不妊・子宝鍼灸治療に力を入れるようになって何年も経過し、今までたくさんの出産報告をいただいてきました。
メールやLINE、そしてお近くにお住まいの方だと直接あかちゃんを見せにいらしていただけたり。
あたらしい生命の誕生に少しでも関われたことはいつも心から感動で、自分がこの世に産まれてきた価値が少しはあったかなと感じられてとてもとても嬉しく思う瞬間です。
今まではいただいた嬉しい出産報告は、公開はせずに自分の宝物として持っていました。過去のブログでも書きましたが、「妊娠・出産報告談が、不妊治療継続中の方にとって参考や励みとならず、逆に落ち込ませてしまうことになったりしないだろうか」という心配が先に立ってしまうからでした。
でも、ここ数年患者さんたちとお話しする中で、「SNS等でさまざまな報告を参考にすること多く、役に立っている」と聞くことが度々あり、ご紹介した方がよいのかどうしようか考え、迷っておりました。
また、出産されたばかりで育児がそれはもう大変なときに「すみません、お手数ですが通院時のことから出産にかけてのことを体験談としてお書きいただけませんでしょうか」と、こちらからお願いすることもご迷惑になりそうでお願いできずにおりました。
そんな中、今回いただいた出産報告が、不妊治療に取り組まれている方々が少なからず体験される内容が含まれ、それがとても細かく文字で表現してくださっていて、「これから不妊治療に取り組もうとされている方」「すでに頑張っておられる方」共にご参考になるのではないかと感じ、報告をくださった方に許可を得、そのままの内容で掲載させていただけることになりました(個人が特定されるところやクリニックに関しては◯で伏せました)。
不妊治療に取り組まれるご夫婦・ご家族に少しでもご参考になれば心より嬉しく存じます。
潤天堂 小宮様
ご無沙汰しております。
昨年の冬くらいまで不妊鍼の施術を受けさせて頂いていた◯◯と申します。
最後にご連絡した際には妊娠7週目で大々的な出血騒ぎがあり、そのままになってしまっていました。その後何とか無事に産院に転院し、4月◯日に予定日よりも3週間早く無事男の子を出産しました。いま退院して自宅で家族とともに2,3日あたふたしながら慣れない育児に奮闘しています。
小宮様には安定期に入った際に連絡したいと思ったのですが、無事出産するまでは何が起こるか分からない不安も残っていたので、今日に至ってしまいました。産まれてからも色々と心配な事も多いのは変わらないのですが、区切りとして。
小宮様の治療院に通い始めたのは最初の採卵から移植の周期で上手くいかず、これからどうしようか考えていたときでした。私のかかっていた◯◯病院は、患者の希望する医療行為は最大限行うし、高度な医療技術は提供できるけれど、カウンセリング的な要素や医師からの積極的な提案は少なく感じていました。また、私や夫も不妊治療に関する知識を集めてはいても、上手く探せているかは不明瞭で、医師と上手くコミニュケーションがとれているか悩んでいました。
そんな中潤天堂に通うことは身体を整えるだけでなく、不妊治療について相談できる貴重な場所のひとつになっていました。少しの雑談でも自分の疑問に思っていたことに対してやりとり出来た事は精神的にもとても助けになっていました。本当にありがとうございました。
今後はまだいつになるかは分かりませんが、受精卵が少し残っていまして、もし宜しければまたそのときに潤天堂に通わせて頂きたいと考えています。
それでは長くなってしまいまして、申し訳ありません。お読み頂きありがとうございました。
今後も引き続きどうぞよろしくお願い致します。
◯◯さま
ご出産おめでとうございます!
実はなんと今日、◯◯さんのことを思い出していたところでした。胚盤胞を移植されたのが2022.8/◯だったので、計算すると「予定日は今年の5/◯くらいかな、もう少しだな…。連絡してみようかな…、でも、もし順調な経過を辿っていなかったら…」と考えてしまうと、「こちらからの連絡は控え、ご出産の連絡を待とう…」そう思ったところでした。なのでその数時間後に◯◯さんから連絡が入ったので飛び上がるくらいびっくりしました。
本当におめでとうございます。僕もまるで家族のように嬉しく感じております。
嬉しい内容のお言葉ありがとうございました。施術者にとってこれ以上ない嬉しいお言葉です。身体だけでなくほんの少しでも心の支えになれたのであれば本当にうれしく思います。この仕事やっててよかったなぁと。
赤ちゃんもママもパパもみんな一年生です。思うように事が進まないことや不安なことがいっぱい出てくると思います。でも、最初から上手に完璧にこなせる人はいません。コツをつかみながらひとつひとつなんとかクリアして親も子も成長していくものですから、けして焦らず、大変な育児をたのしむ気持ちもこめて頑張ってください。困った時は、ご夫婦で話し合って、親を頼って、行政を頼って、もちろん潤天堂のおじさんも頼って、遠慮せずにいろんな人の力を頼って進んでいきましょう。
2人目を考えて凍結胚の移植を考えた時はまたご連絡ください。また全力でサポートさせていただきます。
かわいい赤ちゃん、本当におめでとうございました!
潤天堂 小宮猛史
この問い合わせの内容は、以前にも数名から寄せられたものとほぼ同じなので、
おそらく他にも同じように疑問をもたれている方もいらっしゃると思います。
なのでその内容をまとめてみることにしました。
Q1:不妊鍼灸を専門でおこなっている治療院のホームページに、かなり高い確率の妊娠率が表示されていたのですが、そんなに確率は上がるのでしょうか?
お返事:例えば当院の場合、体外受精に進まれている方の受療率が多く、それまで採卵の成績や体外受精時の受精率が良くなかったり、胚盤胞にならないなどの成績が改善することを多くみますので、鍼灸を併用することで妊娠率を上げる一助になっていることは実際に感じています。
当院では表示しておりませんが、「妊娠率」とか「ご懐妊」という表現で院の成績を「%」で示されているところは結構あると思います。その治療院がどの時点をもって「妊娠」とし、妊娠率に計上しているのか直接問い合わせしてもよいかと思います。判定日に採血してhcgの値が出れば「着床」したことがわかり、その時点で「妊娠」と告げられることもあります。次のステップではエコーを用いて子宮内での「胎嚢の確認」が行われます。そして次が「心拍を確認」に進みます。
あまりに高い確率で表示されているのは「妊娠=着床した」といういちばん最初のステップを含めたものではないかと思います。ただ、着床はしても残念ながら心拍の確認まで至らなかったということもありますので、そこで表示されている「妊娠率」がそのまま「出産率」につながっているかはまた別になってしまいます。
ですので直接その治療院に連絡して確認してみてください。忙しい治療院だとお電話で丁寧にお答えいただくのはむずかしいかもしれませんので、メールなどで問い合わせてお返事を待つようにするのがよいかと思います。
Q2:治療院によって治療費が倍以上違うところがあります。なぜそんなに差があるのでしょうか。
お返事:不妊施術だけでなく一般の鍼灸の治療費も院によって値段はまちまちです。それは保険を使用しない自費施術院の費用は各院で設定できるからです。
鍼灸施術は医師の同意を得て保険が使える傷病もありますが(神経痛・リウマチ・五十肩・頚腕症候群・腰痛症・頸椎捻挫後遺症など)、施術が制限されるため保険を取り入れていない院も多く、そもそも不妊治療には鍼灸は保険の扱いがありません。施術費の設定は、さまざまな院の経費(スタッフが多い・テナント代が高いなど)を含めて算出されていることもありまちまちになります。
高くても、施術を受けて「ここの施術にはこの値段の価値がある!」と感じれば、がんばって通院する努力ができるでしょうし、「うーん…」と感じれば断念することになると思います。今までの成績が良くないような場合は、こころとからだの両方をケアしていくことが大切で、少なくても週一回の定期的な施術が必要になります。
ただ、残念なことに弱みにつけこんで大した施術もしないのに施術費用をぼったくる悪どい院もあると聞きます。施術を受けていて納得ができないと感じられるようなときは、不妊治療に力を入れている他の院の話も聞いてみて参考にするのもよいと思います。