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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

神武歌謡 「宇陀の高城・・・」 本当に奈良県の宇陀でクジラが獲れるのか & (立柧棱、柃)

2016年02月16日 | 古代史
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<この記事は漢検1級とほとんど関係ありません・・・ちょっとは関連していますが・・・>
紅梅
●ブログ開設当初から作成しておいたカテゴリー「古代史」に書き込みを開始しています。
●私事の単なるメモ帳のようなものですので、興味のない方はスルーしてください。
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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●神武東侵の際の久米歌とされているもの・・・“東侵”か“東征”か“東遷”か、は史実のとらえ方による・・・
<古事記>(岩波文庫)
・・・此の時に歌曰ひけらく、
 宇陀の 高城に 鴫罠張る 我が待つや 鴫は障らず いすくはし くぢら障る 前妻が肴乞はさば 立柧棱の 身の無けくを こきしひゑね
 後妻が 肴乞はさば柃 身の多けくを こきだひゑね ええ しやごしや 此はいのごふぞ 。ああ しやごしや 此は嘲咲ふぞ。
とうたひき。・・・
<日本書記>(岩波文庫)
・・・乃ち御謡して曰はく、
菟田の 高城に 鴫羂張る 我が待つや 鴫は障らず いすくはし 鷹等障り 前妻が 肴乞はさば 立稜麦の 実の無けくを 幾多聶ゑね 後妻が 肴乞はさば 斎賢木  実の多けくを 幾多聶ゑね・・・

 【通釈①】宇陀の高台に、鴫を獲ろうと罠を張る。俺が待ってると、鴫は掛からず、りっぱな鯨が掛かった。さあ、皆に御馳走だ。古女房がおかずに欲しがったら、ソバの木の実のように中身の無いのを、たっぷり切ってやれ。新しい女房がおかずに欲しがったら、ヒサカキの実のように大きいのを、たっぷり切ってやれ。ええい、ばかものめざまあみろ、これはののしっているのだぞ。あっはっは、ばかものめざまあみろ、これは嘲笑っているのだぞ。(ネット上から借用)
 【通釈②】宇陀の高く構えた砦に鴫を捕る罠をしかける私が待っている鴫はかからず、なんと鯨がかかる。前妻がおかずを欲しがったら、ソバの実の少ないところをたくさんそぎ取ってやれ。後妻がおかずを欲しがったら、厳榊の実の多いところをたくさんそぎ取ってやれ。エー、この野郎め(これは敵意を浴びせかけ)、アーこの野郎め(これは笑いたおして)・・・。(ネット上から借用)

 *神武歌謡:古事記によれば、神武天皇が道臣命と大久米命を用いて兄宇迦斯(えうかし)を倒したあと、弟宇迦斯(おとうかし)によって献上された御馳走を兵士らに賜わった時に詠んだ歌。
 *久米歌:日本の古代歌謡の一つ。久米舞にうたう歌。記紀には神武天皇が久米部(大伴氏の祖)を率いて諸族を討った時、軍士を鼓舞した歌とある。今は宮内庁楽師が雅楽歌曲として演奏。久米舞は久米部がまった舞で、舞人四人・歌人四人、笏拍子・和琴・竜笛・篳篥などを使う。平安以後、大嘗会・豊明節会にだけ行い、室町期に中絶したが、明治以後は大嘗会と紀元節に用いられてきた。(世界宗教用語大辞典)

●宇陀の高城・・・通説では奈良県の宇陀・・・
 ・なぜ奈良の宇陀でクジラがかかるのか・・・通説では説明不可・・・
 ・九州・福岡の志摩郡にウダあり。弥生期、海岸線はウダまで来ていた・・・クジラは今でも迷い込んでくる 
 ・神武東侵の出発地・・・従来説は、記紀から「宮崎県の日向(ひゅうが)」が東侵の出発地・・・古田氏も当初は宮崎・日向としていたが、本神武歌謡や他の傍証から、糸島郡のこのウダあたりと説を変更している。

<参考・覚書>
●立柧棱&柃
 ①立柧棱(たちそば)
  ・柧棱木:読み方:ソバノキ 橅の古名、金釘木・捩木の別称。ブナ(山毛欅、橅、椈、桕)
  ・たちそば‐の【立ち柧=棱の】・・・[枕]ソバノキの実が小さく少ないところから、「実のなけく」にかかる。
  ・柧:音読み:コ、 カ、 ク  訓読み:かど、 さかずき
  ・棱:音読み:ロウ、 リョウ 物のかど (幾すじも並んだ)線状の突起・・・「棱」釋義:木材的四角交接處稱為「棱」 。說文解字:「棱、柧也。 」「楞,四方木也。棱:上同。」
  ・柧棱(そばのき):四角の木材。角材。(広辞苑)
 ②柃(ひさかき、いちさかき): 音読み  呉音 : リョウ  漢音 : レイ  訓読み. ひさかきツバキ科の常緑低木。山地の乾いた所に自生。葉は密につき、長楕円形で先が鈍くとがる。雌雄異株。春に白い小花が束になって咲き、黒紫色の実を結ぶ。サカキの代わりに神事に使う地方もある。 ひさかき。「柃(いちさかき)」:ヒサカキの異称。「多い」の序詞に用いる。神武紀「斎賢木(いちさかき)実の多けくを・・・」(広辞苑)

 <跡見群芳譜(文藝譜 「古事記」神武天皇 来目の歌) - 跡見学園>から
 ・詠われている植物は、「たちそば」と「いちさかき」、ともに実のなる植物である。
「たちそば」は、『倭名類聚抄』に柧棱(ころう)を曽波之木(そばのき)と訓んでいることから、「立ち柧棱」の意で、植物としての名は「そばのき」であろうとする。和語のそばは、尖った角を言う。漢語の柧と棱も 共に尖った角を言う言葉で、柧棱(コロウ)は觚稜(コロウ)とも書き、宮闕の屋根の尖りを言う。しかし漢語には、柧棱と呼ばれる植物は見当たらない。そこで、そばのきとはどんな木であったのかが問題となっており、旧来、1.ブナ、2.カナメモチ、3.ニシキギなどの説がある。ニシキギは、枝に翼を持つので、「そばのき」の呼称にふさわしい。カナメモチは、新緑の頃に紅葉を出すという『枕草子』の記述にふさわしい。
(別ブログ)
 ・ニシキギは、カエデ類以外の樹木で紅葉が美しいものの筆頭で、枕草子にも『花の木ならぬはそばの木、はしたなき心地すれども花の木ども散りはてて押しのべたる緑になりたる中に時も分かず濃き紅葉の艶めきて思ひかけぬ青葉の中よりさし出でたる愛づらし』とあるそうです(「そばのき」はニシキギの古名)。

 🚬🚬🚬派生知識🚬🚬🚬
 棱角 ①多面体などの稜と角、物のかど。 ②人柄や言葉のかど、鋭さ、辛辣さ
 露棱角:かどを立てる 有棱角:ひねくれている 棱镜:【理】プリズム 【同】三棱镜・三角镜 棱柱体=角柱 棱锥=角錐

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