京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

秋の花 大文字草、鍾馗水仙、大原女薊、紫、秋桐、黄花秋桐、杜鵑草、浜薊、霜柱、節黒仙翁、風船唐綿

2019-10-09 17:10:34 | 2019 花


秋の花です。

大文字草(ダイモンジソウ)
本州の関東より西・四国・九州に分布する多年草。
湿り気のある環境を好み、渓谷の岩肌などに自生。
5枚の花びらの長さと並びが、漢字の「大」の字に見えることから名付けられています。










鍾馗水仙(ショウキズイセン)
四国から沖縄にかけて分布













大原女薊(オハラメアザミ)





紫(ムラサキ)





秋桐(アキギリ)










黄花秋桐(キバナアキギリ)





杜鵑草(ホトトギス)ユリ科、ホトトギス属
秋に日陰に多く生える。
若葉や花にある斑点模様が、鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから名付け。



























浜薊(ハマアザミ)キク科
分布 本州(伊豆半島以西)~九州
温帯の海岸に生育するキク科アザミ属の多年草。






紫苑(シオン)
キク科シオン属の多年草。





霜柱(シモバシラ)










亀葉引起(カメバヒキオコシ)シソ科









節黒仙翁(フシグロセンノウ)
ナデシコ科センノウ属の多年草。





風船唐綿(フウセントウワタ)
南アフリカ原産









貴船菊八重赤色





シクラメン(秋咲き)














嵐山福田美術館(1)竹内栖鳳、横山大観、菱田春草、下村観山、橋本関雪

2019-10-09 05:30:51 | 美術・博物館


今月10月1日に嵐山にオープンした福田美術館のコレクションです。
作品は一部を除き撮影可能です。

1.明治以降の絵画
明治以降の画家たちは、西洋美術の概念や写実表現を取り入れながら、各自の個性を開花させました。
京都では江戸時代の円山四条派の流れを汲む竹内栖鳳その弟子たちが活躍しました。彼ら京都画壇の作品は福田コレクションの中でも特に充実しています。
「猛虎」は巨匠栖鳳らしい技巧が発揮された名品です。
また上村待園の収集には力を入れており、「長夜」Ⅰ期をはじめとする画業初期の優品が揃っています。
橋本関雪の「後醍醐帝」は第6回文展への出品作、近年再評価が高まる木島櫻谷の「馬路之春」Ⅱ期は第7回文展への出品作で、約80年ぶりの公開です。
東京画壇では横山大寒や菱田春草、下村観山など日本美術院を拠点とした主要画家の作品が網羅されています。
大観の「富士図」や速水御舟の再興院展への出品作「山頭翠明」などスケールの大きい大作が数多く含まれているのも、福田コレクションの大きな特徴です。


竹内栖鳳 1864ー1842
「金獅子図」 1906年(明治39年)
西洋絵画のエッセンスを取り入れた迫力の金獅
栖鳳は西洋絵画の写実表現を取り入れ、独自の動物画、風景画を大成した。
ライオンが岩影から勢いよく身を乗り出し、咆哮しながら獲物に飛びかかろうとする瞬間を描く。
右足の鋭い爪、左足の筋肉の描写など、勇ましい百獣の王の姿が的確に捕らえられた作品。













竹内栖鳳  1864ー1842
「猛虎」 1930年(昭和5年)
虎が空中を見上げて何かに神経を集中させ、右足を持ち上げつつある様子から次の瞬間、獲物に飛びかかる姿を想像することができる。
虎の視線の先に押された印章「霞中庵」は当館より徒歩15分ほどの距離に今も残る栖鳳の別邸。













横山大観 1868ー1858 菱田春草 1874ー1911
「竹林図・波濤図」  1907年(明治40年頃)
対照的なタイプの巨匠が競演
大観は青々とした葉を茂らせる竹林を描き、手前から奥にかけて色彩を淡くすることで、遠近を巧みに再現。
春草が描くのは怒濤が響く荒磯の風景で、空に舞う千鳥の群れが、打ち寄せる波の雄壮さをひきたてている。
竹と波の形は左右対称となっており、静と動の対比も意識されている。

















横山大観  1868ー1858
「富士図」  1945年(昭和20年頃)六曲一双
紙にもこだわって表現した、広大n雲海
金色に輝く旭日が昇り、果てしなく広がる雲海から雪を頂いた富士が端正な姿を見せている。
限られたモチーフを横長の画面に巧みに構成し、地上からは決して臨むことのできないゆうだいな景色を描ききった。大観渾身の作品。













菱田春草  1874ー1911
「梅下白猫」  1903年(明治36年)
春草の静謐な筆致で描かれた白き猫
丁寧に描きこまれた白い毛並みはまばゆいばかりで、一点を見つける凜とした表情も印象的。
梅と猫の白さが、萌え出始めた若草の緑や、ほのかな朝の光を絶妙に引き立てている。











菱田春草  1874ー1911
「春庭」  1897~1906年(明治30年代)
美しいグラデーションで伝える春の息吹
空の茜色と、地面の若草色の境目を刷毛でぼかし、美しいグラデーションが生み出されれている。
これは若草たち日本美術院の画家が、大気や光の表現をねらった「朦朧体」と呼ばれる絵の特徴で、何とも幻想的な光景である。










下村観山  1873ー1930
「ダイオゼニス」  1903年頃(明治36年頃)
日本画で描く古代ギリシャの哲学者
樽を住み家とする特異な逸話で知られる人物で、日本画の題材となるのは極めて稀。
観山は1903年、。イギリスに留学し西洋絵画を探求した。
しわが刻まれた皮膚や衣の質感、遠近を意識した奥行きのある空間描写にその成果が存分に発揮される。















橋本関雪  1883ー1945
「後醍醐帝」  1912年(大正元年) 六曲一双
深い知識に裏打ちされた歴史画の傑作
武士や僧兵が一斉に視線を注ぐ先には、石段を降りる男性の姿が見える。
この人物こそ、奈良・吉野に逃れ新政府を樹立することになる後醍醐帝その人。
女性は身をやつし密かに御所を脱出する場面であろうか、巧みな群像表現で劇的に描かれている。
なんと107年ぶりの公開です。これだけでも価値があります。





左双





右双





左双部分













右双部分















上村松園  1875ー1949
「軽女悲離別図」   1900年(明治33)
女性の奥ゆかしさを表現した初期の代表作
お軽は、赤穂浪士を卒いた大石良雄の京の愛妾。
吉良邸討ち入りを決意した大石が江戸に下る前夜、彼女は別離を悲しみながらも激励の意を込めて箏を奏で歌う。
奥ゆかしさと気概を兼ね備えた女性像を松園は描きたかったのであろう。











上村松園  1875ー1949
「長夜」   1907年(明治40年)
ほの灯りが照らし出す優しい世界
日が暮れても、若い娘は頬杖をつきながら読書に夢中。
彼女を気遣って行灯の灯芯をかきたてているのは、姉らしき女性。
二人とも江戸時代中頃に流行した髪型を結っているが、表現やしぐ、装いにおける年齢差が巧みに描き分けらえている。











明治以降の絵画続く。