東京都は何だか変だ。 築地市場移転工事の、過去のいきさつから広島の地からのほうがよく見えるのかもしれない。
当初計画での入札がすべて不調になった事は皆さんご存知のことである。その後、 業者と東京都の間で協議がもたれ、入札金額が増額されて、それぞれの共同企業体が落札した。
それも、それぞれの工区で、他の企業体が、入札辞退という形であった。 完全に官民談合に他ならない。
さて地下空間の問題であるが、東京都内の公立の学校のグランドや、校舎と校舎の間の空地の地下には、雨水排水の地下浸透装置が設置されているはずである。 これらは嘗て、空調用や工業用水の為に地下水位のくみ上げによって、地盤沈下を起こし、その対策として施工されている。
この工事は、民間の敷地に於いても、東京都条例によって義務付けられている。 都内河川系統によってその規制に差は存在するが、例外は無い。
環七の地下に、神田川の河川の反乱対策用の巨大空間が存在することは、TVでたびたび紹介されているので皆さんよくご存じのはずである。
同じように江東区も条例によって、官民すべての敷地について規制されている。 雨水対策用地下浸透施設など今回の騒動の中では一度も出てこない。 この対策用地下施設を施工しなかった分、建設費が抑えられて落札された事は、疑う余地はない。
今後雨水対策工事の為に、変な地下入口(建設機械搬入用だそうである。)が存在し、地下空間に地下水が溜まっているのも当然である。 況してや、騒動の最中が満月の前後であり、海に突き出た豊洲は、当然に潮位の影響を受けて、地下水が高水準になっていたことは、まぎれもない事実である。
東京都は、条例によって地下に十分な水分が供給され始めたため、その影響を一番受けているのが地下鉄なのだそうである。 地下鉄が大きな浮力を受けて、維持が大変な状況だそうである。
河川の幅が広げられない分、雨水との戦いが大変な状態になっているようである。 嘗ての隅田川の上流域や、練馬などは農地であったので、雨水の自然浸透で川幅が広く必要なかったそうである。
戦後、特に前回のオリンピック以後の東京の乱開発が今日の状況を作り出しているのだ。 川は、深さをいくら深くしてもダメなのだ。 東京湾の水位に対して、圧力をかけて流れるためには、川幅が必要だそうである。 つまり、川の水深を深くしても、海からの海水が多く遡上するだけなのである。 要するに今回の事件の原因は、各地の震災によって工事単価が急激に上昇したため、予算不足になっただけの話である。
本来ならば、石原都知事以降の知事が、お役人の説明で補正の予算を別途の名目で作り、専門業者が直接工事請負を行って、四方うまく収まる予定の官製談合が崩壊しただけの話である。