映画「ローマ帝国の滅亡」を見た。映像が最高に美しい。ローマ軍団が行進する様子が当時そのままに再現されている。背景には、山中に、古代の城塞が、おもおもしくそびえている。
「人類の歴史で最も幸福な時代」と言われた五賢帝時代に、ローマ帝国は既に抜き差しならぬ問題を抱えていた。そういう場面から映画が始まる。
開始のナレーションが語る。「ローマ帝国の滅亡の原因について、多くの人が興味を持ち、研究もなされてきた。思うに、滅亡の原因は結局、一つではない。いくつかの原因によるものと結論できる。」
物語の時代は二世紀後半、西暦180年、マルクス・アウレリアス帝の時代である。
ローマ帝国の黄金時代に、皇帝アウレリアスが登場する舞台は、南国地中海に近いローマではなく、はるか北方、アルプスの山中である。映画では、たびたび雪が降る場面が映し出される。
ローマ全盛の時代に,皇帝が住んでいるのは、雪の降る北国の山中にある城塞である。映像は、遠い過去の時代の一つの側面を、しかも重要な側面を、一瞬にして理解させてくれる。
この時、アウレリアス帝は雪の降る南ドイツで、ゲルマン民族と戦争をしていたのである。この時相手にしていたのは、ゲルマン民族の支族のひとつ、ババリア族である。
ドイツの歴史を勉強していると、バイエルンのことをババリアともいうので、慣れるまで苦労しましたが、この映画を見て、バイエルン地方はババリアという名前で、歴史に登場していたのだと、納得しました。
塩野七生の「ローマ史」は少しずつ、ゆっくり読むとして、今回はウィキペディアで、この映画と関連する部分だけ、復習しました。以下に引用します。
ウィキペディアからの引用開始
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『ローマ帝国の滅亡』(ローマていこくのめつぼう、原題:The Fall of the Roman Empire)は、1964年のアメリカ映画。
あらすじ[編集]
領土を拡大するローマ帝国も五賢帝時代には拡張の限界を迎えざるを得なくなった。蛮族ババリアと東ペルシャはいまだローマに屈してはいなかった。
病床のアウレリウス帝は後継者の選定に悩んでいた。息子のコンモドゥスはあまりに暗愚であり、有能な軍団指揮官リヴィウスに禅譲する以外ないと考えるようになった。しかしながら、後継者を指名する以前にアウレリウス帝は盲目の侍従クレアンデルによって暗殺され、慣習によってコンモドゥスが帝位を継承することになった。-----引用終了