富士市の比奈にある昭和幼稚園の片隅に「おきくばあさんの碑」があり、こんな昔話が伝わっています。
昔、比奈にお菊さんという働き者のおばあさんが住んでいました。お菊さんは若い頃はたいそう遊び好きで毎日毎日遊んでばかりいましたが、死んだ父親の夢を見て、「これからは人一倍働いて、世の中のためになろう」と改心しました。
そうして、百姓の手助けをして村人が驚くほど働き一町六反の田んぼを持つまでになりました。
その日も朝早くから田植えをして、もう少しで終わるという頃に日が西の山に沈みかかって暗くなろうとした。そこでお菊さんは「ああ、おてんとう様がもうすこし戻ってくれたら田植えが終わるのになぁ」とつぶやくと、不思議なことに沈みかかった夕日が高く上がりお菊さんは田植えを終えることができました。
「ありがたや、ありがたや」と腰を伸ばしたところ、そのまま倒れて息を引き取ってしまいました。それから、このあたりを一町六反と呼ぶようになり、お菊さんの塚が建てられました。
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