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●熟語の読み・一字訓読(その73)です。
<夬:カイ、ケツ、わ(ける)、き(める)、ゆがけ>
・わ(ける):音熟語なし。刀器などを使って切ったるえぐったるする行為のとき、「夬(わ)ける」と読むらしい。・
・き(める):夬夬(カイカイ)=思い切りの良いさま、果決のさま、決断して疑いを持たないさま、夬履(カイリ)=正しい道を決めてふみおこなうこと(大漢和)、正道をふむ(字通)
・ゆがけ:音熟語なし。
・その他:夬月(カイゲツ)=陰暦3月の異称。
<夭:ヨウ、わか(い)、わかわか(しい)、うつく(しい)、わざわ(い)、わかじに>
・わか(い)、わかわか(しい):夭夭=わかく美しいさま、しなやかなさま、夭柔=若く美しく温柔、夭冶(ヨウヤ)=なまめかしい
・うつく(しい):夭麗、夭夭、夭柔・・・
・わざわ(い):夭妖=わざわい、まが、夭魔=魔物、へんげ、妖魔
・わかじに:夭疫=わかじにと疫病、夭寿=わかじにと長寿、夭殤(ヨウショウ)=わかじに=夭折=夭昏・・・
・その他:(ふさぐ、とめる等の意あり)夭閼=夭遏=おしとどめる、夭矯=自在に屈伸するさま(字通)、飛び上がるさま・ほしいまま・屈曲のさま(大漢和)
<夸:コ、カ、ほこ(る)、おご(る)>
・ほこ(る):夸者=権勢をほこる者、夸耀=誇耀=ほこりかがやかす、夸矜(コキョウ)=誇張してほこる、夸衒=ほこりてらう、夸大=誇大、夸張=誇張、夸誕=おおげさででたらめ、夸詐=ほらをふく、夸人=ほらふき、夸言=誇大な話、おおげさな話、大言、誇言
・おご(る):夸恣(コシ)=おごってきまま、夸汰(コタ)=おごる、夸慢(コマン)=いばる
<夾:キョウ、さしはさ(む)、はさ(む)、ま(じる)>
・さしはさ(む):夾溝=みぞをさしはさむ、夾日=太陽をさしはさむ、夾水=川をさしはさむ、夾乗=さしはさんで乗る、夾杖=さしはさんでいる杖、・・・・その他、夾道、夾宅、夾持・・・など多数あり。
・はさ(む):夾開=はさみきる、夾緊=きつくはさむ、夾撃=はさみうつ=夾攻、夾棍・夾棒=刑具の名(罪人の両足をはさむのに用いる)、夾訊=夾棍や夾棒を用いて拷問すること
・ま(じる):夾雑=まじる、混合する
<奕:エキ、ヤク、いご、ばくち、うつく(しい)、うれ(える)、かさ(なる)、おお(きい)>
・いご :奕棊(エキキ)、奕棋(エキキ)
・ばくち:博奕(バクエキ)
・うつく(しい):婉奕、奕致=美貌 (*奕致:広東地方の方言?)、奕奕・・・
・うれ(える):奕奕
・かさ(なる):奕葉、奕世、奕代・・・
・おお(きい):奕奕
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●熟語の読み・一字訓読(その74)です。
<奐:カン、あき(らか)、おお(きい)>
・あき(らか):奐奐=光り輝く、光明なさま、奐然=奐焉=奐乎=かがやかしく美しい、
・おお(きい):輪奐=建築物の高大で壮麗なこと、「輪奐の美」、「輪奐一新」:建物が新しくなって、大きく立派な建物になること。(礼記)
・その他:奐衍=散り敷くさま、多いさま、奐爛=多いさま、多くてさかんなさま
<奎:ケイ、キ、とかきぼし、また> *「また」とは「またぐら」のこと。
・とかきぼし:奎宿、奎星、奎婁(ケイロウ)=奎星と婁星
・また :奎蹄(ケイテイ)=股間(胯間)と蹄(ひづめ)、「両髀の間を奎(また)という」(説文)
・その他:奎運=文運、奎光=文運の名誉、奎翰=かきもの=瓊翰、奎章・奎書=天子の御筆、奎画=宸翰
<奚:ケイ、しもべ、なん(ぞ)、なに>
・しもべ:奚奴=しもべ、召使い。奚隷、奚僮=奚童、奚婢=下女・下婢
・なん(ぞ)、なに:「奚(なん)ぞ疑わんや」=奚疑(ケイギ)、奚距(ケイキョ)=なんぞ、なんすれぞ。奚若(イカン)=いかん、いかんぞ、なんすれぞ。奚如(ケイジョ)=いかん、何如。奚翅(ケイシ)=なんぞただに・・・*「翅」と「啻(シ、ただ(に))」が音通。「翅」は「啻」の仮借。
<奘:ソウ、ゾウ、ジョウ、さか(ん)>*「ジョウ」は慣用音。他に「ショウ」の音あり。
・さか(ん):奘細(ショウサイ)=巨細=太い(大きい)と細い、奘腰(ショウヨウ)=大腰、大きい腰、ふとごし *大きい意あり。
・その他:僧・玄奘(ゲンジョウ)
<奸:カン、おか(す)、よこしま>
・おか(す):奸犯=おかす、奸命=命にたがう、
・よこしま :奸侫・奸邪・奸譎・・・奸吏=悪役人、奸説=よこしまな説、奸細=小悪人、奸渠=大悪人、奸雄=姦雄 *「君の明は奸雄に闇(くら)まされ、君の恵は群孽(グンゲツ)にふさがる」 (群孽=多くの悪者)
<妁:シャク、なこうど> *「妁は酌なり」(説文)
・なこうど:媒妁=媒酌
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