せっかくのクリスマスなのでサンタさんについて。
これは以前、TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」のゲストで空想科学研究所主任研究員、柳田理科雄先生がいらしたときにお話になっていたことです(※この内容が載っている空想科学読本12」が手元にないのでネットで検索)
世界中の子供たちにプレゼントを配るサンタさん。それも一晩で。
どうやって配っているのかな~なんて考えたことありませんか?
そう、トナカイの引くソリにのって夜空を行くサンタさんを思い浮かべますよね。
では実際はどうなんでしょう。科学で検証してみましょう。
◎サンタクロースがプレゼントの対象とする子供の数18億人
◎所要時間、12月24日の午後10時から25日の午前5時の7時間。但し西へ向かっていけば時差を利用できるので32時間使用可能。
◎世界の陸地面積は1億5千万平方キロメートル。そのうち砂漠や森林、農地や工業地帯除く5%に人家が広がっていると仮定。
◎子供のいる家に対象となる子供が平均2人いると仮定。訪問する家は9億件。
以上の条件から
○家々の平均間隔は81m。
○トナカイが走る総延長距離は7200万km
○32時間で走破するスピードはマッハ1900。
実際問題サンタクロースがマッハ1900でかっとんだら、衝撃波で辺り一面一瞬にして粉砕。
空気との摩擦で辺り一面一瞬にして焦熱地獄。または蒸発。
さらにプレゼントを渡すためにマッハ1900で家に入るなど考えただけでおそろしい。
が、子供に夢と希望を与えるサンタクロースがこんな破壊活動を行っては洒落にならないので、さらなる仮説を加えます。それは
サンタクロースはあらゆる物質をすり抜けることができる
この仮説を加えることによってサンタクロースの32時間世界一周プレゼント配りが説明できるようになります。
◎あらゆる物質をすり抜ける以上、空気もすり抜けるわけだから衝撃波は発生しない。また、当然摩擦熱も発生しない。
◎あらゆる物質をすり抜ける以上、何にぶつかっても何の被害も発生しない。
◎古今東西においてサンタクロースの目撃談は一切ないが、そもそもマッハ1900で移動するものは肉眼はおろか現存するいかなる観測機器を用いても認識不可能なので当然である。
ただ、サンタクロースが抱える問題がまだ2つありました。それは
◎プレゼントを渡すために手放した瞬間、プレゼントは物質透過能力を失いますが(そうでないと子供たちは受け取ることができません。すり抜けてしまうため)、その瞬間プレゼントはマッハ1900でかっとぶ弾丸(砲弾?)と化し、その破壊力は1g辺り48キロ分。
◎マッハ1900で移動すると重力の6千倍の遠心力が発生し、一瞬にして地球の重力圏を振り切って宇宙の彼方へ飛んでいく。
この問題を解決するには以下の対策が必要です。
◎プレゼントを手放すときに後方にマッハ1900で放り投げる。そうするとソリの移動速度と相殺されプレゼントは無事その場に着地する。但しこれに要する腕力は2000万トン。ちなみにソリを止めるとサンタクロースの体重は体重の20億倍の衝撃を受けます。
◎自分の重力を6千倍にコントロールする。この能力があれば遠心力と重力のバランスを調節することで自分とトナカイが自由に飛行できる
こうしてサンタクロースの正体がわかってきました。
◎あらゆる物質を透過し、重力を6千倍までコントロールするX-MEN顔負けの超絶超能力。
◎2000万トンという鉄腕アトム真っ青の規格外腕力。
◎マッハ1900で走るトナカイをパートナーに前述の重力コントロール能力を併せてスーパーマンそこのけの限界突破 超音速飛行。
そうなんです。ただの白いおヒゲを生やした優しいおじいさんではなかったらしいのです。
怖がるといけないので子供たちには内緒にしてください。
資料 「空想科学読本12(科学で解けない超難問)編」
著者 柳田理科雄
発行所 株式会社メディアファクトリー