1169話)蔚州古城

中国の都市は古来、高くてがんじょうな城壁に囲まれていました。そのほとんどが正方形で、東西南北の方位にきちんとしたがい、城内の街区もEXCELのようにきちんと区切られています。
ところが蔚県県城の西北のはずれにある蔚州古城は、GoogleEarthの画像で一目瞭然のように、不定形で、城内の道路もまっすぐに通っていません。なぜでしょう?
なんども書いてきたように、蔚県は南の農耕民族と北の遊牧民族とが交わる要路で、いざというときは戦場になります。蔚州城の建設はそのことを強く意識せざるをえず、明代初期の防衛責任者、周房は悩み抜いていました。ある雪の朝、周房が騎馬でこの場にさしかかると、一匹の兎が跳びだしました。あわててそれを追いかけると、兎は逃げます。さらに追いかけているうちに、雪のうえに兎と馬の足跡が大きな輪を描きました。そのうえに城壁を築いたところ、ひじょうに強固な城ができた。ということで、蔚州古城には兎跑城の別名があります。というような話が、この地方の民間に長く伝わってきたのだそうです。
「蔚州古城」をググってみたら、日本語のページは昨年春のGENのツアーに参加したマイチケットの白川千尋さんのページだけがひっかかりました。
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