日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ故事成語類(実践問題その18)です。 難易度:「やや難」
(よみ)
①(籌)を帷幄の中に運らし、勝を無形に制す。 *訓読みで。
②義を扶(たす)け(俶儻)にして、己をして時に失はしめず、功名を天下に立つ、七十列伝を作す。
③述が性は苛細(かさい)、小事に(察)らかなり。(注)述:公孫術のこと(人名)
④衆は尚ほ十余萬、輜重は七千余両、皆な(罷遣)して郷里に帰せしむ。 (注)衆:ここでは集まった兵のこと。
⑤家貧し、常に官の為に傭書して以て供養す。久しく労苦し、嘗て業を(輟)めて筆を投じ歎じて曰く、大丈夫にほかの志略無し。
(かき)
①孔子、言の用いられず、道の行はれざるを知るや、二百四十二年の中を是非し、以て天下の(ギヒョウ)と為し、天子を貶とがめ、諸侯を退け、大夫を討ち、以て王事を達するのみと。
②煦煦(くく)を以て仁と為し、(ケツケツ)を義と為す。
③子張、禄を(モト)むるを問ふ。
④出入りするに法駕(ほうが)し、旄騎(ぼうき)を鑾旗(らんき)し、(ヘイゲキ)を置き陳(つら)ね、然る後に房闥(ぼうたつ)より輩出す。
⑤肅宗(しゅくそう)之に従ひ、遂に其の役を罷(や)め、更に(ロレン)を用ひ、歳に省く費は億万計、徒士を全活するは数千人たり。 (注)ロレン:ろばの引く車
<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)
(読み問題)
①(はかりごと): 籌:チュウ、かずとり、はかりごと、はか(る) *謀を帷幄の中に運らし、知らず知らずのうちに勝を導く。
②(てきとう):*七十列伝を作したのは、義を貴び卓逸にして、その時機を見定めて己を失うことなく、功名を天下に立てた人々を伝えんが為である。 俶:シュク、テキ、よ(い)、はじ(める)、すぐ(れる) 儻:トウ、すぐ(れる)、も(し)、ある(いは)
③(あき):察: 中学…サツ 準1…し(る)、み(る)、あき(らか) *公孫述はこまごまとして小事にばかりこだわる性情であった。 公孫述(こうそんじゅつ):前漢末に巴蜀の地に覇を唱え、光武帝劉秀と最後まで覇権を争った群雄。虚栄心の強い人物として描かれる。苛細(かさい)こまごまと煩わしいこと。
④(はいけん):罷遣:ちょっと難問かも知れません。罷:中学…ヒ 準1…や(める)、つか(れる)、まか(る) 「漢字必携」の常用漢字表では左記の読みしか出ていません。罷免、罷業、罷工、罷士、罷女・・・すべて音読み「ヒ」です。本熟語のみ、大漢和辞典では「ハイ」となっています。ので、出題はされないかもしれませんね。(文意)その集った十余万もの張歩の兵と、輜重は七千余両を、すべて解散させて郷里へと帰らせた。
⑤(や):輟:テツ、つづ(る)、や(める)、とど(める) 熟語「輟業(てつぎょう)」:仕事をやめること。後漢の班超(はんちょう)の故事。後漢の名将。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の言葉を発して多勢の匈奴を奇襲し勝利を得、西域にて諸国を服従。西域都護として勢力を保った。傭書(ようしょ):雇われて文書の書き写しをすること。筆耕。
(書き問題)
① (儀表):手本。模範。法則。*孔子は言の用いられないこと、自らの理想とする政治が行われないことを知ると、魯の隠公元年より哀公十四年までの二百四十二年を記述してその間における諸侯の得失を是非し、これを天下の儀表として天子・諸侯・大夫その身分に関係なく正すべきを正し、王道に達することを願ったのですと。
②(孑孑):孑孑(けつけつ):「げつげつ」とも読む。孤独なさま、小さなさま、孤立しているさま。煦煦(くく):情けをかけるさま、和楽するさま。
③(干):論語・為政編にある故事成語。熟語「干禄(かんろく)」として、「①俸禄をもとめること、仕官を望むこと ②幸いをもとめること」。干:小学…カン、ほ(す)中学…ひ(る)準1…たて、おか(す)、もと(める) 、かか(わる) *この短文だけではこの文章を知らなければ回答できませんね。やや難か。
④(陛戟):陛戟=宮殿の階段の下で戟を持った兵士が護衛すること、また、その兵士を指す。*良くでてくる表現・語句です。(文意)出入りには車駕に乗り、鑾旗を立てた車騎に先導させ、戟を持った兵士を左右に並べ、そうした後に宮中から外に出た。法駕(ほうが):天子の車駕。転じて天子を指す場合もある。旄騎(ぼうき):先駆の騎。鑾旗(らんき):鑾で飾った旗。鑾は「すず」の意で、天子の車馬に飾りとして付けた。房闥(ぼうたつ):宮中の室。
⑤(驢輦):(文意)(肅宗(しゅくそう)は訓の)言に従って工事を中止し、更に驢馬を用いて輸送することにしたので、毎年多大な費用が省かれ、また、工事に従事する数千人にも及ぶ人々の命が救われることとなった。 「輦」=レン。てぐるま、こし。人が引く車。輦閣(れんかく=天子の乗った車の通る道)、輦轂(れんこく)の下・・・=天子乗車に用いる台・・・)、輦道(れんどう=天子の車の通る道=輦路(れんろ))、輦輅(れんろ=天子の乗る車=輦輿(れんよ))。
如何でしたか?今回は2~3問、ちょっと難度の問題を含めてみました・・・。
ではまた。
(よみ)
①(籌)を帷幄の中に運らし、勝を無形に制す。 *訓読みで。
②義を扶(たす)け(俶儻)にして、己をして時に失はしめず、功名を天下に立つ、七十列伝を作す。
③述が性は苛細(かさい)、小事に(察)らかなり。(注)述:公孫術のこと(人名)
④衆は尚ほ十余萬、輜重は七千余両、皆な(罷遣)して郷里に帰せしむ。 (注)衆:ここでは集まった兵のこと。
⑤家貧し、常に官の為に傭書して以て供養す。久しく労苦し、嘗て業を(輟)めて筆を投じ歎じて曰く、大丈夫にほかの志略無し。
(かき)
①孔子、言の用いられず、道の行はれざるを知るや、二百四十二年の中を是非し、以て天下の(ギヒョウ)と為し、天子を貶とがめ、諸侯を退け、大夫を討ち、以て王事を達するのみと。
②煦煦(くく)を以て仁と為し、(ケツケツ)を義と為す。
③子張、禄を(モト)むるを問ふ。
④出入りするに法駕(ほうが)し、旄騎(ぼうき)を鑾旗(らんき)し、(ヘイゲキ)を置き陳(つら)ね、然る後に房闥(ぼうたつ)より輩出す。
⑤肅宗(しゅくそう)之に従ひ、遂に其の役を罷(や)め、更に(ロレン)を用ひ、歳に省く費は億万計、徒士を全活するは数千人たり。 (注)ロレン:ろばの引く車
<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)
(読み問題)
①(はかりごと): 籌:チュウ、かずとり、はかりごと、はか(る) *謀を帷幄の中に運らし、知らず知らずのうちに勝を導く。
②(てきとう):*七十列伝を作したのは、義を貴び卓逸にして、その時機を見定めて己を失うことなく、功名を天下に立てた人々を伝えんが為である。 俶:シュク、テキ、よ(い)、はじ(める)、すぐ(れる) 儻:トウ、すぐ(れる)、も(し)、ある(いは)
③(あき):察: 中学…サツ 準1…し(る)、み(る)、あき(らか) *公孫述はこまごまとして小事にばかりこだわる性情であった。 公孫述(こうそんじゅつ):前漢末に巴蜀の地に覇を唱え、光武帝劉秀と最後まで覇権を争った群雄。虚栄心の強い人物として描かれる。苛細(かさい)こまごまと煩わしいこと。
④(はいけん):罷遣:ちょっと難問かも知れません。罷:中学…ヒ 準1…や(める)、つか(れる)、まか(る) 「漢字必携」の常用漢字表では左記の読みしか出ていません。罷免、罷業、罷工、罷士、罷女・・・すべて音読み「ヒ」です。本熟語のみ、大漢和辞典では「ハイ」となっています。ので、出題はされないかもしれませんね。(文意)その集った十余万もの張歩の兵と、輜重は七千余両を、すべて解散させて郷里へと帰らせた。
⑤(や):輟:テツ、つづ(る)、や(める)、とど(める) 熟語「輟業(てつぎょう)」:仕事をやめること。後漢の班超(はんちょう)の故事。後漢の名将。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の言葉を発して多勢の匈奴を奇襲し勝利を得、西域にて諸国を服従。西域都護として勢力を保った。傭書(ようしょ):雇われて文書の書き写しをすること。筆耕。
(書き問題)
① (儀表):手本。模範。法則。*孔子は言の用いられないこと、自らの理想とする政治が行われないことを知ると、魯の隠公元年より哀公十四年までの二百四十二年を記述してその間における諸侯の得失を是非し、これを天下の儀表として天子・諸侯・大夫その身分に関係なく正すべきを正し、王道に達することを願ったのですと。
②(孑孑):孑孑(けつけつ):「げつげつ」とも読む。孤独なさま、小さなさま、孤立しているさま。煦煦(くく):情けをかけるさま、和楽するさま。
③(干):論語・為政編にある故事成語。熟語「干禄(かんろく)」として、「①俸禄をもとめること、仕官を望むこと ②幸いをもとめること」。干:小学…カン、ほ(す)中学…ひ(る)準1…たて、おか(す)、もと(める) 、かか(わる) *この短文だけではこの文章を知らなければ回答できませんね。やや難か。
④(陛戟):陛戟=宮殿の階段の下で戟を持った兵士が護衛すること、また、その兵士を指す。*良くでてくる表現・語句です。(文意)出入りには車駕に乗り、鑾旗を立てた車騎に先導させ、戟を持った兵士を左右に並べ、そうした後に宮中から外に出た。法駕(ほうが):天子の車駕。転じて天子を指す場合もある。旄騎(ぼうき):先駆の騎。鑾旗(らんき):鑾で飾った旗。鑾は「すず」の意で、天子の車馬に飾りとして付けた。房闥(ぼうたつ):宮中の室。
⑤(驢輦):(文意)(肅宗(しゅくそう)は訓の)言に従って工事を中止し、更に驢馬を用いて輸送することにしたので、毎年多大な費用が省かれ、また、工事に従事する数千人にも及ぶ人々の命が救われることとなった。 「輦」=レン。てぐるま、こし。人が引く車。輦閣(れんかく=天子の乗った車の通る道)、輦轂(れんこく)の下・・・=天子乗車に用いる台・・・)、輦道(れんどう=天子の車の通る道=輦路(れんろ))、輦輅(れんろ=天子の乗る車=輦輿(れんよ))。
如何でしたか?今回は2~3問、ちょっと難度の問題を含めてみました・・・。
ではまた。
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