715話)岸和田のだんじり祭(6)

 永野さんの家の近くで、私を乗せてくれている前中悦子さんが「あっ、永野さんだ!」といいました。自転車に乗っている永野さんが、いつもとはまったく感じがちがいます。白シャツに法被、白い股引きに、白い足袋(たび)。これが似合うんですね。そして、とてもうれしそう。だんじりが、岸和田の人のエネルギーになっているのが、永野さんをみるだけでわかります。

 だんじりだけをみせてもらうつもりだったのに、家にあげていただいて、昼、夜とごちそうになってしまいました。岸和田の祭では、おでんとカニが欠かせないのだそう。どちらも私の大好物。だんじりで走り回って、いつ家に帰ってきても食べられるというのがいい、と永野さんはいいます。永野さんのおつれあいのおでんは、味噌あじでした。私ははじめて食べましたが、とてもおいしい。

 永野さんが高校生のころは、だんじりの音がきこえると、学校は休みになったそう。だんじりの音がうるさくて、授業が成立しない、という理由をたてて。いまは土・日に固定されていますから、そういうことはなくなったのでしょう。
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