新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

医療と国民皆保険の崩壊

2008-10-13 09:26:24 | 医師不足の深層探究

Dsc02600   県立大野病院産婦人科事件の波紋(8)

       厚労省も打つ手なし!

 産婦人科学会の実態調査(中間報告)によると、勤務医の「月間在院時間」平均で295時間、最大は、なんと415時間。

 1日労働時間8時間で割ってみると、平均で1ヶ月37日間勤務、最大の医師で、52日間も勤務したことになります。

 「月間在院時間数」は、「月間勤務時間数」178時間と、「月間時間外在院時間」117時間の合計、つまり、在院時間の40%が「時間外」と云うことになります。

 これ以外の月間オンコールも、平均144時間、勤務医への負担の大きいことが分かります。

 奈良県立三室病院は、2人勤務体制でしたが、医師確保のめどが立たず、8月からお産の新規受付を中止。年間200件もの分娩を扱っていました。県立五條病院も産科を休診したまま。大淀町立大淀病院、済生会中和病院も分娩の取り扱いをやめたままです。

 人口当たり産婦人科医師数は全国最低水準になりました。

 厚労省(06年12月)の調査によると、15歳~49歳の女性10万人当たりの産婦人科医師数は、奈良県は31.9人で、全国43位。

 大野病院産科事件以後、産科の一人医長病院は、リスク回避による医師の退職、転職、休止、閉鎖、統合が相次いで、救急車の「産婦タライ回し」の多発が懸念されます。

 消された年金、偽装の請負、偽装の派遣に右往左往する厚労大臣に、なすすべも、打つ手もない有様です。