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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その5> 制限時間 60分以内を厳守のこと
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.隕石退鷁は陰陽の事にして、吉凶の生ずる所に非ざるなり
2.震百里を驚かすも匕鬯を喪わず
3.大井川を渡り候て一左右之れあるべく。
4.秋の虫が、喞嘖と鳴いている
5.天地震動し日月蔽虧す
6.爵禄なる者は人臣の轡銜なり
7.黄檗、春に向かって生ず
8.一片の孤城、万仞の山
9.糴糶売買を行う
10.樗散な出来に辟易した
11.衆星 秋旻に羅なる
12.羌笛 何ぞ須いん
13.喧鳥は春洲を覆い、雑英は芳甸に満つ
14.朔気、金柝を伝え、寒光、鉄衣を照らす
15.百姓阜安にして貞観の遺風あり
16.官衙に繳進する
17.飆飆と風が吹きあがる
18.郤曲の破目に陥る
19.刺繍などの針仕事のことを「針黹」という
20.進退狼跋す
21.薛は、石鹸や入浴剤に使われる植物だ
22.なかなか、稿どおりには進まない
23.お茶の簸出しをする
24.湿気が多くて水草などが生えている低湿地を湫という
25.腰を健かに打った
26.画工に似顔絵をかいてもらった
27.ここは、昔、亟、遊んだ所だ
28.見事な饗に感動した
29.樗は栴檀の古名である
30.海水が渦となって匯る
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ヒョウタンで鯰を押さえる
2.奇術にゲンワクされる
3.ゼイチクで吉凶を占う
4.ラクダに乗って沙漠を旅する
5.傷口をセンデキする
6.悪夢にウナされる
7.古人のソウハクを嘗める
8.モチゴメで赤飯をつくった
9.拙い文章のサンジョを行う
10.蔓延った雑草をサンジョする
11.その鉄はシュウセイに覆われていた
12.情緒あるシュウセイの道をそぞろ歩く
13.全力疾走したので、到頭、コト切れた
14.カンコとは大陸内部の乾燥地に多く発達する塩分の多いみずうみのことだ
15.「カンコ苔深くして鳥驚かぬ」という成句がある
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ドジョウ鍋を食する
2.ヤガて年が明ける
3.緋オドシの鎧を身に着ける
4.デシグラム単位で測定する
5.エソを蒲鉾の原料に使う
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.魚の乾物、ひうお
2.宿駅・停車場。
3.波や風によってつくられた波状のでこぼとのあと
4.おさないこと
5.知り合いであることの謙譲語
<語群>
(ねいけいじ、げきりょ、じょくち、えきたん、ようちゅう、れんこん、ほぎょ、おうけつ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.落英( ) 2.イ.零絹( ) 3.ウ.揺頭( ) 4.エ.悶絶( ) 5.オ.無影( )
6.カ.( )麟振 7.キ.( )無名 8.ク.( )韋帯 9.ケ.( )簪折 10.コ.( )之勇
<語群>
(りょうじょう、むそう、せきちょ、びゃくじ、へいつい、ほんいく、はいび、れいじょう、ぎこう、ひんぷん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.非常に気力が盛んで強いこと
12.やるからには自信をもって断行しなくてはいけない
13.転げまわってもだえ苦しむこと
14.人に気に入られるようにこびへつらうさま
15.書画の小片。絹や紙のきれはし。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鹿薬 2.懸鉤子 3.羅漢松 4.勢車 5.扇骨木 6.苦参 7.杠秤 8.虎耳草 9.壁蝨 10.奠稲
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.翊賛 ― 2.翊ける
イ.3.軒輊 ― 4.軒い
ウ.5.罨蓋 ― 6.罨う
エ.7.聊浪 ― 8.聊しむ
オ.9.磬控 ― 10.磬せる
(八)次の1~4の対義語、5~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.緒言 2.犀利 3.野衲 4.黄昏
<類義語>
5.屹立 6.藐躬 7.改革 8.地嘴 9.行厨 10.寐語
<語群>
(りかく、げいか、たんし、しょうじ、ばつご、だせん、せんげん、まいそう、こうかく、ついろ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ヒャクタンを以て一誠を成す
2.トウソ魚肉の際
3.キントウの固きも粟に非ざれば守らず
4.ガクキュウ、大鵬を笑う
5.大船を動かすロベソは一尺に足らず
6.命はキンカの露の如し
7.上、リョを用うれば、下、辞を繁くす
8.大きいヤカンは沸きが遅い
9.六親和せずしてコウジあり
10.蓼虫、キサイに徙るを知らず
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・これら両岸の運河にはさまざまな運送船が(1)フクソウしているので、市中川筋の(2)チョウボウの中では、最も活気を帯び、また最も変化に富んだものであろう。
或日わたくしはいつもの如く中洲の岸から清洲橋を渡りかけた時、向に見える万年橋のほとりには、かつて芭蕉庵の(3)コシと、柾木稲荷の(ア)社とが残っていたが、震災後はどうなったであろうと、ふと思い出すがまま、これを尋ねて見たことがあった。
清洲橋をわたった南側には、浅野セメントの製造場が依然として震災の後もむかしに変らず、かの恐しい建物と煙突とを(4)ソビやかしているが、これとは反対の方向に歩みを運ぶと、窓のない平たい倉庫の立ちつづく間に、一条の小道が曲り込んでいて、洋服に草履をはいた番人が巻煙草を吸いながら歩いている外には殆ど人通りがなく、屋根にあつまる鳩の声が(イ)俄に耳につく。
この静な道を行くこと一、二町、すぐさま万年橋をわたると、河岸の北側には大川へ突き出たところまで、同じような平たい倉庫と、貧しげな人家が立ちならび、川の眺望を(5)シャダンしているので、狭苦しい道はいよいよせまくなったように思われてくる。わたくしはこの(ウ)湫路の傍に芭蕉庵の(エ)址は神社となって保存せられ、柾木稲荷の(オ)祠はその筋向いに新しい石の華表(とりい)をそびやかしているのを見て、東京の生活はいかにいそがしくなっても、まだまだ伝統的な(カ)好事家の跡を絶つまでには至らないのかと、むしろ意外な思いをなした。
・・・かつてわたくしが籾山庭後君と共に月刊雑誌『文明』なるものを(キ)編輯していた時、A氏は深川夜烏という別号を署して、大久保長屋の事をかいた文を寄せられた。・・・
・・・(6)ユカンバ大久保の屋敷跡。何故ユカンバ大久保と言うのか。それは長慶寺のユカンバと大久保の屋敷と隣接している所から起った名である。露地を入って右側の五軒長屋の二軒目、そこが阿久の家で、即ち私の寄寓する家である。阿久はもと下谷の芸者で、(ク)廃めてから私の世話になって二年の後、型ばかりの式を行って内縁の妻となったのである。右隣りが電話のボタンを(7)コシラえる職人、左隣がブリキ職。ブリキ職の女房は亭主の稼ぎが薄いので、煙突掃除だの、エンヤラコに出たりする。それで五人の子持である。・・・
私の家は二畳に四畳半の二間きりである。四畳半には長火鉢、(8)タンスが(9)フタサオと机とが置いてある。それで、阿久と、お袋と、阿久の姉と四人住んでいるのである。その家へある日私の友達を十人ばかり招いて酒宴を催したのである。
先ず縁側に呉座(ござ)を敷いた。四畳半へは毛布を敷いた。そして真中に食卓を(ケ)据えた。長火鉢は台所へ運んで、お袋と姉とは台所へ退却した。そして境界に葭戸を立てた。二畳に阿久がいて、お銚子だの煮物だのを運んだ。(略)さて当日の模様をざっと書いて見ると、酒の良いのを二升、そら豆の塩茄でに胡瓜の香物を酒の肴に、(10)カンピョウの代りに(コ)山葵を入れた海苔巻を出した。・・・」「深川の散歩」(永井荷風)
👍👍👍 🐑 👍👍👍
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5 標準解答>
(一)
1.たいげき(=水鳥の退飛すること) 2.ひちょう 3.いっそう(=知らせ、たより) 4.しょくさく 5.へいき 6.ひかん 7.おうばく:木の名。キハダ。 8.ばんじん 9.てきちょう 10.ちょさん 11.しゅうびん 12.きょうてき(=西域の羌族の吹く笛) 13.ほうでん(様々な花が香しい田野に満ちている) 14.きんたく(=時刻を告げる銅鑼) 15.ふあん 16.きょうしん 17.ひょうひょう 18.げききょく 19.しんち 20.ろうばつ(=進退がきわまる)
21.かわらよもぎ 22.したがき 23.ひ 24.くて 25.したた 26.えだくみ 27.しばしば 28.あえ 29.おうち 30.めぐ
(二)
1.瓢箪 2.眩惑(幻惑) 3.筮竹 4.駱駝(駱・駝) 5.洗滌 6.魘 7.糟粕(糟魄) 8.糯(糯米←当て字) 9.刪除 10.芟除 11.銹錆 12.甃砌 13.縡 14.鹹湖 15.諫鼓
(三)
1.鯲 2.軈 3.縅 4.瓰 5.鱛
(四)
1.脯魚 2.駅站 3.漣痕 4.幼沖(漢検2) 5.辱知
(五)
問1
1.繽紛 2.尺楮 3.擺尾 4.躄地 5.無踪 6.竜驤 7.疑行 8.藜杖 9.瓶墜 10.賁育
問2
11.コ 12.キ 13.エ 14.ウ 15.イ
(六)
1.ゆきざさ 2.きいちご 3.いぬまき 4.はずみぐるま 3.かなめもち 6.くらら 7.ちきり・ちぎ・ちぎり・ちぎばかり 8.ゆきのした 9.だに 10.くましね
(七)
1.よくさん 2.たす 3.けんち 4.たか 5.あんがい 6.おお 7.りょうろう 8.たの 9.けいこう 10.は
(八)
1.跋語 2.椎魯 3.猊下 4.昧爽 5.聳峙 6.懦孱 7.釐革 8.岬角 9.箪食 10.譫言
(九)
1.百誕(百のウソで一つの 誠を成し遂げた) 2.刀俎(漢検2) 3.金湯 4.鷽鳩 5.艪臍 6.槿花 7.慮 8.薬缶 9.孝慈(漢検2) 10.葵菜
(十)
(1)輻輳 (2)眺望 (3)古址 (4)聳 (5)遮断 (6)湯灌場 (7)拵 (8)箪笥 (9)二棹 (10)干瓢
(ア)やしろ (イ)にわか (ウ)しゅうろ (エ)あと (オ)ほこら (カ)こうずか (キ)へんしゅう (ク)や (ケ)す (コ)わさび
👍👍👍 🐑 👍👍👍
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その5> 制限時間 60分以内を厳守のこと
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.隕石退鷁は陰陽の事にして、吉凶の生ずる所に非ざるなり
2.震百里を驚かすも匕鬯を喪わず
3.大井川を渡り候て一左右之れあるべく。
4.秋の虫が、喞嘖と鳴いている
5.天地震動し日月蔽虧す
6.爵禄なる者は人臣の轡銜なり
7.黄檗、春に向かって生ず
8.一片の孤城、万仞の山
9.糴糶売買を行う
10.樗散な出来に辟易した
11.衆星 秋旻に羅なる
12.羌笛 何ぞ須いん
13.喧鳥は春洲を覆い、雑英は芳甸に満つ
14.朔気、金柝を伝え、寒光、鉄衣を照らす
15.百姓阜安にして貞観の遺風あり
16.官衙に繳進する
17.飆飆と風が吹きあがる
18.郤曲の破目に陥る
19.刺繍などの針仕事のことを「針黹」という
20.進退狼跋す
21.薛は、石鹸や入浴剤に使われる植物だ
22.なかなか、稿どおりには進まない
23.お茶の簸出しをする
24.湿気が多くて水草などが生えている低湿地を湫という
25.腰を健かに打った
26.画工に似顔絵をかいてもらった
27.ここは、昔、亟、遊んだ所だ
28.見事な饗に感動した
29.樗は栴檀の古名である
30.海水が渦となって匯る
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ヒョウタンで鯰を押さえる
2.奇術にゲンワクされる
3.ゼイチクで吉凶を占う
4.ラクダに乗って沙漠を旅する
5.傷口をセンデキする
6.悪夢にウナされる
7.古人のソウハクを嘗める
8.モチゴメで赤飯をつくった
9.拙い文章のサンジョを行う
10.蔓延った雑草をサンジョする
11.その鉄はシュウセイに覆われていた
12.情緒あるシュウセイの道をそぞろ歩く
13.全力疾走したので、到頭、コト切れた
14.カンコとは大陸内部の乾燥地に多く発達する塩分の多いみずうみのことだ
15.「カンコ苔深くして鳥驚かぬ」という成句がある
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ドジョウ鍋を食する
2.ヤガて年が明ける
3.緋オドシの鎧を身に着ける
4.デシグラム単位で測定する
5.エソを蒲鉾の原料に使う
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.魚の乾物、ひうお
2.宿駅・停車場。
3.波や風によってつくられた波状のでこぼとのあと
4.おさないこと
5.知り合いであることの謙譲語
<語群>
(ねいけいじ、げきりょ、じょくち、えきたん、ようちゅう、れんこん、ほぎょ、おうけつ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.落英( ) 2.イ.零絹( ) 3.ウ.揺頭( ) 4.エ.悶絶( ) 5.オ.無影( )
6.カ.( )麟振 7.キ.( )無名 8.ク.( )韋帯 9.ケ.( )簪折 10.コ.( )之勇
<語群>
(りょうじょう、むそう、せきちょ、びゃくじ、へいつい、ほんいく、はいび、れいじょう、ぎこう、ひんぷん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.非常に気力が盛んで強いこと
12.やるからには自信をもって断行しなくてはいけない
13.転げまわってもだえ苦しむこと
14.人に気に入られるようにこびへつらうさま
15.書画の小片。絹や紙のきれはし。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鹿薬 2.懸鉤子 3.羅漢松 4.勢車 5.扇骨木 6.苦参 7.杠秤 8.虎耳草 9.壁蝨 10.奠稲
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.翊賛 ― 2.翊ける
イ.3.軒輊 ― 4.軒い
ウ.5.罨蓋 ― 6.罨う
エ.7.聊浪 ― 8.聊しむ
オ.9.磬控 ― 10.磬せる
(八)次の1~4の対義語、5~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.緒言 2.犀利 3.野衲 4.黄昏
<類義語>
5.屹立 6.藐躬 7.改革 8.地嘴 9.行厨 10.寐語
<語群>
(りかく、げいか、たんし、しょうじ、ばつご、だせん、せんげん、まいそう、こうかく、ついろ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ヒャクタンを以て一誠を成す
2.トウソ魚肉の際
3.キントウの固きも粟に非ざれば守らず
4.ガクキュウ、大鵬を笑う
5.大船を動かすロベソは一尺に足らず
6.命はキンカの露の如し
7.上、リョを用うれば、下、辞を繁くす
8.大きいヤカンは沸きが遅い
9.六親和せずしてコウジあり
10.蓼虫、キサイに徙るを知らず
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・これら両岸の運河にはさまざまな運送船が(1)フクソウしているので、市中川筋の(2)チョウボウの中では、最も活気を帯び、また最も変化に富んだものであろう。
或日わたくしはいつもの如く中洲の岸から清洲橋を渡りかけた時、向に見える万年橋のほとりには、かつて芭蕉庵の(3)コシと、柾木稲荷の(ア)社とが残っていたが、震災後はどうなったであろうと、ふと思い出すがまま、これを尋ねて見たことがあった。
清洲橋をわたった南側には、浅野セメントの製造場が依然として震災の後もむかしに変らず、かの恐しい建物と煙突とを(4)ソビやかしているが、これとは反対の方向に歩みを運ぶと、窓のない平たい倉庫の立ちつづく間に、一条の小道が曲り込んでいて、洋服に草履をはいた番人が巻煙草を吸いながら歩いている外には殆ど人通りがなく、屋根にあつまる鳩の声が(イ)俄に耳につく。
この静な道を行くこと一、二町、すぐさま万年橋をわたると、河岸の北側には大川へ突き出たところまで、同じような平たい倉庫と、貧しげな人家が立ちならび、川の眺望を(5)シャダンしているので、狭苦しい道はいよいよせまくなったように思われてくる。わたくしはこの(ウ)湫路の傍に芭蕉庵の(エ)址は神社となって保存せられ、柾木稲荷の(オ)祠はその筋向いに新しい石の華表(とりい)をそびやかしているのを見て、東京の生活はいかにいそがしくなっても、まだまだ伝統的な(カ)好事家の跡を絶つまでには至らないのかと、むしろ意外な思いをなした。
・・・かつてわたくしが籾山庭後君と共に月刊雑誌『文明』なるものを(キ)編輯していた時、A氏は深川夜烏という別号を署して、大久保長屋の事をかいた文を寄せられた。・・・
・・・(6)ユカンバ大久保の屋敷跡。何故ユカンバ大久保と言うのか。それは長慶寺のユカンバと大久保の屋敷と隣接している所から起った名である。露地を入って右側の五軒長屋の二軒目、そこが阿久の家で、即ち私の寄寓する家である。阿久はもと下谷の芸者で、(ク)廃めてから私の世話になって二年の後、型ばかりの式を行って内縁の妻となったのである。右隣りが電話のボタンを(7)コシラえる職人、左隣がブリキ職。ブリキ職の女房は亭主の稼ぎが薄いので、煙突掃除だの、エンヤラコに出たりする。それで五人の子持である。・・・
私の家は二畳に四畳半の二間きりである。四畳半には長火鉢、(8)タンスが(9)フタサオと机とが置いてある。それで、阿久と、お袋と、阿久の姉と四人住んでいるのである。その家へある日私の友達を十人ばかり招いて酒宴を催したのである。
先ず縁側に呉座(ござ)を敷いた。四畳半へは毛布を敷いた。そして真中に食卓を(ケ)据えた。長火鉢は台所へ運んで、お袋と姉とは台所へ退却した。そして境界に葭戸を立てた。二畳に阿久がいて、お銚子だの煮物だのを運んだ。(略)さて当日の模様をざっと書いて見ると、酒の良いのを二升、そら豆の塩茄でに胡瓜の香物を酒の肴に、(10)カンピョウの代りに(コ)山葵を入れた海苔巻を出した。・・・」「深川の散歩」(永井荷風)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5 標準解答>
(一)
1.たいげき(=水鳥の退飛すること) 2.ひちょう 3.いっそう(=知らせ、たより) 4.しょくさく 5.へいき 6.ひかん 7.おうばく:木の名。キハダ。 8.ばんじん 9.てきちょう 10.ちょさん 11.しゅうびん 12.きょうてき(=西域の羌族の吹く笛) 13.ほうでん(様々な花が香しい田野に満ちている) 14.きんたく(=時刻を告げる銅鑼) 15.ふあん 16.きょうしん 17.ひょうひょう 18.げききょく 19.しんち 20.ろうばつ(=進退がきわまる)
21.かわらよもぎ 22.したがき 23.ひ 24.くて 25.したた 26.えだくみ 27.しばしば 28.あえ 29.おうち 30.めぐ
(二)
1.瓢箪 2.眩惑(幻惑) 3.筮竹 4.駱駝(駱・駝) 5.洗滌 6.魘 7.糟粕(糟魄) 8.糯(糯米←当て字) 9.刪除 10.芟除 11.銹錆 12.甃砌 13.縡 14.鹹湖 15.諫鼓
(三)
1.鯲 2.軈 3.縅 4.瓰 5.鱛
(四)
1.脯魚 2.駅站 3.漣痕 4.幼沖(漢検2) 5.辱知
(五)
問1
1.繽紛 2.尺楮 3.擺尾 4.躄地 5.無踪 6.竜驤 7.疑行 8.藜杖 9.瓶墜 10.賁育
問2
11.コ 12.キ 13.エ 14.ウ 15.イ
(六)
1.ゆきざさ 2.きいちご 3.いぬまき 4.はずみぐるま 3.かなめもち 6.くらら 7.ちきり・ちぎ・ちぎり・ちぎばかり 8.ゆきのした 9.だに 10.くましね
(七)
1.よくさん 2.たす 3.けんち 4.たか 5.あんがい 6.おお 7.りょうろう 8.たの 9.けいこう 10.は
(八)
1.跋語 2.椎魯 3.猊下 4.昧爽 5.聳峙 6.懦孱 7.釐革 8.岬角 9.箪食 10.譫言
(九)
1.百誕(百のウソで一つの 誠を成し遂げた) 2.刀俎(漢検2) 3.金湯 4.鷽鳩 5.艪臍 6.槿花 7.慮 8.薬缶 9.孝慈(漢検2) 10.葵菜
(十)
(1)輻輳 (2)眺望 (3)古址 (4)聳 (5)遮断 (6)湯灌場 (7)拵 (8)箪笥 (9)二棹 (10)干瓢
(ア)やしろ (イ)にわか (ウ)しゅうろ (エ)あと (オ)ほこら (カ)こうずか (キ)へんしゅう (ク)や (ケ)す (コ)わさび
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俺も新しいことばっかやるのはそろそろやめて復習に主眼を置かないとダメのようだ・・・短期記憶が少しく薄らいでいるようなんだよね(怖)
残り1~4で全復習完了!
誤答はメモで全部保存しています。
直前にメモだけ復習しま~す。
この回すごいですね!!!
29-2での出題ぞくぞく~
「さんじょ」同音異義語
「刪除」「芟除」
「翊賛」
「釐革」
「鷽鳩、大鵬を笑う」
じっくり復習も楽しいよ~
・「湫路」そのものの熟語は4辞典ともナシ
・「シュウ・ショウ」・・・
①大漢和は両方の読みに「低い土地、狭い」の意味あるも、掲載熟語はすべて「シュウ」読み。
②字通は「シュウ」音のみ。
③漢字源はショウ音あるも「湫隘(シュウアイ)」のみ。
④大字源は「シュウアイ・ショウアイ」両読み。
という、結果でした。
・「ショウロ」でも×にはならないでしょうね、たぶん。
点数、安定&向上してきましたね。もすこしアップしないと・・・へへりん。
(五)-4
悶絶「びゃくち」という読みもあるのでしょうか?
四字熟語で悶絶とくれば、答えはわかるので書けましたが、「じゃくじ」のみで覚えております。
お手数ですが宜しくお願いいたします。
溜まらないようにしなくては!!
模擬試験問題(27-③用) その4 156点
模擬試験問題(27-③用) その5 167点
まだまだ不安定ですが、底上げは出来ているような・・・
ありがとうございます。
「湫」の読み分けと、「湫隘」の読みを調べてみました。
漢検漢字辞典 第二版…音分け無し
「湫」の項目には、「湫隘」は「しゅうあい」のみ
「隘」の項目には、「湫隘」は「しゅうあい」「しょうあい」とある
(↑逆ならまだしも、これはひどい…。)
新版 漢語林…
一.シュウ(漢)/シュ(呉) 1.尽きる。なくなる。2.集まる。3.土地が低くて狭い。4.池。
二.ショウ 1.一の3(土地が低くて狭い。)2.すずしい。
「湫隘」は「しゅうあい」「しょうあい」
角川 漢和中辞典…
一.シュウ 1.いけ。みずたまり。2.ものさびしい。
二.ショウ 1.ひくくてしめる。2.せまい。3.とどこおる。停滞する。
「湫隘」は「しゅうあい」「しょうあい」
他に「ショウ」に対応する熟語は見つかりませんでした。
何か発見がありましたら、ご教示ください。
(十)(ウ)・・・狭い意味の場合「ショウ」?何辞典でしょう?私も大漢和と字通しか、この字はまだ調べてないので、もしかしたら「ショウ」でも良いのかも・・・。第2版では音分けしてますでしょうか?手元にないんで(苦笑)
2辞典でも「湫路」そのものの熟語はノートしてませんが、近い意味で「湫隘(シュウアイ)」という熟語はノートしてましたが・・・「せまい」という意味ですけどね。
また、火曜日以降なにかわかればお知らせしますが、spaceplusさんの方でも何かわかったらお教えください。
(一)~(七)までは調子が良かったのですが、
運を使い果たしたのか、残りでミスが目立ちました(苦笑)
いくつか指摘を…
(八)5が類義語になっています。
(九)6「~露の如し」、9「六親和せずして~」でしょうか?
(十)の(コ)が(10)になっています。
「六親~」は、「漢検1級 27-②に向けての学習状況 その71」でも
同じ表記になっていました。
質問があります。
(十)(ウ)「湫路」は「狭い道」という意味で合っていますか?
「湫」は、狭い意味の場合、「ショウ」と読む
としている辞典があるのですが、「湫路」の情報は無く、
「しょうろ」でも正解となるかどうかが分かりませんでした。
「湫」の読み分けについて何か情報があれば、
教えていただけないでしょうか?