238話)落ち葉

 私たちの緑化協力プロジェクトのなかで、もっともユニークなのは霊丘自然植物園でしょう。植物園といっても、みなさんがイメージされるのとはちがいますよ。ここをスタートさせたのは1999年4月でしたから、ちょうど10年前です。そのころ、ここははげ山でした。はげ山に植物園なんて名前をつけるんですからね。
 86haの一山の100年間の使用権を確保しました。そして周囲の村と協定し、ここでは柴刈りや放牧をしないことを約束してもらいました。約束だけでは信じられないので、管理棟を建て、人を配置して守っています。
 海抜1000m以上の山の上のほうで、森林が回復しつつあります。主人公となっているのはナラです。これまではリョウトウナラ(遼東櫟)とばかり思っていたのですが、スラーッとよく伸びているのはモンゴリナラ(蒙櫟)で、かなりの割合で混じっているよう。
 その下のほうに、落ち葉がたまっています。さらに下には色の黒い森林土壌ができています。たまっていくスピードが速いんですね。私たちの予想をはるかに超えています。乾燥していて、温度が低いのが、その原因のよう。
 そうやって土ができれば、樹木はさらによく育ちます。そうなると落とす枯れ葉や枯れ枝の量もふえます。土が肥え、樹木がよく育ちます。あるところまでくると、ここでも良性の循環が成立するのです。
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