1197話)うわさ

南天門自然植物園の属する上寨鎮は日中戦争にさいして抗日根拠地だったところです。たとえば平型関の戦いでは八路軍の指揮所がおかれたそう。

プロジェクトがスタートして日本人がくりかえし通うようになると、さまざまなウワサが立ったそうです。

緑化協力だというけど、それはカムフラージュで、ほんとうは日本軍が撤退するときに巨額の財宝を隠したので、それを回収しにきているのだ。

彼らのほんとうの目的は、この地方で死んだ日本軍将兵を慰めることだ。その証拠に、彼らが訪れるのは激戦地ばかりだ。

【解説】私たちのプロジェクトが激戦地に多いというのは事実です。場所を選んでいるのは中国側ですけど、なぜかそうなります。ただ緑化に協力するだけでなく、経済的支援にもなればいいと考えた結果、どうしても貧困な山間の村などになるのですが、そういうところで激戦があったようなのです。

おもしろかったのは、植物園近くの山中で北京からきた山歩きの集団とであったことがあり、自己紹介かたがた持っていた私の本の中国語版『雁棲塞北』を差し上げたんですよ。そしたらその人が自分のブログで私たちの活動を紹介したのです。

それに「地元の人」を名乗る人物が、「彼らは地形などの情報を集めているスパイだという人が多い」とコメントしました。

ブログ主は「それはたいへんだ。あの本をみると、青年団中央や市の幹部、県長、林業局長などがたくさん登場する。大がかりなスパイ集団だから、こんなところで油を売ってないで、公安局に駆け込め」と返したんですよ。おもしろい!

写真は南天門自然植物園の6月です。この時期、南向きの日向斜面は白い花で被われるようで、主の李向東はこの時期がいちばんすきだと話します。

昨晩、張家口市蔚県に到着しました。明日からは蔚県のことを書きます。
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