日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4」の配信です。奮ってご参加くださ(^^)
●“真夏の特訓”と同じように、お一人でもコメントや反応いただけたら次へ進むことにしています👍その方に、ペースを合わせて進みます。なお、人それぞれですから、ゆっくりとご自分のペースで熟されても一向にかまいません・・・が、やる時にやっておかないと、どんどん量が溜まっていきますけど(^^)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その4> 制限時間 60分以内を厳守のこと
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.冗談を一咲する
2.斬截せられて孑遺無し
3.孚尹の玉がある
4.鍮石とは鉛と亜鉛の合金である
5.山あらしのことを巒嵐という
6.麼虫が大量に発生している
7.峭覈な性格で損をしている
8.届満で退任する
9.嵒齬の山道を行く
10.絛糸で工芸品をつくる
11.人品、嶷爾としている
12.国を治むる者は罪人を孥悪せず
13.口の短い猟犬のことを歇驕と云う
14.銀篦を挿頭す
15.屮稿を認める
16.蒲稗、 相、因依す
17.女は懿筐を執り、彼の微行に遵う
18.鷹隼の撃つを常に恐る
19.羽林、相、摩戛す
20.昨夜 閑潭に落花を夢む
21.天に跼り、地に蹐する
22.王の遺徳を称え、誄を奉る
23.陛に霜が降りている
24.日瘧とは、マラリアの間欠熱のことだ
25.蠹は樹皮下に穴をあけて生活する甲虫である
26.袵は、和服の前の左右にある半幅の布である
27.出棺のため轜が準備された
28.釐暮らしは孤独だ
29.身心ともに儡れた
30.素紕とは白糸の紕りのことだ
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ケにも晴れにも、漢字の学習を欠かさない
2.全身からやる気がチョウイツしている
3.ハリネズミは、針鼠とも書く
4.ルイレキとは頸部リンパ節の病気で頸腺結核ともいわれる
5.ヘンピな土地に来てしまった
6.ホウカンとは太皷持ちのことだ
7.神仏に参詣しておサイセンを上げる時期が近づいてきた
8.古代中国の古体篆字のカト文字はおたまじゃくしの形に似ている
9.一人旅はキシュウを感じるものだ
10.「キシュウの妾(しょう)」とは、人妻となることを謙遜する言葉でもある
11.あまりの怒りでウンショクを露わにした
12.その鉱物のウンショクはまるで虹のようだ
13.はるか遠くの奥深い、まさにヨウチョウたる地だ
14.楊貴妃はヨウチョウたる美人だったといわれる
15.ヨウチョウの鉄槌をくだす
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.トテも素敵な言葉だ
2.布が縮まらないようにするシンシ張り。
3.筑波オロシは冬の北西季節風だ
4.シキミの果実は猛毒だ
5.トモの浦は景勝地として知られる
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.わずらわしくやかましいこと
2.物事のはじまり(めばえとひこばえ)
3.女性の細い腰
4.神社の鳥居
5.入相(いりあい)のかね
<語群>
(ぎひょう、かひょう、こんしょう、ぼうげつ、そよう、はんか、はっしょう、ぼちん)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.区聞( ) 2.イ.翫歳( ) 3.ウ.引縄( ) 4.エ.伊尹( ) 5.オ.一丘( )
6.カ.( )十起 7.キ.( )動地 8.ク.( )飫聴 9.ケ.( )之愛 10.コ.( )布裙
<語群>
(かんとう、いんてん、かいじつ、けいさい、へいこん、いっき、えんぶん、いちがく、すうけん、ふてい)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.世の中を大変驚かせること
12.聞き飽きること
13.大望のために身を落とすたとえ
14.根こそぎ取り払うこと
15.学問や見識が狭く、偏っていること
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.顋門 2.葉椀 3.海豹 4.行器 5.生皮苧 6.神籬 7.栄蘭 8.吐綬鶏 9.黄楊 10.大口魚
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.簽書 ― 2.簽す
イ.3.炳焉 ― 4.炳しい
ウ.5.儡儡 ― 6.儡れる
エ.7.扞弓 ― 8.扞く
オ.9.粲麗 ―10.粲やか
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.騁才 2.孺人 3.暁来 4.髫齔 5.駑鈍
<類義語>
6.酷似 7.齟齬 8.華甲 9.麒麟児 10.霖雨
<語群>
(ていご、そんたいじん、ぼうてつ、ほうすう、ひょくしょう、とうかい、さいり、しょうまい、いんう、かんれき)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.キュウを反して薪を負う
2.臥木はトを成し易し
3.陰陽をショウリす
4.ケツを助けて虐をなす
5.癩者(かったい)のカサうらみ
6.怒気ある者もヒョウガは咎めず
7.智者はミボウに見る
8.ソンヨの言
9.終りを慎むこと始めの如くなれば即ちハイジなし
10.衣は新に若くはなく、人はコに若くはなし
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・菅野に移り住んでわたくしは早くも二度目の春に逢おうとしている。わたくしは今心待ちに梅の(1)ツボミの(ア)綻びるのを待っているのだ。
・・・(2)ヤマゴボウの葉と茎とその実との霜に染められた(3)エンジの色のうつくしさは、去年の秋わたくしの初めて見たものであった。野生の萩や撫子の花も、心して歩けば松の茂った木蔭の笹藪の中にも折々見ることができる。茅葺きの屋根はまだ随処に残っていて、住む人は井戸の水を汲んで米を(イ)磨ぎ物を洗っている。半農半商ともいうべきそういう人々の庭には梅、桃、梨、柿、枇杷の如き果樹が立っている。
・・・市川の町を歩いている時、わたくしは折々四、五十年前、電車も自動車も走っていなかったころの東京の町を思い出すことがある。
杉、(ウ)柾木、槙などを植えつらねた生垣つづきの小道を、夏の朝早く鰯を売りあるく男の(4)トンキョウな声。さてはまた長雨の晴れた昼すぎにきく竿竹売りや、蝙蝠傘がつくろい直しの声。それらはいずれもわたくしが学生のころ東京の山の手の町で聞き馴れ、そしていつか年と共に忘れ果てた懐しい巷の声である。
夏から秋へかけての日盛りに、千葉県道に面した商い(エ)舗では砂ほこりを防ぐために、長い(オ)柄杓で (カ)溝の水を汲んで(5)マいていることがあるが、これもまたわたくしには、溝の多かった下谷浅草の町や横町を、風の吹く日、人力車に乗って通り過ぎたころのむかしを思い出させずには置かない。
東京下町の溝の中には川のながれと同じように、長く都人に記憶されていた名高いものも少くはなかった。菊屋橋のかけられた新堀の流れ。三枚橋のかけられていた御徒町の忍川の如き(キ)溝渠である。
そのころ人の家をたずね歩むに当って、番地よりも橋の名をたよりにして行く方が、その処を知るにはかえって迷うおそれがなかった。しかしこれら市中の溝渠は大かた大正十二年(6)キガイの震災前後、(7)ガイクの改造されるにつれて、あるいは埋められ、あるいは暗渠となって地中に隠され、旧観を存するものは殆どないようになった。
・・・今年の春、田家にさく梅花を探りに歩いていた時である。わたくしは古木と古碑との様子の何やらいわれがあるらしく、尋常の一里塚ではないような気がしたので、立寄って見ると、正面に「葛羅之井。」側面に「文化九年壬申三月建、本郷村中世話人惣四郎」と(8)ロクされていた。そしてその文字は楷書であるが何となく大田南畝の筆らしく思われたので、傍の溜り水にハンケチを濡し、石の面に選挙侯補者の広告や何かの幾枚となく貼ってあるのを洗い落して見ると、案の定、蜀山人の筆で葛羅の井戸のいわれがしるされていた。
これは後に知ったことであるが、仮名垣魯文の門人であった野崎左文の地理書に委しく記載されているとおり、下総の国栗原郡勝鹿というところに瓊杵神(ににぎのかみ)という神が祀られ、その土地から甘酒のような泉が湧き、いかなる(9)カンテンにも(ク)涸れたことがないというのである。
石を囲(めぐ)らした一坪ほどの水溜りは碑文に言う(ケ)醴泉の湧き出た井の名残であろう。しかし今見れば散りつもる落葉の朽ち腐された汚水の溜りに過ぎない。
碑の立てられた文化九年には南畝は既に六十四歳になっていた。江戸から遠くここに来きたって親しく井の水を掬んだか否か。文献の徴すべきものがあれば好事家の幸である。
わたくしは戦後人心の赴くところを観るにつけ、たまたま田舎の路傍に残された断碑を見て、その行末を思い、ここにこれを(コ)識した。時にこれ昭和廿二年歳次丁亥(10)ロウゲツの某日である。・・・」「葛飾土産」(永井荷風)
👍👍👍 🐑 👍👍👍
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4 標準解答>
(一)
1.いっしょう 2.げつい(「けつい」でも可と思われる) 3.ふいん(=玉が光るさま。他に「まことに正しい」という意味もある。) 4.とうせき(漢検2読み) 5.らんらん 6.まちゅう 7.しょうかく 8.かいまん(=任期満了) 9.がんご 10.とうし(=くみいと・くみひものこと) 11.ぎょくじ 12.どお 13.かっきょう(漢検2読み) 14.ぎんぺい 15.そうこう(=草稿) 16.ほはい(ガマやヒエがもたれ合っている) 17.いきょう(=深いかご、*微行=細い道) 18.ようじゅん 19.まかつ(*擦れ合う 羽林:天子の護衛にあたる兵士。兵器がすれあう) 20.かんたん
21.ぬきあし(さしあし) 22.しのびごと 23.きざはし 24.ひおこり 25.きくいむし 26.おくみ 27.ひつぎぐるま 28.やもめ 29.つか 30.かざ
(二)
1.褻 2.漲溢 3.彙・蝟 4.瘰癧5.辺鄙 6.幇間 7.賽銭 8.蝌蚪 9.羇愁 10.箕帚 11.慍色 12.暈色 13.杳窕(漢検2熟語) 14.窈窕 15.膺懲
(三)
1.迚 2.籡 3.颪 4.梻 5.鞆
(四)
1.煩苛 2.萌蘖 3.楚腰 4.華表・花表 5.昏鐘
(五)
問1
1.陬見 2.愒日 3.批根 4.負鼎 5.一壑 6.一饋 7.殷天 8.厭聞 9.甘棠 10.荊釵
問2
11.キ 12.ク 13.エ 14.ウ 15.ア
(六)
1.ひよめき 2.くぼて 3.あざらし 4.ほかい 5.きびそ 6.ひもろぎ 7.たこのき 8.しちめんちょう 9.つげ 10.たら
(七)
1.せんしょ 2.しる 3.へいえん 4.いちじる 5.らいらい 6.つか 7.かんきゅう 8.ひ 9.さんれい 10.あざ
(八)
1.韜晦 2.尊大人 3.宵昧 4.耄耋 5.犀利 6.逼肖 7.牴牾 8.還暦 9.鳳雛 10.淫雨
(九)
1.裘 2.蠧 3.燮理 4.桀 5.瘡 6.飄瓦 7.未萌 8.巽与 9.敗事 10.故
(十)
(1)蕾・莟 (2)山牛蒡 (3)臙脂 (4)頓狂 (5)撒 (6)癸亥 (7)街衢 (8)勒 (9)旱天 (10)臘月
(ア)ほころ (イ)と (ウ)まさき (エ)みせ (オ)ひしゃく (カ)どぶ (キ)こうきょ (ク)か (ケ)れいせん (コ)しる
👍👍👍 🐑 👍👍👍
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4」の配信です。奮ってご参加くださ(^^)
●“真夏の特訓”と同じように、お一人でもコメントや反応いただけたら次へ進むことにしています👍その方に、ペースを合わせて進みます。なお、人それぞれですから、ゆっくりとご自分のペースで熟されても一向にかまいません・・・が、やる時にやっておかないと、どんどん量が溜まっていきますけど(^^)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その4> 制限時間 60分以内を厳守のこと
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.冗談を一咲する
2.斬截せられて孑遺無し
3.孚尹の玉がある
4.鍮石とは鉛と亜鉛の合金である
5.山あらしのことを巒嵐という
6.麼虫が大量に発生している
7.峭覈な性格で損をしている
8.届満で退任する
9.嵒齬の山道を行く
10.絛糸で工芸品をつくる
11.人品、嶷爾としている
12.国を治むる者は罪人を孥悪せず
13.口の短い猟犬のことを歇驕と云う
14.銀篦を挿頭す
15.屮稿を認める
16.蒲稗、 相、因依す
17.女は懿筐を執り、彼の微行に遵う
18.鷹隼の撃つを常に恐る
19.羽林、相、摩戛す
20.昨夜 閑潭に落花を夢む
21.天に跼り、地に蹐する
22.王の遺徳を称え、誄を奉る
23.陛に霜が降りている
24.日瘧とは、マラリアの間欠熱のことだ
25.蠹は樹皮下に穴をあけて生活する甲虫である
26.袵は、和服の前の左右にある半幅の布である
27.出棺のため轜が準備された
28.釐暮らしは孤独だ
29.身心ともに儡れた
30.素紕とは白糸の紕りのことだ
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ケにも晴れにも、漢字の学習を欠かさない
2.全身からやる気がチョウイツしている
3.ハリネズミは、針鼠とも書く
4.ルイレキとは頸部リンパ節の病気で頸腺結核ともいわれる
5.ヘンピな土地に来てしまった
6.ホウカンとは太皷持ちのことだ
7.神仏に参詣しておサイセンを上げる時期が近づいてきた
8.古代中国の古体篆字のカト文字はおたまじゃくしの形に似ている
9.一人旅はキシュウを感じるものだ
10.「キシュウの妾(しょう)」とは、人妻となることを謙遜する言葉でもある
11.あまりの怒りでウンショクを露わにした
12.その鉱物のウンショクはまるで虹のようだ
13.はるか遠くの奥深い、まさにヨウチョウたる地だ
14.楊貴妃はヨウチョウたる美人だったといわれる
15.ヨウチョウの鉄槌をくだす
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.トテも素敵な言葉だ
2.布が縮まらないようにするシンシ張り。
3.筑波オロシは冬の北西季節風だ
4.シキミの果実は猛毒だ
5.トモの浦は景勝地として知られる
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.わずらわしくやかましいこと
2.物事のはじまり(めばえとひこばえ)
3.女性の細い腰
4.神社の鳥居
5.入相(いりあい)のかね
<語群>
(ぎひょう、かひょう、こんしょう、ぼうげつ、そよう、はんか、はっしょう、ぼちん)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.区聞( ) 2.イ.翫歳( ) 3.ウ.引縄( ) 4.エ.伊尹( ) 5.オ.一丘( )
6.カ.( )十起 7.キ.( )動地 8.ク.( )飫聴 9.ケ.( )之愛 10.コ.( )布裙
<語群>
(かんとう、いんてん、かいじつ、けいさい、へいこん、いっき、えんぶん、いちがく、すうけん、ふてい)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.世の中を大変驚かせること
12.聞き飽きること
13.大望のために身を落とすたとえ
14.根こそぎ取り払うこと
15.学問や見識が狭く、偏っていること
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.顋門 2.葉椀 3.海豹 4.行器 5.生皮苧 6.神籬 7.栄蘭 8.吐綬鶏 9.黄楊 10.大口魚
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.簽書 ― 2.簽す
イ.3.炳焉 ― 4.炳しい
ウ.5.儡儡 ― 6.儡れる
エ.7.扞弓 ― 8.扞く
オ.9.粲麗 ―10.粲やか
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.騁才 2.孺人 3.暁来 4.髫齔 5.駑鈍
<類義語>
6.酷似 7.齟齬 8.華甲 9.麒麟児 10.霖雨
<語群>
(ていご、そんたいじん、ぼうてつ、ほうすう、ひょくしょう、とうかい、さいり、しょうまい、いんう、かんれき)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.キュウを反して薪を負う
2.臥木はトを成し易し
3.陰陽をショウリす
4.ケツを助けて虐をなす
5.癩者(かったい)のカサうらみ
6.怒気ある者もヒョウガは咎めず
7.智者はミボウに見る
8.ソンヨの言
9.終りを慎むこと始めの如くなれば即ちハイジなし
10.衣は新に若くはなく、人はコに若くはなし
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・菅野に移り住んでわたくしは早くも二度目の春に逢おうとしている。わたくしは今心待ちに梅の(1)ツボミの(ア)綻びるのを待っているのだ。
・・・(2)ヤマゴボウの葉と茎とその実との霜に染められた(3)エンジの色のうつくしさは、去年の秋わたくしの初めて見たものであった。野生の萩や撫子の花も、心して歩けば松の茂った木蔭の笹藪の中にも折々見ることができる。茅葺きの屋根はまだ随処に残っていて、住む人は井戸の水を汲んで米を(イ)磨ぎ物を洗っている。半農半商ともいうべきそういう人々の庭には梅、桃、梨、柿、枇杷の如き果樹が立っている。
・・・市川の町を歩いている時、わたくしは折々四、五十年前、電車も自動車も走っていなかったころの東京の町を思い出すことがある。
杉、(ウ)柾木、槙などを植えつらねた生垣つづきの小道を、夏の朝早く鰯を売りあるく男の(4)トンキョウな声。さてはまた長雨の晴れた昼すぎにきく竿竹売りや、蝙蝠傘がつくろい直しの声。それらはいずれもわたくしが学生のころ東京の山の手の町で聞き馴れ、そしていつか年と共に忘れ果てた懐しい巷の声である。
夏から秋へかけての日盛りに、千葉県道に面した商い(エ)舗では砂ほこりを防ぐために、長い(オ)柄杓で (カ)溝の水を汲んで(5)マいていることがあるが、これもまたわたくしには、溝の多かった下谷浅草の町や横町を、風の吹く日、人力車に乗って通り過ぎたころのむかしを思い出させずには置かない。
東京下町の溝の中には川のながれと同じように、長く都人に記憶されていた名高いものも少くはなかった。菊屋橋のかけられた新堀の流れ。三枚橋のかけられていた御徒町の忍川の如き(キ)溝渠である。
そのころ人の家をたずね歩むに当って、番地よりも橋の名をたよりにして行く方が、その処を知るにはかえって迷うおそれがなかった。しかしこれら市中の溝渠は大かた大正十二年(6)キガイの震災前後、(7)ガイクの改造されるにつれて、あるいは埋められ、あるいは暗渠となって地中に隠され、旧観を存するものは殆どないようになった。
・・・今年の春、田家にさく梅花を探りに歩いていた時である。わたくしは古木と古碑との様子の何やらいわれがあるらしく、尋常の一里塚ではないような気がしたので、立寄って見ると、正面に「葛羅之井。」側面に「文化九年壬申三月建、本郷村中世話人惣四郎」と(8)ロクされていた。そしてその文字は楷書であるが何となく大田南畝の筆らしく思われたので、傍の溜り水にハンケチを濡し、石の面に選挙侯補者の広告や何かの幾枚となく貼ってあるのを洗い落して見ると、案の定、蜀山人の筆で葛羅の井戸のいわれがしるされていた。
これは後に知ったことであるが、仮名垣魯文の門人であった野崎左文の地理書に委しく記載されているとおり、下総の国栗原郡勝鹿というところに瓊杵神(ににぎのかみ)という神が祀られ、その土地から甘酒のような泉が湧き、いかなる(9)カンテンにも(ク)涸れたことがないというのである。
石を囲(めぐ)らした一坪ほどの水溜りは碑文に言う(ケ)醴泉の湧き出た井の名残であろう。しかし今見れば散りつもる落葉の朽ち腐された汚水の溜りに過ぎない。
碑の立てられた文化九年には南畝は既に六十四歳になっていた。江戸から遠くここに来きたって親しく井の水を掬んだか否か。文献の徴すべきものがあれば好事家の幸である。
わたくしは戦後人心の赴くところを観るにつけ、たまたま田舎の路傍に残された断碑を見て、その行末を思い、ここにこれを(コ)識した。時にこれ昭和廿二年歳次丁亥(10)ロウゲツの某日である。・・・」「葛飾土産」(永井荷風)
👍👍👍 🐑 👍👍👍
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4 標準解答>
(一)
1.いっしょう 2.げつい(「けつい」でも可と思われる) 3.ふいん(=玉が光るさま。他に「まことに正しい」という意味もある。) 4.とうせき(漢検2読み) 5.らんらん 6.まちゅう 7.しょうかく 8.かいまん(=任期満了) 9.がんご 10.とうし(=くみいと・くみひものこと) 11.ぎょくじ 12.どお 13.かっきょう(漢検2読み) 14.ぎんぺい 15.そうこう(=草稿) 16.ほはい(ガマやヒエがもたれ合っている) 17.いきょう(=深いかご、*微行=細い道) 18.ようじゅん 19.まかつ(*擦れ合う 羽林:天子の護衛にあたる兵士。兵器がすれあう) 20.かんたん
21.ぬきあし(さしあし) 22.しのびごと 23.きざはし 24.ひおこり 25.きくいむし 26.おくみ 27.ひつぎぐるま 28.やもめ 29.つか 30.かざ
(二)
1.褻 2.漲溢 3.彙・蝟 4.瘰癧5.辺鄙 6.幇間 7.賽銭 8.蝌蚪 9.羇愁 10.箕帚 11.慍色 12.暈色 13.杳窕(漢検2熟語) 14.窈窕 15.膺懲
(三)
1.迚 2.籡 3.颪 4.梻 5.鞆
(四)
1.煩苛 2.萌蘖 3.楚腰 4.華表・花表 5.昏鐘
(五)
問1
1.陬見 2.愒日 3.批根 4.負鼎 5.一壑 6.一饋 7.殷天 8.厭聞 9.甘棠 10.荊釵
問2
11.キ 12.ク 13.エ 14.ウ 15.ア
(六)
1.ひよめき 2.くぼて 3.あざらし 4.ほかい 5.きびそ 6.ひもろぎ 7.たこのき 8.しちめんちょう 9.つげ 10.たら
(七)
1.せんしょ 2.しる 3.へいえん 4.いちじる 5.らいらい 6.つか 7.かんきゅう 8.ひ 9.さんれい 10.あざ
(八)
1.韜晦 2.尊大人 3.宵昧 4.耄耋 5.犀利 6.逼肖 7.牴牾 8.還暦 9.鳳雛 10.淫雨
(九)
1.裘 2.蠧 3.燮理 4.桀 5.瘡 6.飄瓦 7.未萌 8.巽与 9.敗事 10.故
(十)
(1)蕾・莟 (2)山牛蒡 (3)臙脂 (4)頓狂 (5)撒 (6)癸亥 (7)街衢 (8)勒 (9)旱天 (10)臘月
(ア)ほころ (イ)と (ウ)まさき (エ)みせ (オ)ひしゃく (カ)どぶ (キ)こうきょ (ク)か (ケ)れいせん (コ)しる
👍👍👍 🐑 👍👍👍
と言いつつ、180点も取れたのでとても気分がいいです^^
適当に書いて正解したものが多かったかもしれませんが(苦笑)
二点ほど…
(四)3の読みが語群に無いようです。
(二)11の「」は、漢検辞典に無いですが、許容されるのでしょうか?
少なくとも標準解答は「慍」の方がよいのでは?
高得点維持されていますねえ。
2点の指摘、そのとおりでっす。訂正しておきました。まだまだ注意力不足で申し訳ない・・・。