JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

技術の見直し

2015-08-24 | 臨床・治療
私たち臨床家の多くは、臨床技術を向上するためにいろいろな講習会・勉強会に参加して新しい理論やテクニックを学び日々の臨床に取り入れます。
私の場合、新しいものを取り入れたことでそちらに時間を費やすために、今までやっていたことをしなくなることもあります。しかし今回「テクニックを定期的に見直すことは必要だなぁ」と思うことがありました。

先日夏休みをいただき、奥さんの田舎に行ってきました(奥さんと娘は先に帰省)。その数日前より臨床中や普段の生活の中で時折腰の重みを感じていましたが、さほどひどくもなかったので治療しないまま片道4時間近くのドライブに出発しました。道がすいていたため途中の休憩をとらず、気分よく一気に目的地まで向かってしまいました。これもよくなかった(患者さんには「ドライブに行く際はこまめに休憩をとって『ぱなし状態(座りっぱなし)』は極力避けてくださいね」などと話すのに)。
夜に到着し、翌朝から腰に異変。立位の時、ふと向きをかえたときに腰が抜ける感じが起こる(「痛みが走る」というのではなく、「一瞬、腰の力が抜けて膝折れして崩れおちそうになる」感じ)。1日半それで過ごしましたが、川崎に戻る日、そのまままた4時間近く運転して帰るのが不安になり、義父が通っている近所の整体院を紹介してもらって施術していただきました。そこの先生はとても上手で、仙腸関節部の違和感を訴えたらとても気持ちよくPSIS部付近をほぐしてくれました。と同時に中殿筋や大腿外側部(大腿筋膜張筋~腸脛靭帯)の張りに対し、痛みを感じさせない圧テクニックでほぐしてくれました。あとは全体的に流すように整えてくださいました。そのおかげで腰の脱力はなくなり、帰りも休憩なしで一気に帰ってきました(学習力0)が、その後も症状はでていません。
仙腸関節の施術ももちろん功を奏したと思いますが、自分的には(受け手側の観点から)大腿外側の施術が非常に効いたように感じました。普段立位姿勢が多く、しかもやや前屈状態を維持して立っていたりするので脚や尻の筋にかなりの負担をかけていることに加え、今回、休憩をとらずに座りっぱなしの姿勢で長時間いたことも腰だけでなくハムストリングスをはじめとする下肢筋に負担をかけたと推測しました。思えば以前は私ももっとここに時間をかけて施術していたことがあったのに、違うテクニックを学び取り入れたことで最近は軽ろんじていたなと反省し、最近ではまた必要に応じて加えるようになりました。

自分の治療が「完成する」ということはないんだと実感します。
「もっと効率よく効果的に」「できるだけ患者さんに負担をかけずに」などを考えていけば、理論・技術を『更新していく』ことはあっても『完成』はないし、してもいけないと思っています。



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