京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー
令和元年度 第4回コレクション展 展示目録
後期 9月10日(火)~ 10月27日(日)
A.和装いろいろ
美術館HPより
「ここに紹介する画家達の殆どは、洋装が一般的になった社会に暮らしていました。しかし、京都では伝統的な装いが相応しい職種、あるいは、その装いを支える職種、が盛んであったため、他の都市に比べると、比較的和装で生活し、働く人々が今も多くいます。例えば、五花街の芸・舞妓さんや島原の太夫さん。彼女達の伝統的な装いは、京都に限らず東西の画家達の興味をひき、描かれてきています。また、近代以降の画家は、たとえ歴史上の人物を描く時であっても想像だけで描くことが出来ませんが、京都に多く残る古裂や古い服(いわゆる着物や装束、袈裟など)の伝統的な模様や柄、形状を写すと共に、立体裁断の洋装とは全く異なる、直線で構成された和装を自然に着こなす人々を写生することにより、リアルな表現を追究することが可能でありました。もちろん、その造形の面白さに注目した作家もいました。そして、和装の模様や柄は、衣服の着用される季節と分かちがたく、背景を描くことなくその装いだけで、季節感や、時には人物の感情までをも表し得るため、和装人物は、簡潔な表現を得意とする日本画に最適なモティーフであったとも言えるでしょう。いろいろな日本の伝統的な衣装を纏った人物像から、いろいろな事を読み取っていただければ幸いです。」
菊池契月 1879 - 1955 禿童遊楽図 昭和初期 絹本着色 後期
菊池契月 1879 - 1955 松風 1940 絹本着色 後期
寺島紫明 1892 - 1975 彼岸 1946 絹本着色 後期
甲斐庄楠音 1894 - 1978 虹のかけ橋(七妍改題) 1915-76 絹本着色 後期
粥川伸二 1896 - 1949 西婦倭装図 c. 1919 絹本着色 後期
B.秋の日本画(後期)
美術館HPより
「秋と言えば紅葉。京都で実際に紅葉を目にすることが出来るのは11月に入ってからですが、9月の声を聞くと、何故か紅葉が気になってきます。近代京都画壇を代表する日本画家達の紅葉の競演をお楽しみください。また、秋は収穫の季節であり、五穀豊穣を祈るお祭りの季節でもあります。冨田溪仙の《うづまさ牛祭》に描かれるのは、太秦・広隆寺のお祭りで(もともとは境内にあった大酒神社のお祭り)、鞍馬の火祭、今宮神社のやすらい祭と共に、京都三大奇祭と言われる珍しいものです。しかし、近年は牛の調達がむずかしいために開催されていないとのことですので、昨年度所蔵品となったばかりの本作品によって、ユーモラスな趣を持つという牛祭の様子を知っていただければ幸いです。」
都路華香 1871 - 1931 白雲紅樹 c. 1914 絹本着色
都路華香 1871 - 1931 白雲紅樹 c. 1912 絹本着色
竹内栖鳳 1864 - 1942 秋興 1927 絹本着色
森 寛斎 1814 - 1894 鵞鳥 明治期 絹本着色
久保田米僊 1852 - 1906 蔦もみじ 1885 絹本着色
冨田溪仙 1879 - 1936 清水秋酣図 c. 1932 絹本着色
冨田溪仙 1879 - 1936 うづまさ牛祭 1920 絹本着色
小川千甕 1882 - 1971 田人 1928 紙本着色
池田遙邨 1895 - 1988 家を持たない秋がふかうなった 山頭火 1988 紙本着色
池田遙邨 1895 - 1988 うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火 1984 紙本着色
麻田鷹司 1928 - 1987 樹響 1956 紙本着色
山岸 純 1930 - 2000 残月 1998 紙本着色
徳岡神泉 1896 - 1972 薄 1955 紙本着色