『須田国太郎の周辺』
京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー
令和2年度 第3回コレクション展 10月8日(木)~ 12月20日(日)
『須田国太郎の周辺』
『画家であると同時に、生前は美術史家としても知られていた須田国太郎。彼は美学や美術史については、京都帝国大学教授の深田康算という当時の日本では最高の美学者だった師に学びましたが、絵については、関西美術院で都鳥英喜や沢部清五郎にデッサンを学んだのを除けば、ほとんど独学でした。
しかしヨーロッパ留学中には、同時期に滞欧していた児島虎次郎や中沢弘光、黒田重太郎、川端弥之助、里見勝蔵、川口軌外等と親しく交わり、学ぶところがあったようです。
帰国後しばらくは生活のため学者として活動していた須田を、画家の道へ誘ったのは、京都在住の画家仲間である田中善之助、太田喜二郎、向井潤吉、神阪松濤等でした。特に神阪松濤の紹介を受け、向井潤吉の協力を得て1932(昭和7)年、東京の銀座にある資生堂ギャラリーで最初の個展を開催したことは、画家としての須田の活動を一気に本格化させました。
この個展を見た里見勝蔵、川口軌外の紹介で、須田は独立美術協会の会員に迎えられたのです。
以後の彼は、同会会員の小林和作や曽宮一念と一緒に展覧会を開催したり、同会の研究所に学んでいた北脇昇や小牧源太郎、今井憲一、安田謙等の若者たちに絵画の理論と技術を教えたり等、画風を異にする多彩な仲間たちとの交友の中で画業を展開することとなりました。
ここでは、須田の画業をさまざまな形で支えた画家仲間たちの作品を、当館コレクションによりご覧いただきます。』
都鳥英喜 1873 - 1943 セイヌ河 1919


黒田重太郎 1887 - 1970 スカール・オブセルヴァトアル 1917

川端弥之助 1893 - 1981 雪の朝 1922

里見勝蔵 1895 - 1981 静物 1924頃

川口軌外 1892 - 1966 スヴニール 1932

神阪松涛 1882 - 1954 裸体写生(男) 明治末

小林和作 1888 - 1974 春の山 1967

北脇 昇 1901 - 1951 秋の驚異 1945頃

小牧源太郎 1906 - 1989 作品 1939

今井憲一 1907 - 1988 ターミナル 1954

安田 謙 1911 - 1997 人と馬(鉄を打つ) 1956

美術館四階より


西洋近代美術作品選
ヨハネス・イッテン 1888 - 1967 ヨハネス・イッテン版画集 1919

ヨハネス・イッテン 1888 - 1967 幸福な島の町 1965

なぜ芸術家はフランスを目指すのか?
パブロ・ピカソ 1881 - 1973 静物-パレット、燭台、ミノタウロスの頭部 1938

マン・レイ 1890 - 1976 糊の時代 1935 [1970再制作]

ピエト・モンドリアン 1872 - 1944 コンポジション No.1 1929

田淵安一 1921 - 2009 三相万華Ⅳ 1972

堂本尚郎 1928 - 2013 連続の溶解 1962

樂 直入(十五代吉左衞門) 1949 - 茶碗 France Loubignacに於いて造る(フランスRAKU茶碗) 2010 陶器


菅井 汲 1919 - 1996 時速280キロ 1965

笠原恵実子 1963 - Untitled Slit #1 1995 大理石
