三月末頃、台所の片隅にジャガイモが一つ転がって、一人芽を出していた。 萎びたそのどこに、芽を吹く力があるのだろうかとあまりにも哀れを感じて、庭の片隅に植えておいた。
ジャガイモ君は、花を咲かせ力強く成長している。 秋が楽しみになってきた。 果たして幾つの小芋が生まれるのだろうか。 それにしてもたくましいものである。 庭の片隅でも育つものである。 終戦後、どの家でも庭は食料生産の現場であったことがあった。
線路脇の空き地も、「トウモロコシ」が植えられていたのを思い出した。 みんな生きることに必死だった時代だ。 今や又、戦前の過ちを繰り返しそうな政治状況が見え隠れする。 強権政治の時代が再び来るのだろうか。 大阪では強権政治を否定した。 さすが大阪人である。 その反骨精神に乾杯したい。