716話)岸和田のだんじり祭(7)

 なんだ、こんな写真!ぶれてるじゃないか といわれそうですね。でも、シャッタースピードはそんなに遅くなかった。だんじりにあわせて、からだを動かすぼうやの動きが速かったのでしょう。

 今回、岸和田のだんじりをみて、とても印象深かったのは、さまざまの年代層が深くかかわっていることです。役割や年齢層による組織も、重層的にたくさんあるようですね。それはあの彫刻と同じように、奥がふかくて、ちょっとだけみてわかるものではありません。

 だんじりの現場をみて、そして永野さんの話をききながら思ったのは、この行事をのちの世代に伝えようという強い思いです。同行の前中さんは、「すりこみ」という言葉をつかって、それを表現しました。これくらいの小さなときから、だんじりをみて、だんじりを感じて、からだで受け止めて、そして何十年かたっても、からだが動くあいだは、だんじりとともにあろうとするわけですね。遠い地に住処を移しても、だんじりのあいだは故郷に帰ってくる人が多いそう。

 そういうものを、受けて育った人を、ちょっとうらやましく感じます。私の育った村のお祭は、親類が集まって、飲んで、食べて……。飲酒運転の取り締まりがきびしくなって、それも以前のようには成り立たない。
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