十月十六日、広島大学医学部の腎臓内科を受診した。 地元医からの紹介である。 血液関係の検査は、総て正状値より15%低く、腎臓機能は全て15%高い数値で、午後二時まで延々と検査した。尿蛋白はけいそく不能だそうだ。 甲状腺刺激ホルモンは基準値の倍数。 クレア二ンは規定の二倍。 ・・・書いていくと切りがない。 胆嚢無し、前立腺無し前立腺に至っては100%癌が有ると判断した手術だったが、国立のがんセンターも、がん細胞を見つけられなかった。 勿論広大も。 今回は胆嚢のX写真から癌に間違いないと切除したが、これまた、癌無し。中の石が大量で、壁を傷つけて、癌に見えたそうだ。 一応退院したが、一日おきに点滴。三日に一度の血液検査。 一時間半の点滴は、いささか、嫌になって来た。 今日も今日とて、地元医に30P分の報告書が届いていた。 時間が懸かる検査結果と共に、12月18日に、「CT他、再度の検査を行うので来院されたし」との事である。 自宅から早ければ一時間十五分。 ラッシュ時には二時間かかる。 此方は病人だ・・・と叫びたくなったが、お偉い先生方が検査してくださるので行かざるをえまい。 せめて、天気が良ければよいが。 15歳から二年半入退院を繰り返した大学病院。 様変わりの大きさに・・・・。 嘗てあった竹林も無く、警察学校も無い。 入院の暇つぶしに、「竹秋」という短編随筆を文芸朝日に送ったら、佳作になった事が有った。 当時入院していた同年代の娘は、みんなどうして居るだろうか。 三波春夫に会ったのも、この病院の当時新館と言われた建物だった。 大江健三郎氏も又この病院だった。 当時は赤レンガの病棟(被爆建物)と、東に見える黄金山と、蓮畑だけが記憶に残っている。
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