122)小鳥が戻ってきた!

 30年以上も前、農村建設のモデル=大寨を訪れた私は、その刻苦奮闘ぶりに感動しました。ところが友人の1人は「大寨では小鳥の声が聞けなかった」といいました。樹木がないことを鋭く指摘したのです。大寨も山西省にあり、大同の農村と環境はあまり変わりません。大同でも小鳥の数も種類も本当に少ない。
 この夏、私たちの実験林場「カササギの森」を訪れたときのことです。バスの前に何組かのウズラの家族が現れました。雛をかばってか、飛びもしないし、脇にも避けません。しかたなくバスはそのあとをゆっくりついていきます。この数年で、キジ、ヤマドリ、ウズラ、その他の小鳥がずいぶん増えました。緑が増え、自然が回復してきたあかしでしょう。
 いいことだけではありません。ノウサギによる苗木の被害は深刻化するばかり。ノネズミもマツの根をかじって枯らします。キジやウズラも蒔いたタネや芽生えを食べ、ある年はマメ科の牧草を全滅させました。
 それでも鳥がくるのは大歓迎です。いろんな植物の実を食べては肥料(糞)といっしょに種蒔きしてくれるからです。付近にない植物が生えてくるのはそのおかげ。私たちもヤナギハグミ(沙棘、グミ科の灌木)をはじめ、実のなる樹木をできるだけ植えて、小鳥を呼び集めようとしています。広大な面積に多様性のある森林を取り戻すためには、自然の助けが欠かせません。
 【写真】バスの前をゆうゆうと歩くウズラの家族。緑が増えるにしたがって鳥の数も種類も増えてきた。
  (2006年11月25日号)
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コメント
 
 
 
タイトルバックを変えました (高見)
2006-11-23 18:20:38
センスのないのはわかってますけど、
書いてる内容に沿った、トップページをつくりたかったのです。
今回は、まずは第一歩。
 
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