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法律は無理を強いない。JR東海認知症事故。

2016-10-10 23:59:10 | 日記
法律は無理を強いない。JR東海認知症事故

10月8日、公益財団法人「市川房枝記念会女性と政治センター」主催による講座、
「家族の法的責任―JR東海認知症事故最高裁判決について考える」(講師:住田裕子)を聞いた。

2007年12月7日東海道本線共和駅で、認知症の男性(当時91才)が線路に立ち入り、列車にはねられる事故が起きた。
その結果、列車運行に支障が生じたことにより、振替輸送費等の損害賠償が発生し、損害賠償を請求する訴訟が提起された。
損害賠償720万円は、男性の妻(当時85才)と長男に請求された。

一審・二審がくつがえり、今年3月1日、最高裁判決は、JR東海の請求を棄却。妻・長男の損害賠償支払いの義務なし、と結論付けた。

判決理由は、「妻は、85才。要介護1であり、長男の補助を受けて介護をしていた。夫の加害行為を防止することは可能ではなかった」
また、「長男は、同居しておらず接触も少ないため、法定の監督義務者といえない」との判断だった。

今回の判決は、「現実に具体的に、加害防止のために監督ができるかどうか」という視点から判断するという画期的な判断だった。

最高裁判決の心は…。
「法律は無理を強いない。実情に沿った現実的な解釈をすべきである。」ということだ…と住田氏。

高齢化社会が進む中、「認知症高齢者が第三者に損害を与えた場合に、誰が責任を負うべきか」という判断は、
具体的に今後ふえてくると予想される。

高齢者が“住み慣れた地域”で介護や医療、生活支援サポートを受けられるよう…と、
国は包括ケアシステムの整備を市町村に求めますが…。

日々介護に携わっている人が、健康な人だったら、損害賠償が発生するということか。
訪問介護に携わっている人の場合はどうなるのか。
介護施設の責任者の場合は。

残された課題をどう解決していくのか…。