竹田ゆかりのブログ

竹田ゆかりの活動記録
教育問題や時事問題に関する思いなど 

意見書提案・討論

2016-10-09 23:25:50 | 日記
意見書提案・討論

9月定例会では11本の議会議案が提出された。
その内、次の3つの意見書提出について、提案者説明・賛成討論・反対討論をおこなった。

①原発事故避難者に対する住宅無償提供を求める意見書提出について…提案者説明
 「意見書内容」
東京電力福島第一原子力発電所」の事故から5年半の月日が経過した。しかし、事故の収束の見通しはいまだ立たず、
事故によってふるさとを離れることを余儀なくされた避難者は、今も約10万人に上り、神奈川県でも3,500人近い方々
が、鎌倉市では123人の方々が、避難生活を送っている。
子どもの健康を心配して暮らす母子、ふるさとを思いながら子どもや親戚を頼って仮住まいをしている高齢者など、態
様はさまざまであり、いずれの方々も、現在何とか避難先に根差した生活を送っている。
しかし、政府と福島県は、昨年、「避難指示区域外」からの避難者に対する借り上げ住宅等の、無償提供を2017年3月
限りで打ち切ることを決定し、来年度からの福島県による支援策についても、対象範囲や期間、補助額等は限定的で、
住宅支援の継続、拡充を希望する多くの避難者のニーズに、充分に応えるものとはなっていない。
福島県が実施した「区域外 避難者」を対象とした、意向調査の中間発表(2016年3月)によると、回答者のうち7割が
「2017年4月以降の住宅が決まっていない」と回答し、避難者の多くは、支援終了後の具体的な見通しが立っていない
ことが、浮き彫りになっている。
住宅は、最も基本的な生活の基盤であり、中でも自助努力で避難生活をつないでいる「母子避難」の方々にとっては、
唯一の命綱である。これを打ち切られることは、直ちに経済的な困窮に陥るばかりでなく、子どもたちの未来を断ち切
ることになりかねない。
2012年に制定された「原発事故子ども・被災者支援法(以下、支援法という。)」は、被災者一人ひとりが、「支援対
象地域における居住、他の地域への移動及び、移動前の地域への帰還についての選択を、自らの意思によって行うことが
できる」よう「その いずれを選択した場合であっても、適切に支援」することをうたっている。避難者への住宅支援は、
本来この支援法に基づく抜本的な対策や「新たな法制度の確立」が必要である。
よって、本市議会は、政府、福島県及び神奈川県に対し、次の事項を実現されるよう強く要望する。

1 「福島原発事故の避難者」が今のまま、住み続けられるよう、住宅支援策を継続、拡充させること。
2 支援法に基づき、抜本的、継続的な住宅支援が可能な、「新たな制度」を確立すること。


②婚外子差別撤廃のために戸籍法改正を求める意見書提出について…賛成討論
  「賛成討論内容」
1990年「子どもの権利条約」が国連で採択され、日本は4年後に批准しました。その第2条では「条約締約国は、子ども
のさまざまな生まれ方によって、子どもの処遇や権利にいかなる差別もなしに、条約の定める権利を尊重し、確保するこ
と」と明記されています。
しかしながら日本は、これまで、国連人権条約各委員会から、合計11回にも上る「婚外子差別に関する懸念勧告」が出さ
れ、今日に至っています。勧告内容は
●「婚外子に対し、差別しているいかなる条項も、法律から削除すべきである。 
●あらゆる子どもは、平等の保護に値する。
●公的文書において、婚外子としての出生が記載されることをとりわけ懸念する。
●是正する立法措置が取られるべきである。
とのものです。
そして、2013年12月5日、「民法の一部を改正する法律」が成立し「嫡出でない子の相続分が、嫡出子の相続分と同等」
になりました。したがって、出生届において、嫡出子か嫡出子でないかを、区別して記載する必要はなくなりました。
この結果を受け、婚外子差別を撤廃するためにも、「出生届」に設けた、「嫡出子、嫡出子でない子」の別を記載する欄
を一日も早く廃止すべく、速やかに戸籍法を改正するべきです。
今年「全国連合戸籍住民基本台帳事務協議会総会」に対し「東京都 戸籍住民台帳事務協議会」から、「出生届における
嫡出子、嫡出でない子の別の記載欄を廃止すること」を協議するよう提案があり、総会での協議の結果、総会の総意とし
て法務省に対し、要望がなされました。
本鎌倉市議会としても、この総会の「総意を尊重」し、法改正に向けた後押しをすべきと考えます。
また、戸籍の実父母及び養父母との「続柄の記載方法」について、2004年11月に変更されましたが、これ以前に作成さ
れた戸籍では、嫡出子と嫡出子でない子との記載方法が異なっており、申し出により記載の変更が可能になりましたが、
申請においては、手続面や心理面で過重な負担が生じています。
しかも、続柄の「更正申し出」だけでは、「紙の戸籍」の場合には、抹消線が引かれてかえって目立ってしまい、電算化
された戸籍では、「従前の記載」の欄にそれまでの記載内容が残り、いずれにしても従前の記載が残ります。
そこで、新しい戸籍をつくる「再製申し出」をすれば、戸籍を新しく作り直すことができますが、2004年11月から現在
での、本市における「更正申し出」件数は49件あるのに対し、「再製申し出」は10件にすぎません。
法務省民事局からは、「再製申し出」ができることを十分に説明するよう、通知が出されています。本市でも窓口におい
て、通知内容を徹底するとともに、意見書にある通り、不要な「出生順記載」をなくし、戸籍事務の簡素化を図るために
も戸籍法の改正が必要であると考えます。
「婚外子差別記載」は人権侵害です。生まれ方がどうであれ、子どもはみんなどの子もかけがえのない大切な存在です。
生まれ方によって、子どもの処遇や権利にいかなる差別もあってはなりません。
一日も早い、婚外子差別のない社会の実現に向けて、本意見書の主旨に賛成し、以上討論と致します。


③チーム学校推進法の早期制定を求める意見書提出について…反対討論
   「反対討論内容」
本議案、早期制定を求める「チーム学校推進法」は、正式名称「チーム学校運営の推進等に関する法律案」として、5月27日、
衆議院に提出され、今臨時国会において9月26日に「衆議院文部科学委員会」に付託されました。しかしながら、その中身に
ついては、付託先において、現在全く議論がなされていません。
この推進法によって、具体化が予想される取り組み内容については、中教審から出された答申、「チームとしての、学校の在
り方と、今後の改善方法」や「法律案 概要」で示されていますが、評価できる部分はあるものの、内容によっては、学校現
場に、どのような効果が生み出されるのか、または新たな課題が生じてくる可能性など、かなりの部分が未知数であります。

そもそも、文科省は、これまで「学校の教育条件整備として、少人数学級」をすすめてきました。しかし、2014年10月、財
務省から「35人以下学級による費用対効果が見られないとの主張により、すでに35人学級になっている小学校1年生をも、
40人学級に戻すべき…」との発言があり、国民の猛反発を受けたことは、記憶に新しいところです。

学校現場が抱える様々な課題を解決して行くには、言うまでもなく、学校現場や保護者、地域の声、子ども達の声に立脚した
「教育施策と、教育諸条件の整備」であるべきと考えます。
教育費削減・教育条件整備の抑制…そのためのボラティアも含めた「チーム学校」とならないよう、「チーム学校推進法案」
については、拙速に決めるべきではなく、十分な議論を尽くして、子どもや保護者、教職員、地域社会、あらゆる立場の意見
をくみ取り、慎重に議論をするべきと考え、本意見書提出に反対致します。
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図書館協議会に、社会教育関係者不在で良いのか!

2016-10-09 06:10:50 | 日記
図書館協議会に、社会教育関係者不在で良いのか!

少し長い話になるが、最後までお読みいただきたい。

9月一般質問で取り上げた3項目は「鎌倉市図書館運営について」である。

昨年7月、教育委員会は、
「今後の鎌倉市の図書館運営については、中央館に正規職員を集約し、4地域館は非常勤嘱託員を中心とする」
という内容について、図書館協議会に諮問した。

6月議会一般質問では、
①図書館正規職員や非常勤嘱託員に十分な説明もなく、問題点等の検討もなされぬまま諮問された問題性。
②鎌倉市の地域図書館は、利用率が市内図書館全体の70パーセントを占めている。
 それは、市の方針「図書館サービスが市域全体に行渡るようにする」に合致している。
 カウンターでの的確なレファレンスは、専門性と長年の経験の蓄積によるところが大きい。
 非正規化による、地域館の弱体化が避けられないのではないか。
等々指摘した。

さて問題が起きたのは7月28日。いよいよ答申案について審議する日だった。

委員が4人しかいない。

理由は、前回の協議会の後、委員のお一人が転居し、委員のお一人がお亡くなりになるという事態が生じていたのだ。
転居された委員の替わりは、市民代表者として別の方が選任された。
しかし、お亡くなりなった委員の替わりの方(社会教育関係者)の選任については、
図書館長が、「無理に選出しなくてもよい」と言ったために、
社会教育関係者不在のまま、答申案が協議され、2対1で可決したのだ。

お亡くなりになられた社会教育関係者代表の方は、
最後まで、地域図書館の非正規化について懸念を示していらした方である。
だから、というわけではあるまいが、
「社会教育関係者」を軽視したこと、不在のまま答申案可決したことの問題性を、今9月議会で指摘した。

図書館長の発言について、本会議で、教育長が謝罪したが、ことは謝罪で済む話ではない。

この指摘がもとになり、11月に予定されている図書館協議会で、社会教育関係者代表を入れて、答申案について改めて協議することとなった。

協議会とは何のためにあるのか。
市が進めたい方向を、協議会委員が追認せざるを得ないような、結論ありきの協議であるならば、
協議会の存在する意味がない。

市民に支えられて、これまで充実してきた鎌倉市図書館運営。
市民共働は、言葉だけか。

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