日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ故事成語類(実践問題その17)です。 難易度:「易」
(よみ)
①書に曰く、哀矜して獄を(折)む、と。
②王は堂上に坐し、牛を牽(ひき)ひて堂下を過ぐる者有り。王の之を見て曰く、牛は何(いづ)くに之くかと。対へて曰く、将に以て鐘(しょう)に(釁)らんとすと。
③軍に臨みて約束せば則ち其の親を忘れ、(枹鼓)を援(と)るの急なれば則ち其の身を忘る。
④聞を多くして疑はしきを(闕)き、慎みて其の余りを言ふ、則ち尤め寡(すくな)し。 見を多くして殆うきを(闕)き、慎みて其の余りを行ふ、則ち悔ひ寡し。
⑤今、上、初めて位に即き、復た賢良を以て固を徴す。諸の諛儒多く固を(疾)み毀りて曰く、固は老ゆ、之を罷めて帰せよ、と。(注)上:前漢の武帝 固:轅固生のこと。人名。賢良方正の士。
(かき)
①七、八月の間旱(ひでり)せば、則ち苗は槁れる。天、(ユウゼン)として雲を作(おこ)し、沛然として雨を下さば、則ち苗、浡然(ぼつぜん)として之れに興(お)く (文意)七、八月の間、日照りが続けば苗は枯れてしまう。然るに一たび天が雲を湧き出だし、盛んに雨を降らせたとすれば、苗は勢いづいて起き上がる。*浡然(ぼつぜん):急に勢いづく様。(1級対象外)
②今、王の政をおこして仁を施さば、天下の仕ふる者は皆な王の朝に立たんことを欲し、耕す者は皆な王の野に耕さんことを欲し、商賈は皆な王の市に蔵めんことを欲し、(コウリョ)は皆な王の塗(みち)に出でんことを欲し、天下の其の君を疾するを欲する者は皆な王に赴き訴へんことを欲せしむ。
③九鼎を遷し、周政を修め、天下を(コウシ)す。(注)コウシ:古いものをあらためて新しいものをはじめること。
④東し国に就くに、道に宿し行くに遅し。(ゲキリョ)の人曰く、吾れ聞くに時は得難く而して失い易しと。客寝て甚だ安んず、殆んど国に就く者に非ざるなり、と。
⑤穰苴則ち表を仆(たお)し漏を決し、入りて軍を行(めぐ)り兵を(ロク)し、約束を申明す。 (注)穰苴:人名
<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)
(読み問題)
①(さだ):折: 小学…セツ、おり、お(る)、お(れる) 準1…シャク、くじ(ける) 1級…さだ(める) 四字熟語:片言折獄
②(ちぬ):釁(きん)(ちぬ・る) *その血を塗って鋳物のすきまを埋めること。儀式。「新たな鐘を鋳造せし故に牛の血を以て塗りて隙間を塞がんとする」こと。 釁:キン、ぬ(る)、ちぬ(る)、すきま、なかたが(い)、きず、きざ(し) *他の熟語例:険釁(ケンキン):罪深いこと。この「釁」は「きず、欠点」、三釁三浴:この「 釁」は香料をからだに塗ること、乘釁(じょうきん):すきまにつけこむこと、釁端(きんたん):争いのはじめ(「釁」はすきまの意)、釁隙(きんげき):①ひま。すきま。②不和。仲たがい。けんか、釁咎(きんきゅう)=きず、失敗をとがめること)、釁鼓(きんこ=戦勝を祈る儀式)、瑕釁(かきん=きず)・・・
③(ふこ):枹鼓:太鼓とばちで軍鼓のこと (文意)軍に臨んで約せばその親を忘れ、戦端が開かれればその身すら忘れるものである。
④(のぞ):闕 ケツ、もん、か(ける)、のぞ(く)
⑤(にく):疾: 中学…シツ 準1…やまい、や(む)、にく(む)、はや(い)1級…と(し)、と(く)、やま(しい)
(書き問題)
①(油然):盛んな様。盛んにわきおこるようす。また、ゆったりと落ちついている様。気にとめぬ様。「ゆうぜん」には「悠然」「優然」「融然」もありますが、ここは文意からも「油然」。広辞苑所載の語句です。
②(行旅):行旅(こうりょ)旅行。遠くに行く旅人。広辞苑所載。(文意)今、王が王道政治を行いて仁を施し、その治を天下に示せば、天下に志ある者は必ずや王の元へと馳せ参じ、農民は皆、王の領内で耕すことを欲し、商人は皆、王の市にて諸物を収め、旅人は王の領土を通行せんとし、主君の暴虐に心痛めし者は、王の許へと赴いて救いを望むことでしょう。
③(更始):これも広辞苑所載です。九鼎(きゅうてい):王の宝器。夏の禹が九の州から銅を集めて作らせたとされる。
④(逆旅):旅館。宿屋。旅人を逆(むか)える所の意。 (参)逆:準1 …ゲキ、むか(える)、あらかじ(め) (問題文の意味)(太公望は)東の斉へと旅立ったが、途中で宿泊するなど、それほど急ぐこともなく向かっていた。その様子を見た旅館の主人が云った。私はこのように聞いています、時は得難くして失い易しと。お客様はとてもゆっくりとして少しも急ぐ気配がありません。国に赴く者のあり方には少しも見えません、と。
⑤(勒):馬の口にくわえさせる金具。馬を制御するためのもの。転じて軍列を整えること。 「兵を勒す」は良く出てくる常套句に近い表現・文句ですね。このまま覚えちゃいましょう。 申明(しんめい)申べて明らかにする。十分に説いて明らかにすること。
いかがでしたか(^^) ではまた。
(よみ)
①書に曰く、哀矜して獄を(折)む、と。
②王は堂上に坐し、牛を牽(ひき)ひて堂下を過ぐる者有り。王の之を見て曰く、牛は何(いづ)くに之くかと。対へて曰く、将に以て鐘(しょう)に(釁)らんとすと。
③軍に臨みて約束せば則ち其の親を忘れ、(枹鼓)を援(と)るの急なれば則ち其の身を忘る。
④聞を多くして疑はしきを(闕)き、慎みて其の余りを言ふ、則ち尤め寡(すくな)し。 見を多くして殆うきを(闕)き、慎みて其の余りを行ふ、則ち悔ひ寡し。
⑤今、上、初めて位に即き、復た賢良を以て固を徴す。諸の諛儒多く固を(疾)み毀りて曰く、固は老ゆ、之を罷めて帰せよ、と。(注)上:前漢の武帝 固:轅固生のこと。人名。賢良方正の士。
(かき)
①七、八月の間旱(ひでり)せば、則ち苗は槁れる。天、(ユウゼン)として雲を作(おこ)し、沛然として雨を下さば、則ち苗、浡然(ぼつぜん)として之れに興(お)く (文意)七、八月の間、日照りが続けば苗は枯れてしまう。然るに一たび天が雲を湧き出だし、盛んに雨を降らせたとすれば、苗は勢いづいて起き上がる。*浡然(ぼつぜん):急に勢いづく様。(1級対象外)
②今、王の政をおこして仁を施さば、天下の仕ふる者は皆な王の朝に立たんことを欲し、耕す者は皆な王の野に耕さんことを欲し、商賈は皆な王の市に蔵めんことを欲し、(コウリョ)は皆な王の塗(みち)に出でんことを欲し、天下の其の君を疾するを欲する者は皆な王に赴き訴へんことを欲せしむ。
③九鼎を遷し、周政を修め、天下を(コウシ)す。(注)コウシ:古いものをあらためて新しいものをはじめること。
④東し国に就くに、道に宿し行くに遅し。(ゲキリョ)の人曰く、吾れ聞くに時は得難く而して失い易しと。客寝て甚だ安んず、殆んど国に就く者に非ざるなり、と。
⑤穰苴則ち表を仆(たお)し漏を決し、入りて軍を行(めぐ)り兵を(ロク)し、約束を申明す。 (注)穰苴:人名
<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)
(読み問題)
①(さだ):折: 小学…セツ、おり、お(る)、お(れる) 準1…シャク、くじ(ける) 1級…さだ(める) 四字熟語:片言折獄
②(ちぬ):釁(きん)(ちぬ・る) *その血を塗って鋳物のすきまを埋めること。儀式。「新たな鐘を鋳造せし故に牛の血を以て塗りて隙間を塞がんとする」こと。 釁:キン、ぬ(る)、ちぬ(る)、すきま、なかたが(い)、きず、きざ(し) *他の熟語例:険釁(ケンキン):罪深いこと。この「釁」は「きず、欠点」、三釁三浴:この「 釁」は香料をからだに塗ること、乘釁(じょうきん):すきまにつけこむこと、釁端(きんたん):争いのはじめ(「釁」はすきまの意)、釁隙(きんげき):①ひま。すきま。②不和。仲たがい。けんか、釁咎(きんきゅう)=きず、失敗をとがめること)、釁鼓(きんこ=戦勝を祈る儀式)、瑕釁(かきん=きず)・・・
③(ふこ):枹鼓:太鼓とばちで軍鼓のこと (文意)軍に臨んで約せばその親を忘れ、戦端が開かれればその身すら忘れるものである。
④(のぞ):闕 ケツ、もん、か(ける)、のぞ(く)
⑤(にく):疾: 中学…シツ 準1…やまい、や(む)、にく(む)、はや(い)1級…と(し)、と(く)、やま(しい)
(書き問題)
①(油然):盛んな様。盛んにわきおこるようす。また、ゆったりと落ちついている様。気にとめぬ様。「ゆうぜん」には「悠然」「優然」「融然」もありますが、ここは文意からも「油然」。広辞苑所載の語句です。
②(行旅):行旅(こうりょ)旅行。遠くに行く旅人。広辞苑所載。(文意)今、王が王道政治を行いて仁を施し、その治を天下に示せば、天下に志ある者は必ずや王の元へと馳せ参じ、農民は皆、王の領内で耕すことを欲し、商人は皆、王の市にて諸物を収め、旅人は王の領土を通行せんとし、主君の暴虐に心痛めし者は、王の許へと赴いて救いを望むことでしょう。
③(更始):これも広辞苑所載です。九鼎(きゅうてい):王の宝器。夏の禹が九の州から銅を集めて作らせたとされる。
④(逆旅):旅館。宿屋。旅人を逆(むか)える所の意。 (参)逆:準1 …ゲキ、むか(える)、あらかじ(め) (問題文の意味)(太公望は)東の斉へと旅立ったが、途中で宿泊するなど、それほど急ぐこともなく向かっていた。その様子を見た旅館の主人が云った。私はこのように聞いています、時は得難くして失い易しと。お客様はとてもゆっくりとして少しも急ぐ気配がありません。国に赴く者のあり方には少しも見えません、と。
⑤(勒):馬の口にくわえさせる金具。馬を制御するためのもの。転じて軍列を整えること。 「兵を勒す」は良く出てくる常套句に近い表現・文句ですね。このまま覚えちゃいましょう。 申明(しんめい)申べて明らかにする。十分に説いて明らかにすること。
いかがでしたか(^^) ではまた。
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