二階で
「きゃあきゃあ~」
という変な鳴き声
と、バタバタという足音がするので
上がってみると
手すりの上に子猫がいる。
と。
以前に述べたキジトラ猫が
私の足元をすり抜け
階段を下りて行った。
子猫は
最近は、昼間単独で
我が家を訪れ
食卓テーブルの下のゴハンを食べた後
二階の温かい日差しの降り注ぐ和室の
畳の上でくつろいでいる。
さて、キジトラに
子猫がイジメられてるのかと思ったが
孫のような存在の子猫をイジメるとは考えにくい。
片時も離れてほしくない
いっしょに遊びたいと
追いかけっこをしてたのか
たぶん
「キミはこちらのお宅の猫じゃないんだから
そんなにしょっちゅう来るんじゃないの。
ウチに戻りなさい。シッシッ」
と、猫たちのリーダーらしく
飼い主に気を使っての
行動なんじゃないかと
直感的にひらめいた。
子猫、ママ猫、そしてキジトラ
彼らに飼い主がいるのは
いまだ確定はしないが
最近になってようやく
「おそらく」
いそうなんだなと
思い始めたばかりだ。
キジトラ猫は
8歳ぐらいのオス。
尻尾が太く先端が丸くカットされている。
ママ猫は3歳ぐらいかな。
子猫はオスメス不明で6か月かな。
はじめは、そのお宅にはキジトラだけだったが
そこにメスの子猫が来た。
その子猫が妊娠して
子猫を産んだのだ。
昨年の木枯らしが吹き始めるころ
ニャーゴニャーゴ
という声がするので
サッシを開けると
キジトラがコチラを見ていた。
菓子の器に
ミルクを入れて
犬小屋の上に置いてサッシを閉める。
飲んでいるかな
と、カーテンをずらしてそ~っとのぞくと
ママ猫と4匹のよちよち猫がミルクを飲んでいたのだ。
キジトラは
ちょっと離れたところから
寝そべり満足そうに眺めている。
彼らが来るたびに
ゴハンとミルクをタップリ用意した。
何度か
ママ猫が先に食べようとすると
「子どもが優先だろ」と
キジトラがママ猫を追いはらうシーンに出くわした。
ある日。
子猫がいなくなったようで
ママ猫は
狼狽した鳴き声で
近所や
私のうちの中を巡り歩いたことがあった。
自宅の庭の片隅に猫たちの住処を発見した誰かが
保健所に持って行ってしまったんだろうか。
私自身も胸が締め付けられる想い出数日過ごす。
ほどなく
ママ猫と一匹の子猫が
舐め合っている姿を目にして
少しホッとする。
近頃は
子猫はやんちゃになり
ソファやカーテンに隠れていて
突然ママ猫にとびかかったり
パンチを浴びせたりする。
キジトラは今度は
ママ猫に対するよりも
子猫に対して
「大人をなめんじゃないの」
と、しつけに忙しいのだろう。
その忙しさが逆に
キジトラの生きがいなのかもしれない。