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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第2回)を作成してみました。第1回模擬試験内容の反省を踏まえ、過去問をある程度ふやして少しは易化させたつもりですが、どんなもんでしょうか・・・チャレンジしてみていただけたら幸いです。もちろん、リピーターの方もチェックよろしくお願いします。
●チャレンジャーの方でまだ第1回をトライしていない方は、この第2回を先にトライしてみてくださいね。とにかく、数多くの問題をこなすことが合格への捷径だと思います。猛暑にめげず、ご精進ください👋👋👋
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第2回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.蒐獮の典、廃して講せず
2.旌旗、隰を蔽う。
3.双甄の指す所、陵壑を避けず
4.酒鐺で燗をする
5.遏雲の曲、遶梁の音
6.一抔の墓田をも有せず
7.唇角の微顫あるを覚えし
8.その居室逼仄なる・・・
9.なんら丕烈を樹てず
10.国力を殫竭す
11.帰還する楚軍を戡殄す
12.風潭を求め偃仰す
13.彝よ、よき音で吹け
14.楽毅の名、顕赫す
15.孟嘗君、麾鉞を執る
16.国秉を持す
17.王翦、佯敗す
18.憂懾を深める
19.客愁に沈み、寥落して故郷に帰る
20.士民を拊循す
21.恋の擒になる
22.馬車に蓋を張って出かける
23.彼女は若いころ、お侠な娘と言われていた
24.我が父祖、名は海内に播く
25.百花の魁
26.髪のたぼを丸形にしたものを丸髱という
27.燗鍋で酒を温める
28.倩、考えてみる
29.三種の神器、八尺瓊勾玉・・・
30.亟、遊んだ所だ
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.熱中症で激しくトシャした。
2.陶磁器の底にカマ印をつける
3.キママな一人旅を続ける
4.政界のカクセイをはかる
5.触らぬ神にタタりなし
6.シノギを削る
7.牛がイナナき、馬が吼える
8.負けん気が頭をモタげてきた
9.寝苦しくて悪夢にウナされる
10.試合は最後までモツれた
11.理屈をコねる
12.一面に白く降り積もったフスマ雪・・・
13.「ばぶばぶ・・・」とは嬰児の発するナンゴだ
14.驚きのカンセイが上がる
15.カンセイをあげて突っ込む
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.名古屋城の天守閣にはシャチホコ瓦がある
2.オオボラは鯔の成長したものである
3.鳥のトキはドジョウなどを捕食する
4.鳥のトキはドジョウなどを捕食する
5.トテも我慢できない暑さだ
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.父母がいつくしみ育てている子供。愛児。
2.意味をおしひろめて詳しく説くこと、また、その説いたもの。
3.無駄な言葉。余計な言葉。
4.のけものにすること。
5.よく注意して見る。
<語群>
(ぜいげん、ほんそご、かつもく、げいご、ひんせき、じょきょ、ねいけいじ、えんぎ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
ア.( 1 )浮薄 イ.( 2 )臆測 ウ.( 3 )偸光 エ.( 4 )扁鵲 オ.( 5 )虎視
カ.石室( 6 ) キ.造次( 7 ) ク.曲突( 8 ) ケ.右顧( 9 ) コ.繁文( 10 )
<語群>
(ししん、ぎば、じょくれい、きんき、けいちょう、さくへき、りょうじょう、てんぱい、さべん、しま)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.重要な図書類を納めるところ。
12.災難を未然に防ぐ
13.権勢を示し意気盛んなこと
14.苦学すること
15.世にもまれな名医
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.媒鳥 2.野芝麻 3.葉椀 4.懸鉤子 5.羅漢柏 6.瘧草 7.破落戸 8.軍鶏 9.沢瀉 10.角鴟
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1 衛戍 ― 2 戍る
イ.3 薨去 ― 4 薨る
ウ.5 糜爛 ― 6 糜れる
エ.7 浚渫 ― 8 浚う
オ.9 目睹 ― 10 睹る
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.韜晦 2.晴着 3.奇禍 4.喧噪 5.犀利
<類義語>
6.酒肴 7.捕虜 8.逡巡 9.忿怒 10.黎明
<語群>
(はいせん、どどん、ちゅうちょ、ぎょうこう、こうこん、せつい、せいひつ、ていさい、しんい、せいふ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.スイキョウして天下治まる
2.豆を煮るにマメガラを燃(や)く
3.鶴、キュウコウに鳴く
4.カイドウ睡り未だ足らず
5.墨するは病児の如く、筆をとるはソウフの如くす
6.ジンを迎えて解く
7.ケサと衣は心に着よ
8.コウシツの交わり
9.ウダツが上がらぬ
10.煽てとモッコには乗りたくない
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・允成は才子で美丈夫であつた。安永七年(1778)三月朔に十五歳で渋江氏に養はれて、当時(1)チョクンであつた・・・允成は表向侍医たり教官たるのみであつたが、寧親の信任を蒙ることが厚かつたので、人の敢て言はざる事をも言ふやうになつてゐて、(ア)数諫め て数聴かれた。寧親は文化元年五月連年蝦夷地の防備に任じたと云ふ廉を以て、四万八千石から一躍して七万石にせられた。所謂津軽家の御乗出 (のりだし)がこれである。五年十二月には南部家と共に永く東西蝦夷地を警衛することを命ぜられて、十万石に進み、従四位下に叙せられた。この津軽家の政務発展の時に当つて、允成が (2)ケイヨクの功も少くなかつたらしい。・・・允成は文政五年(1822)八月朔に、五十九歳で(3)チシした。抽斎が十八歳の時である。次いで寧親(やすちか)も八年四月に退隠して、詩歌俳諧を(4)ショウケンの具 とし、歌会には成島司直などを召し、詩会には允成を召すことになつてゐた。・・・」(鴎外「渋江抽斎」)
(注1)ケイヨクの功:自分の意見を率直に告げ、主人を善導・輔佐すること(広辞苑)
(注2)ショウケン(原文振りはソウケン)の具:気晴らしの手段(大辞林)
(B)「・・・抽斎は小字を恒吉と云つた。故越中守信寧の夫人真寿院が此子を愛して、当歳(ゼロ歳)の時から五歳になつた頃まで、殆ど日毎に召し寄せて、傍で嬉戯するのを見て楽んださうである。(イ)美丈夫允成に肖た可憐児であつたものと想はれる。さて其抽斎が生れて来た境界はどうであるか。允成の庭の(ウ)訓えが信頼するに足るものであつたことは、言を(エ)須たぬであらう。オロスコピイは人 の生れた時の星象を観測する。わたくしは当時の社会にどう云ふ人物がゐたかと問うて、こゝに学問芸術界の(5)レッシュクを数へて見たい。しかし観察が徒に汎きに失せぬために、わたくしは他年抽斎が直接に (6)コウツウすべき人物に限つて観察することゝしたい。即ち抽斎の師となり、又年上の友となる人物 である。抽斎から見ての(7)タイコである。」(同上)
(注1)オロスコピイ:占星術
(注2)タイコ:自分より年上、あるいはすぐれた人に対する尊称。禅宗の語。
(C)「・・・二月十日。心地平生の如くならず。昼の中は熱なけれど夜深二時頃より悪寒甚しく、暁明に至りて去る。(オ)瘧なるべし。二月十一日。机に(カ)凭りて筆取らむとせしが、眩暈(めまい)をおぼえて已む。・・・六月十九日。霖雨初めて(キ)霽る。過日錦楽にて三升子より依頼されたる骨董店三登茂開業の引札を草す。是日生田葵山新築の家に移りたる由、葉書を寄す。六月廿四日。酒井君余の(ク)鰥居を憫み、牛込にて其世話する女と其妹を伴ひ来り、家を掃除し、寝具を日に(ケ)曝し、半日はたらきて去る。夕餉の後、狸穴町を散歩し、家に帰るや直に執筆。夜半に及ぶ。七月朔。淫雨。風邪にて臥牀に在り。『駿台雑話』を読む。七月九日。風雨午後に(コ)歇む。森先生の(8)ショウショウ忌なり。墓参の帰途明星社の同人酒亭雲水に会して(9)バンサンをなす。賀古小金井の両先生、千葉掬香氏も来会せられたり。七月十三日。時々(10)シュウウ。午後浅利鶴雄帝国劇場用事にて来談。・・・」(「摘々録 断腸亭日乗」(永井荷風の日記))
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第2回 標準解答>
(一)
1.しゅうせん 2.しゅう 3.そうけん 4.しゅとう 5.じょうりょう 6.いっぽう 7.びせん 8.ひょくそく 9.ひれつ 10.たんけつ 11.かんてん 12.ふうたん 13.い 14.けんかく 15.きえつ 16.こくへい 17.ようはい 18.ゆうしょう 19.りょうらく 20.ふじゅん 21.とりこ 22.かさ 23.きゃん 24.し 25.さきがけ 26.まるづと 27.かんなべ 28.つらつら 29.に 30.しばしば
(二)
1.吐瀉 2.窯 3.気儘 4.廓清 5.祟 6.鎬 7.嘶 8.擡 9.魘 10.縺 11.捏 12.衾 13.喃語 14.喚声 15.喊声
(三)
1.鯱 2.鮱 3.鵇 4.鯲 5.迚
(四)
1.奔走子 2.衍義 3.贅言 4.擯斥 5.刮目
(五)
問1 1.軽佻 2.揣摩 3.鑿壁 4.耆婆 5.竜驤 6.金匱 7.顚沛 8.徙薪 9.左眄 10.縟礼
問2 11.カ 12.ク 13.オ 14.ウ 15.エ
(六)
1.おとり 2.おどりこそう 3.くぼて 4.きいちご 5.あすなろ 6.えやみぐさ 7.ごろつき 8.しゃも
9.おもだか 10.みみずく
(七)
1.えいじゅ 2.まも 3.こうきょ 4.みまか 5.びらん 6.ただ 7.しゅんせつ 8.さら 9.もくと 10.み
(八)
1.騁才 2.褻衣 3.僥倖 4.静謐 5.駑鈍 6.盃饌 7.生俘 8.躊躇 9.瞋恚 10.黄昏(→誤り:「黄昏」は類義語ではなく、対義語です。問題・解答ともに訂正はしませんので、ご了承ください・・・満点198点で採点してください。)
(九)
1.垂拱 2.萁 3.九皐 4.海棠 5.壮夫 6.刃 7.袈裟 8.膠漆 9.梲(卯建)10.畚
(十)
(1)儲君 (2)啓沃 (3)致仕 (4)銷遣 (5)列宿 (6)交通 (7)大己 (8)小祥 (9)晩餐 (10)驟雨
(ア)しばしば (イ)びじょうふ (ウ)おし (エ)ま (オ)おこり (カ)よ (キ)は (ク)かんきょ (ケ)さら (コ)や
👋👋👋 🐑 👋👋👋
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第2回)を作成してみました。第1回模擬試験内容の反省を踏まえ、過去問をある程度ふやして少しは易化させたつもりですが、どんなもんでしょうか・・・チャレンジしてみていただけたら幸いです。もちろん、リピーターの方もチェックよろしくお願いします。
●チャレンジャーの方でまだ第1回をトライしていない方は、この第2回を先にトライしてみてくださいね。とにかく、数多くの問題をこなすことが合格への捷径だと思います。猛暑にめげず、ご精進ください👋👋👋
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第2回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.蒐獮の典、廃して講せず
2.旌旗、隰を蔽う。
3.双甄の指す所、陵壑を避けず
4.酒鐺で燗をする
5.遏雲の曲、遶梁の音
6.一抔の墓田をも有せず
7.唇角の微顫あるを覚えし
8.その居室逼仄なる・・・
9.なんら丕烈を樹てず
10.国力を殫竭す
11.帰還する楚軍を戡殄す
12.風潭を求め偃仰す
13.彝よ、よき音で吹け
14.楽毅の名、顕赫す
15.孟嘗君、麾鉞を執る
16.国秉を持す
17.王翦、佯敗す
18.憂懾を深める
19.客愁に沈み、寥落して故郷に帰る
20.士民を拊循す
21.恋の擒になる
22.馬車に蓋を張って出かける
23.彼女は若いころ、お侠な娘と言われていた
24.我が父祖、名は海内に播く
25.百花の魁
26.髪のたぼを丸形にしたものを丸髱という
27.燗鍋で酒を温める
28.倩、考えてみる
29.三種の神器、八尺瓊勾玉・・・
30.亟、遊んだ所だ
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.熱中症で激しくトシャした。
2.陶磁器の底にカマ印をつける
3.キママな一人旅を続ける
4.政界のカクセイをはかる
5.触らぬ神にタタりなし
6.シノギを削る
7.牛がイナナき、馬が吼える
8.負けん気が頭をモタげてきた
9.寝苦しくて悪夢にウナされる
10.試合は最後までモツれた
11.理屈をコねる
12.一面に白く降り積もったフスマ雪・・・
13.「ばぶばぶ・・・」とは嬰児の発するナンゴだ
14.驚きのカンセイが上がる
15.カンセイをあげて突っ込む
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.名古屋城の天守閣にはシャチホコ瓦がある
2.オオボラは鯔の成長したものである
3.鳥のトキはドジョウなどを捕食する
4.鳥のトキはドジョウなどを捕食する
5.トテも我慢できない暑さだ
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.父母がいつくしみ育てている子供。愛児。
2.意味をおしひろめて詳しく説くこと、また、その説いたもの。
3.無駄な言葉。余計な言葉。
4.のけものにすること。
5.よく注意して見る。
<語群>
(ぜいげん、ほんそご、かつもく、げいご、ひんせき、じょきょ、ねいけいじ、えんぎ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
ア.( 1 )浮薄 イ.( 2 )臆測 ウ.( 3 )偸光 エ.( 4 )扁鵲 オ.( 5 )虎視
カ.石室( 6 ) キ.造次( 7 ) ク.曲突( 8 ) ケ.右顧( 9 ) コ.繁文( 10 )
<語群>
(ししん、ぎば、じょくれい、きんき、けいちょう、さくへき、りょうじょう、てんぱい、さべん、しま)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.重要な図書類を納めるところ。
12.災難を未然に防ぐ
13.権勢を示し意気盛んなこと
14.苦学すること
15.世にもまれな名医
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.媒鳥 2.野芝麻 3.葉椀 4.懸鉤子 5.羅漢柏 6.瘧草 7.破落戸 8.軍鶏 9.沢瀉 10.角鴟
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1 衛戍 ― 2 戍る
イ.3 薨去 ― 4 薨る
ウ.5 糜爛 ― 6 糜れる
エ.7 浚渫 ― 8 浚う
オ.9 目睹 ― 10 睹る
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.韜晦 2.晴着 3.奇禍 4.喧噪 5.犀利
<類義語>
6.酒肴 7.捕虜 8.逡巡 9.忿怒 10.黎明
<語群>
(はいせん、どどん、ちゅうちょ、ぎょうこう、こうこん、せつい、せいひつ、ていさい、しんい、せいふ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.スイキョウして天下治まる
2.豆を煮るにマメガラを燃(や)く
3.鶴、キュウコウに鳴く
4.カイドウ睡り未だ足らず
5.墨するは病児の如く、筆をとるはソウフの如くす
6.ジンを迎えて解く
7.ケサと衣は心に着よ
8.コウシツの交わり
9.ウダツが上がらぬ
10.煽てとモッコには乗りたくない
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・允成は才子で美丈夫であつた。安永七年(1778)三月朔に十五歳で渋江氏に養はれて、当時(1)チョクンであつた・・・允成は表向侍医たり教官たるのみであつたが、寧親の信任を蒙ることが厚かつたので、人の敢て言はざる事をも言ふやうになつてゐて、(ア)数諫め て数聴かれた。寧親は文化元年五月連年蝦夷地の防備に任じたと云ふ廉を以て、四万八千石から一躍して七万石にせられた。所謂津軽家の御乗出 (のりだし)がこれである。五年十二月には南部家と共に永く東西蝦夷地を警衛することを命ぜられて、十万石に進み、従四位下に叙せられた。この津軽家の政務発展の時に当つて、允成が (2)ケイヨクの功も少くなかつたらしい。・・・允成は文政五年(1822)八月朔に、五十九歳で(3)チシした。抽斎が十八歳の時である。次いで寧親(やすちか)も八年四月に退隠して、詩歌俳諧を(4)ショウケンの具 とし、歌会には成島司直などを召し、詩会には允成を召すことになつてゐた。・・・」(鴎外「渋江抽斎」)
(注1)ケイヨクの功:自分の意見を率直に告げ、主人を善導・輔佐すること(広辞苑)
(注2)ショウケン(原文振りはソウケン)の具:気晴らしの手段(大辞林)
(B)「・・・抽斎は小字を恒吉と云つた。故越中守信寧の夫人真寿院が此子を愛して、当歳(ゼロ歳)の時から五歳になつた頃まで、殆ど日毎に召し寄せて、傍で嬉戯するのを見て楽んださうである。(イ)美丈夫允成に肖た可憐児であつたものと想はれる。さて其抽斎が生れて来た境界はどうであるか。允成の庭の(ウ)訓えが信頼するに足るものであつたことは、言を(エ)須たぬであらう。オロスコピイは人 の生れた時の星象を観測する。わたくしは当時の社会にどう云ふ人物がゐたかと問うて、こゝに学問芸術界の(5)レッシュクを数へて見たい。しかし観察が徒に汎きに失せぬために、わたくしは他年抽斎が直接に (6)コウツウすべき人物に限つて観察することゝしたい。即ち抽斎の師となり、又年上の友となる人物 である。抽斎から見ての(7)タイコである。」(同上)
(注1)オロスコピイ:占星術
(注2)タイコ:自分より年上、あるいはすぐれた人に対する尊称。禅宗の語。
(C)「・・・二月十日。心地平生の如くならず。昼の中は熱なけれど夜深二時頃より悪寒甚しく、暁明に至りて去る。(オ)瘧なるべし。二月十一日。机に(カ)凭りて筆取らむとせしが、眩暈(めまい)をおぼえて已む。・・・六月十九日。霖雨初めて(キ)霽る。過日錦楽にて三升子より依頼されたる骨董店三登茂開業の引札を草す。是日生田葵山新築の家に移りたる由、葉書を寄す。六月廿四日。酒井君余の(ク)鰥居を憫み、牛込にて其世話する女と其妹を伴ひ来り、家を掃除し、寝具を日に(ケ)曝し、半日はたらきて去る。夕餉の後、狸穴町を散歩し、家に帰るや直に執筆。夜半に及ぶ。七月朔。淫雨。風邪にて臥牀に在り。『駿台雑話』を読む。七月九日。風雨午後に(コ)歇む。森先生の(8)ショウショウ忌なり。墓参の帰途明星社の同人酒亭雲水に会して(9)バンサンをなす。賀古小金井の両先生、千葉掬香氏も来会せられたり。七月十三日。時々(10)シュウウ。午後浅利鶴雄帝国劇場用事にて来談。・・・」(「摘々録 断腸亭日乗」(永井荷風の日記))
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第2回 標準解答>
(一)
1.しゅうせん 2.しゅう 3.そうけん 4.しゅとう 5.じょうりょう 6.いっぽう 7.びせん 8.ひょくそく 9.ひれつ 10.たんけつ 11.かんてん 12.ふうたん 13.い 14.けんかく 15.きえつ 16.こくへい 17.ようはい 18.ゆうしょう 19.りょうらく 20.ふじゅん 21.とりこ 22.かさ 23.きゃん 24.し 25.さきがけ 26.まるづと 27.かんなべ 28.つらつら 29.に 30.しばしば
(二)
1.吐瀉 2.窯 3.気儘 4.廓清 5.祟 6.鎬 7.嘶 8.擡 9.魘 10.縺 11.捏 12.衾 13.喃語 14.喚声 15.喊声
(三)
1.鯱 2.鮱 3.鵇 4.鯲 5.迚
(四)
1.奔走子 2.衍義 3.贅言 4.擯斥 5.刮目
(五)
問1 1.軽佻 2.揣摩 3.鑿壁 4.耆婆 5.竜驤 6.金匱 7.顚沛 8.徙薪 9.左眄 10.縟礼
問2 11.カ 12.ク 13.オ 14.ウ 15.エ
(六)
1.おとり 2.おどりこそう 3.くぼて 4.きいちご 5.あすなろ 6.えやみぐさ 7.ごろつき 8.しゃも
9.おもだか 10.みみずく
(七)
1.えいじゅ 2.まも 3.こうきょ 4.みまか 5.びらん 6.ただ 7.しゅんせつ 8.さら 9.もくと 10.み
(八)
1.騁才 2.褻衣 3.僥倖 4.静謐 5.駑鈍 6.盃饌 7.生俘 8.躊躇 9.瞋恚 10.黄昏(→誤り:「黄昏」は類義語ではなく、対義語です。問題・解答ともに訂正はしませんので、ご了承ください・・・満点198点で採点してください。)
(九)
1.垂拱 2.萁 3.九皐 4.海棠 5.壮夫 6.刃 7.袈裟 8.膠漆 9.梲(卯建)10.畚
(十)
(1)儲君 (2)啓沃 (3)致仕 (4)銷遣 (5)列宿 (6)交通 (7)大己 (8)小祥 (9)晩餐 (10)驟雨
(ア)しばしば (イ)びじょうふ (ウ)おし (エ)ま (オ)おこり (カ)よ (キ)は (ク)かんきょ (ケ)さら (コ)や
👋👋👋 🐑 👋👋👋
第3回も楽しみにしています。よろしくお願いいたします。
ちょっとお待ちください。同じぐらいの難度で良さそうですかね・・・もう少しコメントを待って、かつ、第4回の問題をある程度作ったら配信するつもりです。早ければ明後日あたりかもしれません(笑)また、よろしくお願いします。
当方の独自の分析ではありますが、平均的な1級合格者(170点前後)にとって難解と思われる「難問点数」を算出してみました。
第1回模試 68点
第2回模試 46点
漢検27-1 31点
客観的な数字ではないかも知れませんが、難易度の目安にはなりますね。
PS (八)【黄昏】は【黎明】の対義語ですよね。
5問ほど難問が入っている感じでしょうか。
文章題(4)(銷遣)+消遣
は別解としてOKですか?
ありがとうございます。
日々の研鑽、お疲れ様です。
文章題の「銷遣」・・・「消遣」でも意味は同じなので、おそらく別解で〇となると思われます・・・国語辞典などでも同じ意味・解釈としているようなので。
ご指摘・ご質問、ありがとうございました。