(ホテルティダムーンにて)
田中一村記念美術館訪問目的の奄美大島の旅(過去記事)、目的を果たしたとはいえ、さすがに日帰りは出来ませんので、ホテル(奄美リゾートホテルティダムーン)に1泊して、翌日(12月11日)は島全体は回れませんので、帰りの飛行機の時間(15:15発)までの4時間ほどホテルと空港近郊の奄美北部をタクシー観光しました。
(ホテルティダムーンにて)
奄美といえば、やはり自然、それも南国の島のイメージですね。ということで、出来ればそんな風景が撮れればと今回は最近買ったばかりのユーティリティズームレンズ(24-240mm)を付けて、コンパクトカメラとともに一眼も持っていきました。
ただ、前日は雨、当日も変わりやすい天気で、しかも身体をもっていかれるほど風も強くて、まともな写真はほとんど撮れませんでした。これまでも少し紹介済みですが主には、比較的条件の良かったホテルでの風景写真を中心に、4時間の奄美北部の旅をご紹介します。
そのホテルティダムーンですが、空港からは車で10分、田中一村記念美術館(奄美パーク)からは5分ほどの海岸にあり、天気が良ければさぞかし海も綺麗で風光明媚なホテルかと思います。
田中一村記念美術館の近くということもあって、一村のポスターが沢山飾られています。販売しているものもありますが、原寸大のスクリーン印刷は50万円ほどの値が付いていました。
そして、旅行といえばやはり食事、夕食は「島会席」というものでした。島の料理らしく素朴でしたが、美味しかったです。(下左の2枚が地元名物の「鶏飯」というもので、ご飯の上に具材を載せてスープをかけて食べます。一杯飲む人には特に仕上げにいいかもしれません。下右端は朝食です。)
(ホテルティダムーンにて)
さて、それではホテルをタクシーで出発、観光スタートです。
ホテル近くの展望台経由で、最初に訪れたのが「大島紬村」でした。
大島紬、高級反物として有名ですが、ここでは30分ほどの工場見学がありました。その見学で、何故大島紬が高価かがよく分かりました。
詳しくはこちらをご覧ください。
ともかく工程が複雑で手間が大変です。設計図にもとづいて糸を先染めするのですが、そのために木綿糸でまず機織り同様に絞りを入れます。それを木材の汁と泥で交互に何十回と染めて、あの独特の黒い色を出します。さらに黒以外の色は、その色を織り込んだ糸の一部に染色します。その後、織る順序に糸をほどいていきます。それを設計図どおり織り込んでいきます。当然、模様にズレが出来ないように、何度もズレを直しながら織っていきます。簡単にはこんな工程ですが、正確には何十工程もあるようです。
上左から、染めに使うテーチ木、その木をチップにして煮だして染色液に、泥染めの工程、テーチ木染めと、泥染めを繰り返します。
下左から、絞りを入れる織機、色付け工程、最後の2枚は織の工程
経糸と横糸に模様を染めこんで、それらが交差した点を「絣(かすり)」といいます。つまり大島紬はこの絣(ドット)の集合で模様を作っていく点描画ということです。このドットが細かいほど手間がかかり高価ということです。また、紬とは、くず糸から繊維を取り出して数本を縒りをかけて糸にしていく技法のことです。大島紬は絹糸ですが、従来はこの紬の技法で作られていました。しかし、現在は生糸を使用しているということで、紬とは言えず、製法からは「大島絣」が正しいようです。
以上、にわか勉強の成果でした。
次に訪れたのが「蘇鉄」の群生地です。山全体に蘇鉄が植わっているのですが、これは植栽したものとのことです。目的は食用ということですが、現在もというより、戦中戦後の食糧難の時に、蘇鉄の実から澱粉を取って、おかゆのような物にして食べたということです。
わずか4時間でしたが、整理してみると結構訪問してます。次に行ったのが西郷さんの謫居(たっきょ)跡でした。大河ドラマ西郷どんを観ていなかったので、「へ~」程度で終わりましたが、錦江湾に月照さんと入水自殺後、島津家がかくまった跡が観光地になっていました。
六畳二間程度でしょうか、西郷さん三十三歳で、愛子さんという人と結婚していて、この家には2か月住んだだけということです。なお、近くの墓地には愛子さんのお墓があります。
この後、奄美の景色が楽しめるところということで、2か所を訪れました。冒頭お話したように、雨と強い風でまともな写真が撮れていませんが、ご紹介して奄美大島北部巡りを締めたいと思います。
「奄美自然観察の森展望台」
「あやまる岬」