391話)マツノマダラカミキリ

 丹後きのこクラブのみなさんがマツの枯れ木を割って、なかをみせてくれました。長さ2cmほどのなにかの幼虫がいます。マツノマダラカミキリ、俗にいうマツクイムシの幼虫です。枯れたマツの材を食べて育っています。

 このカミキリムシには重要なパートナーがいます。長さ1㎜にも満たないマツノザイセンチュウ。これがマツのなかで大繁殖して、マツを枯らすわけですね。カミキリムシの幼虫はやがてサナギになり、成虫になって飛び立つわけですが、そのさいに数千から数万という数のマツノザイセンチュウをつれていくそうです。

 成虫になったマツノマダラカミキリは生きているマツの樹皮を食べます。その傷口からマツノザイセンチュウが樹木のなかに入りこみ、繁殖します。そしてマツを枯らします。枯れたマツにマツノマダラカミキリはタマゴを産みつけるわけですね。というふうにマツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウは共生関係にあります。

ですので、枯れ木や枯れ枝を持ち出して焼却するのは、松枯れを止めるために有効な手段です。日本の敗戦の直後、GHQがいたころは、枯れたマツは焼却を命じられていたので、松枯れが少なかった、という話をきいたことがあります。
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