…ニ 準1…ジ、ふた、ふた(つ)、なら(ぶ)、つ(ぐ)、(うたが)う
*「二心(にしん)/弐心(にしん・じしん)」:(二つの心をもつ意から)① そむこうとする心。ふたごころ。「主君に―を抱く」 ②疑いの心。疑心。「儲弐(ちょじ)」:天子または貴人の世継ぎ。儲君。儲嗣(ちょし)。「大弐(だいに))」:大宰府の実質上の長官。弐が「周礼」の(注)に「副なり」とあるらしいので、ここでは「なら(ぶ)」の訓に対応するとしました。
問題3 亟:キョク、キ、すみ(やか)、しばしば *問題の熟語以外に、「すみやか」の意の熟語: 「亟務(きょくむ)」・「亟疾(きょくしつ)」、「しばしば」の意の熟語:「亟問(きもん)」・「亟肄(きい)」など・・・。
問題4 亢:コウ、のど、たか(い)、たかぶ(る)、あ(がる)、きわ(める)、あ(たる)
*「亢傲(コウゴウ)」:たかぶりおごる 「亢扞(コウカン)」:あたりふせぐ 「亢鼻(コウビ)」:故事・「豚の亢鼻」(荘子) 「亢竜有悔(コウリョウ・コウリュウ):高く上りつめた竜は下におりる他、行きどころ がなく後悔する、頂点を極めたもの は、必ず衰えるから驕り高ぶってはいけない意。「きわめる」「あがる」両方の意としました・・・。ホントは「きわめる」意と解していますが・・・。「亢」の熟語は他にも多数あり、割愛。
問題5 仍:ジョウ、ニョウ、よ(る)、かさ(なる)、しきり(に)、なお
*「仍世(じょうせい):代々。累代。 「仍孫(じょうそん):自分より七代後の子孫。 子・孫・曽孫・玄孫・来孫・昆孫(こんそん)の次。
*「仍貫(じょうかん)」:古い方法・習慣に従って今までどおりにする。(「論語」先進篇:「仍旧貫如之何旧貫に仍らばこれを如何」から) なお、「仍る(よる)」「仍に(しきりに)」に対応する音熟語は今のところ見当たりません。なお、「なお」に対応する音熟語もありませんが、中国語の「仍然(じょうぜん) 」で、「依然として」の意らしいので、これが「なお」に対応するかもしれません。また、「仍仍(じょうじょう)」:(そのまま。志を得ぬさま)という熟語もあるようですが、ちょっと訓読みとの関係は不詳。
では👋
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