山野草の栽培に親しんで数十年、多いときには地植えの外に三、四十鉢も育てていた。家に在っても野山に自生する植物をいつも想っていたいからで、芽が出れば、花が咲けば、心は野山に跳んで群生地や生育地に足を運び、天然の草花や樹木を鑑賞した。
その山野草も、旅が多くなるにつれ、潅水その他の管理が不十分になり、種類、鉢数は減って目下はキキョウとオキナグサ、サクラソウぐらいしかない。潅水を気にしないで済むランの類だけが増えている。
翁がオキナグサを愛でても洒落にならないが、キンポウゲ科の植物の中では傑れて花色が渋いこの花、独特の味わいがある。
花が終わるとタネができる。オキナグサの名は、この花が散った後が白髪に見えたことに由来するらしい。
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