『わたしが正義について語るなら』 やなせたかし著 ポプラ新書
有名な誰からも愛されるアンパンマンの著者である。アンパンマンは歌の通り愛と勇気が友達の正義の味方である。そこで作者なりの正義について優しく解説している。
1 相手を殺してしまってはいけない。
2 正義で威張っている奴は嘘くさい。
3 自分なりに戦えばいい。
4 とにかくやりつづける
5 好きなもの以外の武器を持て。
彼は2013年に94歳で亡くなっているが、興味深い章があったので引用しておこう。
(人間の最大の敵はばい菌なのです。みなさんのお腹の中、口に中にはばい菌がたくさんいる。例えばインフルエンザに罹らないように予防注射をしますね、抗生物質が発見されるとインフルエンザは治るようになります。でも抗生物質を使うと今度は抗体を持った新型のばい菌が出てきてそれまでの薬が効かなくなってしまう。そうするとまたこちらも対抗する薬を作っていく。それに対抗して新型菌が出てくる。新型には今までの注射は効かなく・・・と、この戦いは永遠に続いていくのです。アンパンマンとばい菌マンの戦いと同じです。また酵母菌のようにパンを作るのに必要な菌もいるし、納豆菌、乳酸菌、有用善玉菌もたくさんある。残念ながらそれが健康な社会なんです。ばい菌が絶滅すると人間も絶滅する。たえず両方が拮抗して戦っているのが健康なんです。安全なバランスで保たれているのが必要なんです。)
まるで現在のコロナの件を言い当てて妙である。いわゆる with corona というわけか。