樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

散歩

2009-12-15 23:20:42 | 日記
父と散歩をした。
何年ぶりのことだろう。

まだまだ元気で途中準備体操をしたりしながら歩いたその同じ道を歩いた。

実家の裏にある某薬科大学の周りの、人が3人並べば一杯になってしまう
そんな細い裏通りをゆっくりゆっくり時間をかけて歩いた。途中3度ほど彼は腰をかける。
そうしないと歩けない。

座りながら、杖にあごを乗せ、何を見つめ何を考えていたのだろうか。
週があけると1週間の入院が決まっていたから、そのことを考えていたのだろうか。
あるいは見事に散ったイチョウの葉っぱに見入っていたのだろうか。
               

この道には、私の大好きなヒマラヤスギ、スダジイが植えられている。
もう何年ここに立ちっぱなしなんだろうか。
私達が生まれる前からずっと立ち、周りの変化を見続けているんだろうなあ。

                    

金沢へ帰る間際に、食器を洗った。いつも金沢へ帰る時の父との挨拶は「握手」
食器を洗ったその手で、握手した。

父はビックリして飛び上がらんばかりとなり、以前よく見せていたはにかんだような笑顔をいつも以上に相好を崩し笑った。
私の手が冷たかったそうな。
そしてこれもまたいつものように、椅子に座ったまま右手を上げて手首をクルクルっと回す。
そのうしろ姿、いつもどおりの別れ方だったけどなんだか後ろ髪をひかれる思いだった。