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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その299)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<靫:サ、サイ、うつぼ、ゆぎ> *サ(漢音)サイ(漢音)
・うつぼ、ゆぎ:箭靫(センサイ)、<靫負(ゆげい)>、靫戟(サゲキ)=矢袋とほこ(字通)、鞴靫(ホサイ)=矢入れ。倒靫、千靫(*)
*「千靫」:「千箭(ちのり)の靫(ゆき)」(神代紀・上)のように云う。古くは“ゆき”
という。(字通) *広辞苑:「千箆入(ちのり)の靫(ゆき)」=多数の矢をさしたゆき。神代紀(上)「千箭之靫(ちのりのゆき)」
*「サ」音「サイ」音の使い分け不明・不詳。
*「うつぼ」はかご状の矢入れ、「ゆぎ」は箱型の矢入れ。
<靼:タツ、タン、なめしがわ> *タツ(漢音)タン(慣用音) 参考:タチ(呉音)
・なめしがわ:(=柔革)(4辞典とも該当する音熟語見当たらず)
・その他:韃靼、<鐙靼(みずお)>
<靺:マツ、バツ、かわたび> *マツ(慣用音)バツ(漢音) 参考:マチ(呉音)
・かわたび:絳靺(コウマツ)・・・「隋書・礼儀」にある熟語。皇太子の着用する赤いかわたびのことらしい。
・その他:靺鞨(マッカツ・バッカツ)
<鞋:アイ、カイ、くつ> *アイ(慣用音)カイ(漢音) 参考:ゲ(呉音)
・くつ:(下記以外)鞋痕(アイコン)=くつのあと、足跡。鞋下(アイカ)=あしもと、鞋袋(アイタイ)=くつを入れる袋 鞋韈(アイベツ)=くつとくつたび
(既掲載記事―一部修正再録―)
漢検2・掲載熟語は、 「青鞋」「草鞋(ソウアイ・ソウカイ・わらじ)」「芒鞋(ボウアイ・ボウカイ)」「鞋底」(=くつのそこ、くつのあと、あしもと)「<鞋底魚(したびらめ)>」
*<>は当て字の意味。(ちなみに、音読みでは「鞋底魚(アイテイギョ)=ひらめの異名(大漢和)」
・大したことではないが、「芒鞋」・・・すすきで作った鞋(くつ)かい???・・・説明なし ・「すすき」は和語(邦語)だから、そんなことないな・・・と思って、しらべた。
・「芒」は、「茅に似た草」のことらしい。だから、「芒鞋」=「わらぐつ→身分の低い者のくつ(大字源)」ということらしい。
(ついでに・・・「芒履(ボウリ)」も同様の意味で、「わらぐつ」のこと。)
<鞜:トウ、くつ、かわぐつ>
・くつ、かわぐつ:革鞜
<鞨:カツ、くつ、かわぐつ> *漢検2「くつ」訓ナシ(意味にはあり)
・くつ、かわぐつ:音熟語見当たらず。
・その他:靺鞨、鞨鼓=羯鼓=羯族の楽器
<鞳:トウ>
(漢検2:意味①=兵器 意味②=つづみなどの音を表す。「鞳鞳」に用いられる字。
*鞳鞳(トウトウ)=鞺鞳(トウトウ)=つづみ、かねの音 *「鞺」は対象外か・・・
*4辞典ともに他に熟語見当たらず。(字通は本字そのものの掲載ナシ)
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